CFOメッセージ
サテライトグロース戦略の推進と、それを支える経営基盤の強化によりパートナーの皆さまとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す
コーポレート統括本部長
サステナビリティ経営を基軸に好循環を生み出す
サステナビリティ経営を基軸とし、パートナーの皆さまとともに社会の持続的成長と企業価値向上の好循環を目指していきます。
株式市場においてはESGの取り組みへの関心も高まっています。当社は従来から災害対策やKDDIフィロソフィなど非財務における強みを磨いてきました。新重要課題(マテリアリティ)策定においては、長期投資家等マルチステークホルダーの関心事項と当社の意思を軸に、新中期における課題をマッピングし、6つのマテリアリテ
ィに集約しました。当社の事業変革に必要なイノベーションの推進、事業の多様化に伴う人財強化やガバナンス強化、気候変動など国際社会の課題意識の高まりへの対応が主な変化点です。
またそのマテリアリティ毎に社会に提供すべき「提供価値」を決定、それぞれの提供価値の実現に向けた25のサステナビリティ目標(KPI)を設定しました。
ESGへの関心の高まりとともに、資産性支出や非財務資本の見える化への期待も高まっています。長期戦略との関連性の高い開示に向けた取り組みを強化いたします。サテライトグロース戦略の推進に必要なイノベーションや人財ファースト企業への取り組みなど経営基盤の強化と、新たなサステナビリティ目標をあわせてご注目ください。
カーボンニュートラルへの取り組みを加速
2022年2月、国際的な気候変動イニシアチブ「SBTi(Science Based Targets
initiative)」によるSBT認定を取得しました。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を2021年4月に表明しております。
KDDIのSDGs「KDDI
Sustainable
Action」において、CO2排出量実質ゼロを目指すことを宣言していましたが、目標を20年前倒し、2030年度までに自社の事業活動におけるCO2排出量実質ゼロ実現を目指します。加えて、TELEHOUSEブランドで展開している全世界のデータセンターにおいては、2026年度までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指します。また、KDDIグループ全体では2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指します。
5Gトラフィック増に対しては燃料電池の商用導入に向けた検証、 AI活用による利用状況に応じた基地局出力調整など、技術開発を通じた省エネ施策の取り組みを進め、2022年3月末の3G停波に加えて、他社とのインフラシェアリング、各種省エネ技術導入による削減効果と再生可能エネルギーへの切り替えにより電力消費量の削減を目指します。
CO2排出量実質ゼロに向けたロードマップ
人財ファースト企業への変革とともにDXを推進
人財を最も大切なリソースと捉え、その育成・強化を経営の根幹に置く「人財ファースト企業」への変革を目指し、「KDDI版ジョブ型人事制度の導入」「KDDI新働き方宣言の実現」「社内DXの推進」の3つの柱で推し進めており、三位一体改革の取り組みをフェ ーズ2へ進化させます。新たなマテリアリティに「人財ファースト企業への変革」を設定しており、多様かつ高度なプロ人財の活躍と挑戦心あふれる企業風土の醸成により、イノベーションを創出、社会の持続的成長に貢献します。具体的には「非通信事業などの新規領域および既存事業におけるプロ人財比率」を25.3期に30%と設定しています。また「KDDI DX University」の活用による全社員のDXスキル向上とプロフェッショナル人財の育成により、注力領域への要員シフトも実行し、DX基礎スキルの習得をKDDIグループへと拡大します。
人財ファースト企業への変革
三位一体改革の取り組みをフェーズ2へ進化
人財育成
DXを中心に事業戦略を推進するための組織力を最大化
- ※2020年に開始した社内人財育成機関
KDDIグループの事業活動において人権尊重を徹底
KDDIグループは、全ての事業活動が人権尊重を前提に成り立つものと認識し、「KDDIグループ人権方針」を定めています。人権尊重の責任を果たすため、さらに取り組みを加速させるべく、2022年10月に「KDDIグループ人権方針」を改定しました。新マテリアリティにおいては、提供価値のひとつに「人権の尊重」を掲げ、KDDIグループ人権方針の遵守によってあらゆる事業活動において人権を尊重するとともに、グローバル人権デューデリジェンスを推進していきます。
人権尊重
KDDIグループ事業活動における人権尊重の徹底
KDDIグループ人権方針の遵守
- あらゆる事業活動における人権の尊重
- 人権への負の影響の回避・低減
- 人権侵害への非関与
- 全役員・従業員への人権啓発の推進 他
グローバル人権デューデリジェンス
コスト効率化とキャッシュアロケーション
コスト効率化については、技術関連では、3Gを停波し、5Gエリア構築を加速する中、インフラシェアリング推進や先進技術活用を進め、投資水準の適切なコントロールをしてまいります。また、営業体制の変革、販売チャネルの効率化にも取り組み、中期1,000億円規模のコスト効率化を目指します。
キャッシュアロケーションは、持続的な成長に向け、成長投資と株主還元を引き続き強化してまいります。金融事業を除く営業CFは中期で5兆円規模を目指します。生み出した営業CFを、5G・注力領域への設備投資と戦略的事業投資に優先して配分し、トータル2兆円規模で投資を実施していきます。株主還元については配当性向40%超、成長投資の状況などを鑑み、機動的に自己株式取得を実施する等、中期で1.5兆円規模で実施していきます。
コスト効率化
中期1,000億円規模のコスト効率化を目指す
キャッシュアロケーション方針
持続的な成長に向け、成長投資・株主還元を引き続き強化
さいごに
世界情勢は刻々と変化し、事業をとりまく環境にも激しい変化が予想されます。変化に対応しながら、当社の考える未来社会を実現するためにも、ゆるがない軸としての「KDDIフィロソフィ」を経営層と従業員の共通の考え方・行動規範として浸透してまいります。人権を尊重し、透明性・公正性を担保したコーポレート・ガバナンス体制との相乗効果により、リスクマネジメント・情報セキュリティ体制の強化を進め、グループ一体経営の推進に努めていくことで、経営基盤強化を図ります。
株主・投資家の皆さまとの対話から頂戴する貴重なご意見を経営に活かし、新たな3年間の事業変革に取り組んでいきます。