人財ファースト企業
への変革
多様なプロ人財の活躍と
エンゲージメント向上
高度なプロ人財が誇りと働きがいを持ち、能力を最大限発揮する。
社員エンゲージメントの向上が、社会の持続可能な成長に貢献する
コーポレート統括本部
人事本部長
社会変革がもたらす労働環境の変化
コロナ禍を契機に拡大した時間や場所にとらわれない働き方、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、人財戦略としてのリスキリング、人財獲得競争の激化や人財の流動性の高まりなど、労働市場を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。さらに、日本政府が公表した「新しい資本主義」では、「人への投資」の抜本的な強化が掲げられています。加速する社会変革に対応し、ハイブリッドな働き方に対応しながら生産性を向上させ、新たな価値を創出するためには、専門性を持ったプロ人財を育て、その能力を最大限に引き出し、社員エンゲージメントを向上させる労働環境が必要です。
人財は産業・社会の課題を解決し、価値を生み出すイノベーションの源泉
KDDIは、通信を中心に、DX、金融、エネルギーなど、さまざまな事業領域で培ってきた知識やノウハウを基盤に、多くのパートナーの皆さまとの協働に取り組み、数々のイノベーションを創出してきました。このイノベーションの源泉は人財です。KDDIでは、25.3期までに達成を目指すサステナビリティ目標として、プロ人財の育成や、役員を含む全社員のDXスキル向上に関する指標を掲げています。特にDXスキル向上については、関連部門だけでなく全社員のスキル向上を目指していることがKDDIの強みとなります。DXスキルに加え、あらゆる専門領域でプロ人財を育成することで、社員のコラボレーションによりあらゆる産業にイノベーションを起こし、社会への価値提供に貢献できると考えています。
また、人財への投資こそがイノベーションの創出に必要であると確信しており、23.3期の人財への投資額は、22.3期比で倍増を見込んでいます。
多様な人財のキャリア形成を後押しする「ジョブ型人事制度」
2020年8月から導入した「KDDI版ジョブ型人事制度」では、管理職という概念を覆し、新たに「経営基幹職」を設けました。従来の管理職に求められていたリーダーとしての役割を果たす人財だけでなく、各専門領域で高い専門性を持ってプロジェクトを牽引するエキスパート人財も「経営基幹職」として処遇します。また、KDDI版ジョブ型人事制度の特徴として、単純に高い専門性を目指すだけではなく、人間力を高めることも重要視しています。本制度の導入以降、若手社員だけでなく、これまでジェネラリストとして活躍してきた40代・50代のベテラン社員も改めて自身のキャリアに向き合い始めています。
さらに、日常的な1on1の定着により、働きやすさ、働きがいにつながる心理的安全性を担保し、社員エンゲージメント向上を目指します。エンゲージメント向上は社員個人のパフォーマンスだけではなく、部門、会社のパフォーマンス向上につながり、それが社会への価値提供にもつながっていきます。この制度により、年齢・性別を問わず多様な人財が専門性を活かして活躍できる環境を構築し、企業価値向上とともに社会の持続的な成長への貢献につながることを期待しています。
提供価値(8)
多様なプロ人財の活躍とエンゲージメント向上
[ サステナビリティ中期目標(23.3期-25.3期) ]
スコアの維持向上
- (全てKDDI単体)※習得機会はグループへ拡大
[ 具体的な取り組み ]
- 豊富な事業領域におけるプロ人財育成、役員を含む全社員のDXスキル向上によるイノベーション創出
- KDDI版ジョブ型人事制度の推進により社員のキャリア形成を後押しし、多様な人財が活躍できる環境の構築
[ 強み ]
- あらゆる産業とコラボレーション可能な、DXを中心とした人財育成
- 従来の管理職の概念を覆し、高い人間力を有するプロ人財を育てるKDDI版ジョブ型人事制度実証できた新技術のKDDIグループ内での活用
[ リスク ]
- 少子化、高齢化による生産年齢人口の減少に伴う優秀な人財の確保困難
- 多様な人財に応じた多様な働き方、魅力ある労働環境の提供に伴うコスト増
[ 機会 ]
- 「KDDI版ジョブ型人事制度」「社内DXの推進」「KDDI新働き方宣言」によるハード・ ソフト両面での環境整備による多様な人財の確保
[ 社会課題 ]
企業はコロナ禍を契機とする労働市場を取り巻く環境の変化や、日本政府が2022年6月に公表した「新しい資本主義」
で掲げられた「人への投資」の抜本強化などの社会変革に対応し、新たな価値を創出する必要がある
KDDI版ジョブ型人事制度
社員一人ひとりがプロフェッショナルとなることで、KDDIの持続的な成長を実現するための「KDDI版ジョブ型人事制度」を2020年8月から導入しています。職務領域を明確にする「ジョブ型」を採り入れ、成果・挑戦、能力に応じてダイレクトに報いることで「プロを創り、育てる」制度です。
KDDIは持続的な成長に向け、通信事業を軸としながら新規領域の拡大を進めています。これは、社員が活躍できるフィールドが拡がることにもつながっています。
領域の拡大には、より高い専門性を持った優秀な人財が必要です。KDDIは、全ての社員が既存の通信事業で培った経験も活かしながら、新たな領域でも通用する能力を積極的に身に付け、外でも通用するプロ人財となることを目指しています。
このようにして、「人財ファースト企業」=「人財を最も大切なリソースと捉え、経営の根幹に置く企業」への変革を実現していきます。
三位一体改革の取り組みをフェーズ2へ進化
働き方改革
KDDIは、従来の働き方からの抜本的な意識・行動変革を促し、生産性の高い働き方にシフトするために2017年1月より労働時間に関する指標を設定するなど、「働き方改革」の取り組みを本格的に開始し、同時に「働き方改革推進委員会」を設置しました。構成委員は、各部門のトップである本部長とし、委員長は人事部門の担当役員が就任。2018年4月からは戦略子会社の社長も委員に加わりました。20.3期以降は、多様な働き方を加速するためのプロジェクトチームを編成し、21.3期からは「KDDI新働き方宣言」のもと、 DX推進をはじめとする環境整備やKDDI版ジョブ型人事制度の導入による新たな働き方のビジョン策定など、人財ファースト企業への変革に向け、さらなる働き方改革を推進しています。
働き方改革推進委員会の運営体制
女性活躍推進
ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントを推進することは、女性の人権への理解を深めるばかりでなく、国際社会の課題解決や企業の持続的な発展につながります。
そのため、中期経営戦略に反映し、経営戦略の一つとして女性活躍を推進しています。
KDDIは、女性がキャリア意識を持ち、出産・育児などのライフイベントを迎えても活躍し続けられるよう、「女性リーダーの育成」「経営基幹職の意識啓発・行動変革」「労働環境の整備」を中心に、多様な人財が能力を活かし、高いパフォーマンスを発揮するための環境整備、風土醸成を図っています。
また、会社の意思決定に女性が参画することが企業力強化につながると考え、女性リーダーの育成に注力しています。21.3期に導入した新人事制度では、人事評価権限を持つ組織のリーダーならびに専門領域のエキスパートを「経営基幹職」と定義し、25.3期末までの数値目標として、女性の経営基幹職比率を15%まで引き上げることを掲げています。
KDDI DX University(社内人財育成機関)
DXの推進に向けて、21.3期に社内人財育成機関「KDDI DX University」を設立しました。DX人財として、ビジネスディベロップメント、コンサルタント&プロダクトマネージャ、テクノロジスト、データサイエンティスト、エクスペリエンスアーキテクトという5つの専門領域を定義して育成します。ジョブ型での専門領域として人事制度に組み込まれているのが特徴で、24.3期までにグループ全体でDX人財を約4,000人に増やします。また、25.3期までにDX基礎スキルを全社員が習得し、全専門領域でのプロ人財比率を30%まで引き上げます。これらの取り組みの結果、注力領域への要員シフトを推進し、DXを中心に事業戦略を推進するための組織力を最大化します。
DXを中心に事業戦略を推進するための組織力を最大化
生産性向上・HR(Human Resources)データドリブン
HRデータドリブン実践に向け、ピープルアナリティクス専任部隊を発足します。
HRデータの分析手法拡大、分析データ拡大、可視化の高度化を推進し、社員エンゲージメントと生産性の向上、人事労務プロセスの高速PDCA、人的資本マネジメント情報の可視化を実現し、意思決定、課題解決に向けた情報提供を通して、会社、経営、社員に寄与します。
タレントマネジメント
KDDIは、広範な事業領域を活用した社員の多様な成長・挑戦機会を積極的に支援するタレントマネジメントシステム「X-Career」を導入しています。社員一人ひとりがキャリアを拡大、深耕し、一人ひとりのキャリアが融合することでイノベーションを創出することを目的としています。社員はシステム上で保有する専門スキルや関心分野、キャリア志向を表明し、上司との1on1によるキャリア計画の立案、自身にマッチするロールモデルやキャリアマップの検索、評価・人財レビューによるギャップ分析、公募や社内副業も活用した配置・職種転換、マッチングのサイクルを通じて、自律的なキャリア形成を行っていきます。
新人事制度の目的・方針に沿ったこのシステムの活用により、企業の持続的成長とともに社員の成長の実現を目指します。
社員エンゲージメント向上
KDDIでは、一人ひとりの社員が生き生きと楽しく働くことが当社の持続的成長につながると考え、四半期ごとに「社員エンゲージメントサーベイ」を実施しています。本サーベイでは、KDDIが社員エンゲージメントとして定義する「会社や仕事に対する自発的な貢献意欲」を測定し、指標化します。
サーベイ結果はリアルタイムで各組織のリーダーへ共有されます。人事部門が、「社員エンゲージメント」の結果を分析し施策立案をするのではなく、各組織のリーダーがサーベイ結果をメンバーと共有し、自分たちの組織の課題は何であるか、自分たちが生き生きと楽しく働くためにはどのようにしたら良いかを対話から生み出していく、このプロセス自体が、社員エンゲージメント向上につながると考えています。
このような活動に全社で挑戦し、社員エンゲージメント向上に取り組んでいます。