CFOメッセージ

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サテライトグロース戦略の推進と、それを支える経営基盤の強化によりパートナーの皆さまとともに企業価値の向上と社会の持続的成長の好循環を目指す


執行役員常務 CFO
コーポレート統括本部長
サステナビリティ担当役員
最勝寺 奈苗

サステナビリティ経営を基軸とした経営戦略

株式市場においてはESGの取り組みへの関心が高まっています。当社は、サステナビリティ経営を基軸とし、パートナーの皆さまとともに企業価値向上と社会の持続的成長の好循環を目指しています。以前から災害対策による強靭な通信環境の提供や、KDDIフィロソフィの社内浸透活動を通じた人財育成など、非財務における取り組みを磨いてきましたが、中期経営戦略策定の際には、長期投資家等マルチステークホルダーの関心事項と当社のビジョンおよび事業へのインパクトを軸に、6つのマテリアリティを選定しました。当社の事業変革に必要なイノベーションの推進、事業の多様化に伴う人財強化やガバナンス強化、気候変動など国際社会の課題意識の高まりへの対応などが盛り込まれています。
また、そのマテリアリティごとに社会への8つの提供価値を決定し、それぞれの提供価値の実現に向けた25のサステナビリティ中期目標(KPI)を設定しています。
ESGへの関心の高まりとともに、資産性支出や非財務資本の見える化への期待も高まってきていますので、長期戦略との関連性が高い項目の開示を強化いたします。サテライトグロース戦略の推進に必要な経営基盤の強化に向けた取り組みと、サステナビリティ中期目標にもご注目ください。

カーボンニュートラルの実現に向けて

2030年度までに自社の事業活動におけるCO2排出量実質ゼロ実現を目指します。加えて、TELEHOUSEブランドで展開している全世界のデータセンターにおいては、2026年度までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指します。また、KDDIグループ全体では2050年度までにCO2排出量実質ゼロ実現を目指します。
5Gトラフィック増に対しては、技術開発を通じた省エネルギー施策の取り組みを進め、2022年3月末の3G停波に加えて、他社とのインフラシェアリング、各種省エネルギー技術導入による削減効果と再生可能エネルギーへの切り替えを進めてまいります。
また、太陽光発電で自律的に電源を確保し、晴天の日中であれば、1局の基地局運用に必要な電力全てを供給することが可能となる「サステナブル基地局」の運用をauエネルギー&ライフとともに2023年5月より開始しました。さらに、2023年4月に事業を開始したauリニューアブルエナジーで再生可能エネルギー発電事業を加速し、事業を通じて社会のカーボンニュートラル実現に貢献してまいります。


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  • KDDIグループが建物・設備を保有するデータセンターを指し、他社のデータセンター施設や設備の一部を借り受けてサービス提供する形態を除きます
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サテライトグロース戦略の推進に必要なグループガバナンスの強化

サテライトグロース戦略の推進に伴い、グループ会社が増加し、事業も多様化していく中、グループのリスクマネジメントと情報セキュリティ体制も強化しています。具体的には、グループ全体でシナジーを発揮して成長していくためにも、シェアードサービスによる共通基盤の拡充や、CFO人財の育成・支援体制を確立することで、リスクマネジメント体制を強化していきます。また、グループ間データ連携へ向けたプライバシーガバナンス体制を整備することで情報セキュリティを一段と強化し、事業成長を支援します。

これまでKDDIグループは、全ての事業活動が人権尊重を前提に成り立つものと認識し、「KDDIグループ人権方針」を定めていましたが、人権尊重の責任を果たすため、さらに取り組みを加速させるべく、2022年10月に「KDDIグループ人権方針」を改定しました。

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人財ファースト企業への変革とともに注力領域成長を加速

企業理念に「全従業員の物心両面の幸福の追求」をうたっている通り、KDDIグループでは人財を重視しています。これからの時代において、一人ひとりの専門性が重要になり、社内外で活躍する人財を育てるということは、当社の持続的な成長にとっても大切な取り組みです。
このように、人財を最も大切なリソースと捉え、その育成・強化を経営の根幹に置く「人財ファースト企業」への変革を目指し、「新人事制度の浸透」「KDDI版ジョブ型人事制度によるプロ人財育成」「社員エンゲージメント向上」の三位一体改革に取り組んでいます。マテリアリティに「人財ファースト企業への変革」を設定しており、多様かつ高度なプロ人財の活躍と挑戦心あふれる企業風土の醸成により、イノベーションを創出し、社会の持続的成長に貢献します。具体的には「全専門領域におけるプロ人財比率」を25.3期に30%と設定しています。また「KDDI DX University」の活用による全社員のDXスキル向上とプロフェッショナル人財の育成、およびDX基礎スキルの習得をKDDIグループへと拡大することにより、注力領域への要員シフトも実行していきます。

人財ファースト企業への変革


人財を重要な資本と捉え、その育成・強化を経営の根幹に置く企業


三位一体改革の推進

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1
  • 事業戦略と連動した人財ポートフォリオ構築
  • 公募、社内副業の活用によるキャリア自律の促進
  • DE&Iの浸透
2
  • 全社員向けDX基礎スキル研修の実施
  • KDDI DX Universityの研修プログラム拡充
3
  • 部門主体の働き方リデザイン
  • データドリブンでのエンゲージメント向上施策推進

人財育成


DXを中心に事業戦略を推進するための組織力を最大化


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  • 2020年に開始した社内人財育成機関

キャッシュアロケーションと株主還元

持続的な成長に向け、成長投資と株主還元を引き続き強化してまいります。金融事業を除く営業キャッシュフローは中期で5兆円規模を目指します。生み出した営業キャッシュフローを、5G・注力領域への設備投資と戦略的事業投資に優先して配分し、トータル2兆円規模で投資を実施していきます。特に7,000億円規模の戦略的事業投資については、今後の事業成長につながる案件に集中して投下してまいります。一方で、成長投資については、KDDIグループ全体での資本効率向上も意識し実行してまいります。
中期経営戦略で掲げたEPS成長目標については、通信料金値下げや燃料高騰影響などもありますが、EPS成長を目指すことは、事業成長および株主還元強化の両面で重要なベクトルであると考え、引き続き追い続けていきます。そして、2023年5月には当社経営の方向性を示すために、配当の5円増配に加えて自己株式取得を増額し3,000億円の取得枠を設定することで株主還元も強化しました。
さらに、社会課題の解決や地球環境の保全につながる事業に資金使途を限定したKDDI初のサステナビリティボンドである「KDDIつなぐチカラ債」(無担保普通社債)を2022年10月に発行しました。今後も、社会課題の解決や地域環境の保全につながる事業を推進し、サステナビリティ経営に即し資金も効果的に調達してまいります。

キャッシュアロケーション方針


持続的な成長に向け、成長投資・株主還元を引き続き強化


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コスト構造改革

2022年3月の3G停波による通信設備関連費用の効率化により約500億円のコスト構造改革を実現しました。引き続き、インフラシェアリングの推進や、先進技術活用などによる技術コスト構造改革を進めるとともに、販売コストの収益構造改革と合わせて中期(23.3期-25.3期)1,000億円規模のコスト構造改革を進めていきます。今後も、KDDIフィロソフィに基づき「売上を最大に、経費を最小に」を実践するとともに、筋肉質な経営を徹底してまいります。

不安定な海外情勢や、燃料高騰、急速な為替変動など、昨今の企業経営は予測が難しいさまざまなリスクにさらされています。このような環境下においても、当社は売上と利益、双方の財務的な成長を目指して各種取り組みを推進してまいります。そのために、機敏な先読みとレジリエントな備えを両立する経営基盤強化を進め、KDDIフィロソフィに基づいたサステナビリティ経営の実践を通じて、非財務の価値も向上させ、企業価値向上と社会の持続的な成長に貢献してまいります。
株主・投資家の皆さまとの対話から頂戴する貴重なご意見を経営に活かし、中期経営戦略に取り組んでいきます。

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