2022/10/20
住民・観光客・漁師のためのエリアをつくる思い
愛媛県西部の宇和海に浮かぶ小さな島「嘉島(かしま)」は、以前から電波が不安定で、場所によってつながらないこともしばしばあった。そこでKDDIは、2019年7月、嘉島で携帯電話がスムーズにつながるようにKDDIの携帯電話基地局を開設する工事を開始した。
その嘉島のエリア化に取り組んだKDDIの小田浩明は、今回のエリア化にあたりこう語る。
「島の産業の中心は漁業です。携帯電話がつながることで、島に暮らす皆さんの生活が快適になるのはもちろん、携帯電話は緊急時の通信手段として非常に重要ですので、島内だけでなく、作業中の船で漁師さんがきちんと使えるよう、エリアの構築を行わなくてはなりません。この嘉島のエリア化は、島の皆さんにとってはもちろん、KDDIとしても悲願のエリア化でした」
今回の嘉島のように、これまでもKDDIでは四国の島々で携帯電話がつながるように長く施策を続けてきた。たとえば、大洲市沖に浮かぶ「青島」。いわゆる猫島として知られる観光地でもある。青島は、四国側から電波を飛ばしてエリア化した。これにより地域住民はもちろん、島を訪れる観光客もスムーズに携帯電話を使えるようになったのだ。
実際に使った現地の人からも喜びの声が届いている。 「今までは自宅のなかでも、手前の部屋では通じるのに山側の部屋に行くと全然通じなかった。それがちゃんと通じるようになるのはありがたいね。電波がスムーズに入るようになったら、より多くの人に島に遊びにきてほしい」
長年、四国全域の基地局に携わっている、KDDIエンジニアリングの難波隆之は、「四国の島々にはこれまで百数十の基地局を建設し、エリア化に努めてきました。今回の嘉島のように、直接住民の方の声を聞けるとありがたいですね。仕事へのモチベーションも高まります」と語る。
携帯電話の電波は、つないで終わりではない。つながらない場所をつないだ後には、正しくつなぎ続ける取り組みが生まれる。今日も、海を渡り山を駆け巡り鉄塔によじ登り街を見渡し、携帯電話の電波をつなぎ続けるために、“現場”は動き続けている。
※この記事は2019年9月18日の記事 を再編集したものです。