2024.01.23

私に先入観はない、という先入観を捨てよう

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KDDIは「なりたい私が、KDDIにいる。」をキャッチコピーに掲げ、2030年までにDE&Iが全社的に浸透することを目指していますが、2025年までははじめの一歩として、「私に先入観はない、という先入観を捨てよう。」というキャッチコピーのもと、アンコンシャスバイアスへの取り組みを進めています。

「KDDIは、中期経営戦略における重要課題の1つとして『人財ファースト企業への変革』を掲げています。もともと企業理念である『KDDIフィロソフィ』や『KDDI行動指針』にはダイバーシティが基本であることや、人権尊重を明記していましたが、現在の中期経営計画では『人財の力』で成長していく企業であることを強く打ち出し、多様な人財の活躍にフォーカスを当てています。それぞれの社員が最大限の力を発揮できる環境がなければ、優秀な人財でも真の力を発揮できないからです」と、KDDI 人事企画部 内海かなめは話します。

KDDI株式会社 コーポレート統括本部 人事本部 人事企画部 副部長 内海かなめKDDI株式会社 コーポレート統括本部 人事本部 人事企画部 副部長 内海かなめ

KDDIのD&Iを「DE&I」へとフェーズアップした背景には、KDDIの事業領域の拡大に伴って、さまざまな領域のプロフェッショナル人財が集う企業に成長したことが1つの要因だといいます。

「従来とは異なる多様なスキルやバックグラウンド、考え方を持つ人財が入社してきます。そういう方たちを尊重し、活かしきることが大事だと考えています。例えば、仕事の進め方ひとつとっても『KDDIではこれが普通』といった思い込みに捉われていると、折角の新しい発想・手法を活かせないかもしれません。違う意見をぶつけ合って新たな価値をつくる。それによってお客さまに、よりよいサービスを届けることができるようになると考えました」

また、もう1つの理由として、マイノリティの方がいた場合、その方たちの気持ちを想像し、思いを馳せることが必要だと感じていたと内海は話します。

「例えば、中途入社者の例で言えば、即戦力として採用しているのだから、このくらい出来て当然だよね、といった思い込みで相手を見てしまうと、相手はプレッシャーを感じ萎縮してしまうかもしれません。異なる環境に慣れるだけでも大変だろうな、といった相手の立場や環境に思いを馳せることができれば、違う接し方ができるのではないでしょうか。そうなれば、優秀な人財が持つ“違い”のよさを活かすことができるようになると思います」

アンコンシャスバイアス研修で“少数派”に思いを馳せる

「DE&I アンコンシャスバイアス研修」はその取り組みの一環です。2022年3月から本部長から研修を開始し、2023年度は部長、グループリーダー層へ拡大して研修を全社的に進めています。

「研修の中では、“少数派”になった経験について思いを馳せてもらうプログラムがあります。本部長、部長といった組織の上層部の社員は普段はルールを作ったり意思決定をする“多数派”ですが、少数派だった時には居心地の悪さや孤独を感じた経験があり、それを思い出しつつパーソナルな話をしてもらいました。自分と同じような思いを少数派の人にさせていないか、そういう部分をケアすることが必要ではないかというコメントが多く聞かれました。研修を終えた感想として、その気付きを話す方は多かったです」

また、KDDIのDE&Iへの取り組みでは、女性活躍推進についても重要視しています。

「KDDIでは要員構成上、女性社員は少数派です。女性は過去、出産などのライフイベントの影響で昇進が遅れる傾向がありましたが、そこにはアンコンシャスバイアスも関係していたのではないでしょうか。出産したら家庭第一にするのが当たり前という価値観の人もいれば、出産しても出来るだけ早く復帰してキャリアを途切れさせたくないという人もいます。普通はこうだ、という思い込みではなく、一人一人の違いを認め、活かす最善の道を探っていけたらと思います。加えて、女性が男性と同じ土俵で活躍するために、スポンサーによる育成制度や育児両立支援といったエクイティ施策でスタートラインを合わせ、女性の活躍を後押ししていきたいと考えています。マイノリティを含む、一人一人の社員をエクイティで支援することをKDDIの風土として醸成していきたいです」