2024.01.26

分散する小さなエネルギー源を脱炭素社会実現と地域創生に役立てたい

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分散型電源とエネルギーマネジメントの必要性を実感した東日本大震災

2004年に設立されたエナリスは、「人とエネルギーの新しい関係を創造し、豊かな未来社会を実現する」というビジョンのもと、再生可能エネルギー供給をはじめとする企業の脱炭素化を支援するサービスや新電力や再エネ発電事業者の業務支援サービスなどを展開し、お客さまとともに脱炭素を推進しています。

そんなエナリスが分散型電源やエネルギーマネジメントを考えるきっかけとなったのが2011年の東日本大震災です。電源の供給自体が滞り計画停電も行われるようになり、エネルギー事業に携わるエナリスができることは何かを改めて自問自答しました。

株式会社エナリス 代表取締役社長の都築実宏は、次のように話します。

「1つは需要側の電源を制御することで、エナリスでは電力を見える化するシステム『FALCON SYSTEM』というサービスを立ち上げました。そしてもう1つの着目点が、分散型電源です」

株式会社エナリス 代表取締役社長  都築実宏株式会社エナリス 代表取締役社長 都築実宏

分散型電源を束ねる「仮想発電所」が生み出す価値

分散型電源とは、その名のとおり、分散している小規模な電源のことです。例えば、蓄電池や自家発電機、電気自動車などを指します。分散型電源を束ねて利用することで、電力供給が滞ったときにも役立つほか、地方創生や脱炭素社会へも貢献します。

これまでは所有者のためだけに利用されてきた分散型電源ですが、これらを集めて遠隔で制御し、あたかも1つの大型発電所と同じような機能を持たせる高度なマネジメント技術を「仮想発電所(VPP:バーチャルパワープラント)」といいます。
再生可能エネルギーが増える中で生じる電力供給の不安定さをうめる技術にエナリスはいち早く注目して取り組んできました。

脱炭素に向け再生可能エネルギーの主力電源化に取り組む

東日本大震災を契機に取り組みが始まった仮想発電所は、グリーントランスフォーメーションが社会や企業の課題になる中で、「脱炭素」という側面からも大きな注目を集めるようになりました。

「いま企業とエネルギーとの関わりは、大きな転換点を迎えています。エネルギー使用の合理化や非化石エネルギーへの転換を明示した2023年の『改正省エネ法』では、電気の需要の最適化が求められています。2026年に本格稼働するCO2の排出量取引や、2033年度に開始予定の発電事業者向け有償オークション導入など、エネルギーと経営の関わり方は大きく変わりつつあります。脱炭素は、これまでのように単に『環境への貢献』ではなく、避けて通ることのできない経営課題となっています。その解決の一助となるのが、仮想発電所です」

今日エナリスでは、膨大な数の分散型電源を制御する技術を結集したエネルギープラットフォームを運用しており、その実績は業界随一です。エナリスはこれからも、KDDIグループの各企業と連携しながら、エネルギープラットフォームのリーディング企業として、再生可能エネルギーの主力電源化に取り組んでいきます。