2023.7.26

カーボンニュートラル達成に向けたさまざまな技術開発

  • サステナブル基地局
  • カーボンニュートラル
  • 太陽光発電

基地局の次にKDDIでCO2排出量が多いのがデータセンターを含む通信局舎からの排出です。

365日24時間サーバを安定した環境で運用するために適切な温度管理をしないと故障のリスクが高まります。この空調制御に多くの電力を消費します。
設備運用にかかわる電力消費を抑える取り組みにも、積極的に取り組んでいます。

コーポレート統括本部 サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル戦略G 大庭隆宏コーポレート統括本部 サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル戦略G 大庭隆宏

冷却の効率化を目指す取り組み

通信局舎のCO2排出実質ゼロに向けた取り組みの一つがAIを活用した空調制御です。実は、局舎内は機器の設置状況や稼働状況により、同一室内でも温度状況が異なります。現状では室内全体に均一に冷気を送るため、エリアによっては冷やし過ぎの状態となっていました。

この対策として室内に多数の温度センサーを設置し、AIを使って温度が高いエリアだけを適切に冷やすように空調を制御する事で空調機器の電力消費量を抑えられるようになりました。

最新技術を使った取り組みはほかにも進んでいます。

ひとつは三菱重工業、NECネッツエスアイと共同で開発している「液浸冷却」の実装。電気的に不活性な液体に機器ごと漬けて冷却する方法です。実証実験では、従来のサーバ冷却に使われる電力を94%削減することに成功し、今後本格運用を見据えた実証実験を進めています。

三菱重工業、NECネッツエスアイと共同で実施した「液浸冷却」の実証実験三菱重工業、NECネッツエスアイと共同で実施した「液浸冷却」の実証実験

また、トラフィック(データの移動や通信の発生)に合わせてCPUの稼働を調整する仕組みの導入も進めています。サーバ上では、常にトラフィックが発生しているわけではありませんが、いつ大量のトラフィックが発生するか予測できないことから、常にCPUを動かしており、それが余分なCO2の排出につながっています。

これを、トラフィックに応じてCPUの稼働を制御する仕組みによって稼働を最適化し、CO2を削減することができるようになります。

新技術の開発・実装に向けた取り組み

カーボンニュートラルという高い目標を実現するためには、既存技術の活用だけでなく、イノベーション(革新的技術開発と社会実装)が不可欠です。

KDDIはKDDI Green Partners Fund(Green Fund)を通じて、気候変動問題に取り組むスタートアップ企業と共に、環境分野における技術革新や新技術の普及拡大に取り組んでいます。

そのひとつが「ペロブスカイト太陽電池」。Green Fundの出資先である株式会社エネコートテクノロジーズとKDDIは、将来的に通信基地局でペロブスカイト太陽電池を活用することを目指し、「薄い」「軽い」「曲がる」性質を生かした設置方法などの実証実験を進めています。

ペロブスカイト太陽電池ペロブスカイト太陽電池

KDDIは、企業や組織の枠組みを超えて共創によるイノベーションを創出し、豊かな地球を未来につなぐために、挑戦を続けていきます。