2023.5.30

携帯リサイクルに込めたKDDIの思い

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レアメタルの宝庫、携帯電話を「ゴミ」から「資源」に——。使用済み携帯電話をリサイクルする取り組みは、2005年にスタートしました。

当時、携帯電話の普及率はほぼ7割に達し、店頭には次々と魅力的なニューモデルが登場。買い替えにより、使用済み携帯電話は増える一方で、回収とリサイクルが大きな課題となっていました。

徹底したリサイクルで環境保全に貢献

2005年、KDDIは会社を挙げて環境問題に取り組むことを発表し、その一環として携帯電話のリサイクルをスタートさせました。auのお店に、回収用のリサイクルボックスと、個人情報を取り出せないようにするための破砕機を設置。回収した携帯電話は手分解によって99.8%が新たな素材に生まれ変わっています。

「CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)活動の一環として始まった環境問題への取り組みですが、今では中期経営戦略の中でも重要な位置づけとなっています」こう話すのは、サステナビリティ経営推進本部の上岡悠太です。

KDDI株式会社 サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル戦略グループ 上岡悠太KDDI株式会社 サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル戦略グループ 上岡悠太

限りある資源を再利用することで、レアメタル採掘や、機械で分解するために発生する二酸化炭素による環境破壊に歯止めをかけ、カーボンニュートラルの実現につなげたいと話します。

「家に眠る携帯電話」に新たな価値を

リサイクルが始まった2005年から、携帯電話を取り巻く環境は大きく変化しています。通信技術は3Gから4Gを経て、5Gの時代になり、端末は今や高い機能を備えたスマートフォンが主流となっています。フィーチャーフォンの時代に比べて、1台のスマートフォンを長く使う方が増えており、リサイクルに出てくる端末は減少傾向にあります。
そのため、これからは、家に眠っている携帯電話の発掘が課題だと上岡は話します。しかし、そこには難しい問題があります。

「携帯電話は、常に肌身離さず持っているものだけに、思い出とともに手元におきたいという人が少なくありません。また、KDDIの携帯電話は著名なデザイナーが手がけた端末も多く、モノとして持っておきたい人も多いのです」

リサイクルの活動に興味を持っていただくために、今後、上岡が検討しているのは、リサイクルされたあとの姿を知ってもらうための取り組みです。「持ち込んでいただいた携帯電話が、これまでどれくらい再資源化されたのか、どのような姿に生まれ変わったのか、どれだけCO2を削減できたのか、といったことをイメージできるようにしたいですね。携帯電話の新しい活躍の場を知っていただくことで、よりお客さまの心の中に思い出として残るのではないかと思うのです」

環境のために、大切な資源を新たな姿に生まれ変わらせるために、KDDIはこれからも携帯リサイクルに取り組んでいきます。