2023.2.13
カーボンニュートラルの実現に向けて、KDDIができること
環境問題に取り組む企業を支援する「KDDI Green Partners Fund」
KDDIでは、カーボンニュートラルの実現に向けて、2030年度までにCO2自社排出量を実質ゼロにする目標を設定しています。そのために、基地局や通信設備における省電力化や、再生可能エネルギーへのシフトといった施策を推進しています。
こうした自社での取り組みはもちろんのこと、社会全体のカーボンニュートラルを加速させるために「KDDI Green Partners Fund」を立ち上げています。これは、環境課題に取り組むスタートアップ企業に資金と機会を提供し、支援することを目的としたファンドです。
「KDDIが自社の経営においてカーボンニュートラルへ取り組んでいくことは経営戦略の中で明確にされています。それだけではなく、社会や世界に向けてKDDIにできることがある、何かをやらなければならない、という観点から立ち上げたのがKDDI Green Partners Fundです」と話すのは、KDDI サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 エキスパート 青木圭秀です。
世界がカーボンニュートラルの達成へ動きを見せるなか、日本においても2022年4月にいわゆる「プラスチック新法」※が施行されました。プラスチックの使用・廃棄に伴う環境問題は世界で深刻化しており、不要になって燃やす際のCO2排出や、原料となる石油資源の枯渇、またマイクロプラスチックと呼ばれる5ミリメートル以下の極小のプラスチックが海洋を汚染して生態系を破壊し、ひいては人間の害となることも懸念されています。
※プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律
「世界中で、プラスチックの代わりになる素材についての開発が進んでいます。そうした代替プラスチックのなかでも、本当の意味で環境に優しい素材を開発している企業に支援したいと考えていたときに出会ったのがアミカテラさんです」と、KDDI サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル戦略グループ 柏木真由子は振り返ります。
「au Style UENO」の併設カフェで、modo-cell®を素材とするストローを使用
アミカテラが開発した代替プラスチック素材「modo-cell®」(モドセル)は、植物繊維(セルロース)を主原材料とする、まったく新しい素材です。
「代替プラスチック素材の一部は、食材やバイオマス燃料の原料としても利用できる素材を原料とすることがあります。それに対してmodo-cell®は、不要となった植物繊維、廃棄物として処分される素材を活用できます。また、微生物の働きで分解される性質を備えていて、自然に廃棄された場合でも早いものでは6カ月程度で分解されます。このように本当の意味で循環型の素材であることが、KDDIのサステナビリティへの思いと重なり、KDDI Green Partners Fundの支援対象として選定しました」(柏木)
KDDIでは、modo-cell®を原材料とするストローを、KDDIの直営店「au Style UENO」に併設された「BLUE LEAF CAFÉ」で、2022年11月から導入しています。ストローの材料になっているmodo-cell®は、放置竹林の伐採で生じた不要な“竹”を原材料としてつくられているため、抗菌効果も備わっています。
「modo-cell®を素材とするストローは使用感も抜群で、お客さまアンケートでも、違和感がなく、時間が経ってもふやけないと好評をいただいています」(柏木)
今後は、au Style UENO以外のカフェ併設直営店(仙台、名古屋、京都、広島)でも、modo-cell®のストローを順次導入予定です。さらに、KDDI社内のオフィス備品などにも、modo-cell®製品の導入を計画中です。
「KDDI Green Partners Fundなどの取り組みによって、KDDI社内でもサステナビリティやカーボンニュートラルへの意識が高まっていると感じます。自社が、地球に優しい企業であることは、働くモチベーションにもつながります」(青木)
KDDIでは同ファンドを通じて、アミカテラのほかにも、次世代の太陽電池開発に取り組む株式会社エネコートテクノロジーズ、レアメタルリサイクル事業に取り組む株式会社エマルションフローテクノロジーズ、ヘリカル方式による核融合炉の実現を目指す株式会社Helical Fusionなどを支援しています。
ファンドの支援によって環境課題に取り組む企業が育ち、カーボンニュートラル実現に少しでも近づいていくことを、KDDIはこれからも目指してまいります。