2024.02.29

お客様の安全を守りたい―日本交通の思い

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2023年2月1日から2023年2月28日、東京都板橋区で実施した公道における実証実験では、日本交通と出前館の通常業務中に、本機能をスマートフォンに搭載してご利用いただきました。

本実証に参画した目的や、本機能を利用した感想、今後の期待について、日本交通 板橋営業所 主任の片野光明さんと、班長の潮田祐美さんにコメントをいただきました。
※ 文中の所属・役職等は2023年3月当時のもの

左から日本交通株式会社 板橋営業所 班長 潮田祐美さん、主任 片野光明さん(当時)左から日本交通株式会社 板橋営業所 班長 潮田祐美さん、主任 片野光明さん(当時)

「事故ゼロ」を目指したい

「自転車やバイクなど二輪車との接触事故は、もともと大きな課題でした」
こう話すのは、片野さんです。

板橋営業所では1ヶ月平均3〜4件、二輪車との事故が発生しており、強い危機感を持っていたといいます。

「よくあるのは、信号がない住宅街で一時停止線がない道路をタクシーが走行中に、横道から一時停止線を無視した自転車が飛び出してくることです」(片野さん)

本実証で公道を運転した班長の潮田さんも、こう続けます。

「狭い住宅街で左折するときは、歩道に詰めて、ウィンカーを出して、必ず止まって目視確認をしますが、いざ曲がろうとする直前に自転車がスッと来て、車と歩道の間をすり抜けて行くとヒヤッとします」(潮田さん)

もちろん、運転手向けの研修では、「焦らずに停止して目視確認する」「二輪車が通り過ぎるまで待つ」など、徹底して教育しているといいます。
しかし、「事故ゼロを目指すには、双方のさらなる歩み寄りが必要」というのが、実情のようです。

「二輪車との事故は、お相手方が生身の状態なので、いくらタクシーのスピードが出ていなかったとしても、大きな怪我につながりかねません。本実証を通じて、双方の意識を高めたいと思い、協力させていただきました」(片野さん)

見えないところからの注意喚起は「ありがたい」

本実証では、日本交通と出前館の両社にアプリを起動したスマホを実装していただき、午後4時頃に下板橋駅付近の商店街エリアを走行しました。

実際に運転した潮田さんは、「毎日1〜2回は通知があり、注意しなきゃと思いました」と振り返ります。

「通知が来ると、もっとスピードを落とそう、もう一度周囲を目視確認しよう、と安全意識が高まりました。自分では見えないところからの注意喚起によって、より広い視野で周りを見ることができ、ありがたかったです」(潮田さん)

「二輪車向けのアプリでは、走行中により見やすいように通知音や画面表示の文字が大きく設定されていたそうです。同じく、通知後に減速した、一時停止をより丁寧に行った、と効果があったと聞いています。もともとの我々の狙いであった双方の意識が高まったと実感しました」(片野さん)

これからの展開にも期待

続けて片野さんは、このようにご指摘いただきました。

「デリバリーサービス事業者様は時間を気にしながら商品をお届けする。私たちタクシー会社は、お客さまを速やかに目的地へお送りする。そのため、お互いに焦っている状態での運転になってしまうときがあります。そんなときに、お互いがこうしたツールを活用することで、リスクの低減になるのではないかと考えています」(片野さん)

また、本機能には、過去に事故件数が多い場所などの「危険地域」を予め設定しています。

「知らない道に行くことが多い仕事なので、どこが危険なのか事前に通知があると、より安全意識が高まるなと思いました」(潮田さん)

今後の業務システム連携についても、前向きなコメントをいただいています。

「タクシー、デリバリー、配送など、さまざまな業態があるので、業態ごとに使いやすいアプリがあると、利用しやすいのではないでしょうか。ぜひ、こういったツールも上手に活用しながら、よりいっそうの安全強化に取り組んでいければと思っています」(片野さん)