2023.4.28

社会に新しい価値を提供するために―KDDIの「人財」への思い

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「KDDI版ジョブ型人事制度」によるプロ人財の創出

KDDIは2020年から「人財ファースト企業への変革」を掲げて、働き方改革、社内DX、新人事制度という3つの変革に取り組んできました。

「いまや通信は、ビジネスや生活において意識しないところにまで溶けこみ、私たち通信会社が担う役割がこれまで以上に重要になっています。そうしたなかで安定した通信のご提供に加えて、社会に対して通信を活用した新しい価値を提案し続けていくことがKDDIの使命であり、それを担っていく人財をKDDI社内で育てていく必要があると考えています」と話すのは、コーポレート統括本部 人事本部 人財開発部長 木村理恵子です。

KDDI株式会社 コーポレート統括本部 人事本部 人財開発部長 木村理恵子KDDI株式会社 コーポレート統括本部 人事本部 人財開発部長 木村理恵子

通信を軸として幅広い領域で新しい価値をご提案していくには、それぞれの領域に精通した「プロ人財」が欠かせません。社内の人財を育成するにしても、社外から採用するにしても、それぞれのポジションの職務内容を明確にして、それに見合った人財が、見合った処遇を得られる人事制度が必要になります。そこで、2020年8月から「KDDI版ジョブ型人事制度」を導入しました。年功的な要素を撤廃し、実力や成果に見合った評価を行うことで、モチベーション高く仕事に向き合えるようにする制度です。

「一般的なジョブ型人事制度と異なるユニークな点が大きく2つあります。1つは、KDDIグループの幅広い事業領域のなかで自分が目指すキャリアを自由に描き、多様な経験を積めること。もう1つは、テクニカルな能力だけではなく組織やチームの成功に貢献する『人間力』も重視していることです」

また旧来の管理職を廃止し新たに制定したグレード制度では、リーダー系統に加えてエキスパート系統をつくり、高い専門性を持つプロ人財が「経営基幹職」としてモチベーション高く仕事に臨める体系にしています。さらに、「社内人財公募制度」やKDDIグループ内で他の仕事を兼業できる社内副業制度も設け、自分のやりたいことに挑戦しやすい環境を整備しています。

「DX基礎スキル研修」は本部長クラスから順に全社員が受講

DX領域のプロ人財を育成していく仕組みとして、まずは2020年夏に「KDDI DX University」を開講しました。当初はデータをベースにビジネスデザインができる変革リーダー「DXコア人財」の育成を主眼として開始し、DXに必要な5つの専門領域「ビジネスディベロップメント」「コンサルタント&プロダクトマネージャー」「テクノロジスト」「データサイエンティスト」「エクスペリエンスアーキテクト」の専門スキル研修を提供してきました。現在までに、すでに約650人が受講しています。

さらに今年度からは、全社員を対象とした「DX基礎スキル研修」もスタートさせました。

テクノロジーが絶えず進化を続け、事業環境が激しく変化する中で持続的に成長し続けていくために、KDDI自身も「変革」を迫られています。その中で「常に自ら変化できる能力を持った企業」になるために、全社のどの部門でも、データやテクノロジーを活用して、組織やビジネスを変革していく力を付けていくことが重要です。

「DXや最新のデジタル技術に関する知識を全社員の共通言語にし、同じ方向を向いて変革を推進していくために、全社員向けのDX基礎スキル研修を始めました。KDDIでは、まず本部長・部長クラス、次にグループリーダークラス、そしてメンバークラスという順番で、職位の高いメンバーから順に行っています」

さらに現在は、KDDI版ジョブ型人事制度におけるDX領域以外の25の専門領域についてもそれぞれの領域のプロ人財の育成を目指して、専門スキル研修のカリキュラム整備を進めています。


「全社員がDXの基礎知識とそれぞれの領域の専門スキルを掛け合わせたプロフェッショナルになることによって、パートナーのみなさまと一緒に社会にイノベーションを起こし、新たな価値提供に貢献できる企業を目指してまいります」