2023.1.19

「つなぐことで、学生スポーツを応援したい」KDDIの思い

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いつでもどこへでも、試合をつなぐ

部活動を支える資金面での学校格差や、ファンの応援が届きにくいなど、部活動や学生スポーツにはさまざまな課題があります。また、少子化やスポーツ離れで、学生スポーツ人口自体が減少しているという根本的な問題もあります。運動通信社の「日本のスポーツを発展させていく原動力は学生スポーツにある」という考えに共感をするKDDIでは、そうした現状を社会課題ととらえ、幅広いパートナーとともに学生スポーツを支える活動を行っています。

そうした思いで取り組んできた事業の一つが、株式会社運動通信社と共同で運営するスポーツメディア「SPORTS BULL」(スポーツブル https://sportsbull.jp/)です。

「SPORTS BULL」配信現場「SPORTS BULL」配信現場

「SPORTS BULL」はマスメディアでの放映機会が限られるアマチュアスポーツや学生スポーツなど、幅広い競技の情報や映像を配信することを特徴とするインターネットスポーツメディアです。

「スポーツには人を感動させる力あります。通信は、その瞬間を映像で届けることによって、世界中の人に感動を届けることができます。そういう意味で、スポーツとKDDIが持つテクノロジーは非常に相性がよいと考えています。バーチャル高校野球*1などの配信では、地方球場における通信インフラのサポートなども行っています」と説明するのは、KDDI株式会社 事業創造本部 LXサービス企画部の西原隆浩です。

KDDI株式会社 事業創造本部 LXサービス企画部 西原隆浩KDDI株式会社 事業創造本部 LXサービス企画部 西原隆浩

これまで、毎年注目を集める全国高等学校野球選手権大会も、各都道府県で行われる地方大会は地方局でしか放映されていませんでした。

2022年夏の選手権大会では、主催している朝日新聞や朝日放送の系列局と協力しながら、KDDIグループのJ:COMなどのネットワークを生かすことで、地方大会のほとんどをSPORTS BULLで配信することができました。

「“地元の予選が観戦できるのはうれしい”“インターネット配信なので、どこでもスマホで観ることができて便利”など、視聴者からの喜びの声をいただけるのが励みになっています」(西原)

バーチャル高校野球で培った実績は、春高バレー、高校サッカー、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)など、幅広いスポーツ分野に活用され、どこでも好きなスポーツを観戦できる環境を、学友やご家族、地元のファンの皆さまに提供しています。

「コロナ禍においては、観客数制限をして行う試合も増えました。学生である今でしか見られない活躍の姿を、ご家族がライブで見られないという状況のなか、配信で観ることができるというのは社会的にも意義のあることだと改めて感じました。応援してもらえることは、部活チームにとってもモチベーションアップにつながるはずです」と、KDDI株式会社 マーケティング統括本部 マーケティング企画部 梅原卓郎は話します。

KDDI株式会社 マーケティング統括本部 マーケティング企画部 梅原卓郎KDDI株式会社 マーケティング統括本部 マーケティング企画部 梅原卓郎

*1 バーチャル高校野球:運動通信社のスポーツメディア「SPORTS BULL」上で展開している高校野球の総合情報サイト。地方大会から甲子園まで、ニュースや動画中継などで多角的な情報を発信している。

ファンと部活チームをつなぎ、活動支援へ

「学生スポーツのインターネット配信により、『部活チームとファンをつなぐ』という目的に一定の成果を出すことができました。しかし、学生や学校関係者と向き合うなかで、まだまだ部活動に課題が残されていることに気づきました。具体的には、部活チームとファンとのつながりや、部活動を維持するための資金面の課題です」(梅原)

そこで、運動通信社とKDDIでは、現状の課題を解決し、スポーツに取り組む学生を支えたいという思いを実現するため、2022年10月に学生スポーツ応援コミュニティサービス「ANYTEAM」(エニーチーム)を開設しました。

ANYTEAMには主に2つの機能があります。1つが応援したい部活チームへ応援メッセージの投稿ができたり、その投稿に対してファン同士で書き込みができるファンコミュニティ機能です。

ANYTEAMのファンコミュニティ機能ANYTEAMのファンコミュニティ機能

「がんばっている部活チームと、応援するご家族やファンをつなぎたいという思いからスタートしたプロジェクトでしたので、ファンコミュニティ機能は欠かせないと考えていました。実際、春高バレー、全国高校サッカーなど冬の学生スポーツ大会の時期を中心に、学生スポーツファンの皆さまに徐々にご利用いただいています」(梅原)

もう1つが、応援したい部活チームへ支援金を送ることができる「ドネーション機能」です。支援金は ANYTEAMを通じて各学校の口座へと支払われ、学校が運動部のための施設費、運営費、遠征費などの資金として分配する流れとなります。

「学校や部活ごとにさまざまな課題があります。そのなかには、運動施設の整備や用具の購入、遠征費などの費用面が、ご家族に依存することがあり、負担のためにスポーツを続けられないという悩みもあります。ファンが費用を支援することで、応援にも熱が入るような相乗効果を生むのではいかという期待もあります」(梅原)

2022年10月にスタートしたANYTEAMには、徐々に全国の学校から問い合わせが寄せられるようになっています。梅原は、「学生スポーツ界ではANYTEAMを使うのが当たり前と言われるような世の中にしていきたいです。観る人に感動を与えるスポーツと、場所を問わず情報のやり取りができるデジタルの強みを掛け合わせて、学生スポーツや日本のスポーツ全体を盛り上げていくことができれば、これ以上うれしいことはありません」と、今後の目標を語ります。