2023.1.19

5Gエリアの通信品質向上を図る──「品質管理」

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  • ずっと、もっと、つなぐぞ。au

5Gのエリア拡大は、企画、開発、検証、設計、工事、品質管理、運用といった段階を踏んで進んでいきます。ここでは、品質管理について紹介します。

ビッグデータ分析と地道な現地調査から始まる品質管理

品質管理の工程では、5Gエリアにおける音声通話やデータ通信の品質、電波状況を調査し、品質の維持・改善を行います。ビッグデータの活用や実際に足を運んで電波状況の調査を行い、お客さまがストレスなく快適に通信できる環境を維持していくというのが大きな役割です。

KDDIは、5Gエリアを拡大するにあたってお客さまの生活動線を意識し、主要なターミナル駅周辺の商業地域で5Gエリアを展開するとともに、そこへ延びている鉄道路線のエリア化を進めています。品質管理の工程においても、通勤や通学での移動中や商業地域で過ごしていても5Gが途切れることのないよう日々改善に取り組んでいます。

お客さまの移動状況、人の流れは日々変化するため、通信品質の維持・向上のためには常にメンテナンスを行う必要があります。品質管理の工程は、大きく「現状把握」「分析」「改善」「事後確認」の4つのステップに分けられ、サイクルを回しています。

① 現状把握
お客さまの利用状況をはじめとするビッグデータから、各エリアにおける5Gの電波状況を確認し、音声通話やデータ通信の品質を判断します。詳細な状況を確認するためには、実際に現地に行って現状を把握します。

② 分析
品質向上の余地があるエリアに対して、au基地局のアンテナの方向や角度を変えたらどうなるか、設備のパラメータを調整するとどうなるかといったことをシミュレーションします。

③ 改善
分析結果をもとに、au基地局のアンテナの向きの調整や、設備のパラメータ変更を行います。

④ 事後確認
実際に通信品質が改善されたかビッグデータの確認を行い、現地で体感品質のチェックを行います。改善しきれない場合、新たな基地局を建設する必要性について、企画・設計部門にフィードバックを行っています。

トラフィック(お客さまの通信量)を可視化した地図。このようなビッグデータを元に、品質改善箇所の検討を行う。トラフィック(お客さまの通信量)を可視化した地図。このようなビッグデータを元に、品質改善箇所の検討を行う。

あるエリアの品質改善をするとき、一度行えばそれで終わりというわけではありません。
新しいビルの建設や商業施設ができて人の流れが変わることで、通信品質が変化することもあります。また近年のコロナ禍によって、お客さまの移動状況、人の流れは変化しています。あらゆる状況や人々の動向を鑑みて改善を繰り返していくことで、安定した通信品質を維持し続けることができます。

スタジアムやイベント会場などでの“予防的”品質管理

品質管理のもう1つの側面として、スタジアムやイベント会場などで一時的に多くのお客さまが集まる場合でも、5G通信の品質を保つことが求められます。近年では5Gを活かしたコンテンツをイベント会場で同時に展開することも頻繁になってきました。会場の規模や参加人数などを推測し、これまでの経験や知見に基づいて、あらかじめ臨時の車載基地局を設置するなどして、お客さまに快適にスマートフォンをご利用いただく環境を作っています。

5G車載型基地局5G車載型基地局

膨大なビッグデータの分析とともに、地道な現地調査、知見に基づいた予防的改善などによって、5Gエリアの通信品質は日々維持・改善されています。