2023.08.24

児童見守りシステム(まもるっち)で子育てしやすいまちづくりを実現―品川区の思い

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品川区の児童見守りシステム(まもるっち)の事業が開始されたのは、平成17年度(2005年)。それ以前から世間では子どもに対する犯罪が増えており、子どもの安全・安心を確保することが課題となっていました。

「子どもが助けを求められる子ども110番の家などの地域ボランティア活動はすでに動いていたのですが、もう一歩踏み込んで何かできないかと検討したときに、GPSを使って子どもを見守るという案が出たと聞いています」と話すのは、品川区地域振興部生活安全担当課長 河合伸彦さんです。

品川区地域振興部生活安全担当課長 河合伸彦さん品川区地域振興部生活安全担当課長 河合伸彦さん

まもるっちは端末上部にある防犯ブザーを引いて、連絡を行います。どんな些細なことでも怖かったり不安になった時には、ブザーを引けばオペレータに話を聞いてもらえます。オペレータは月曜日から土曜日(日・祝日除く)の朝7時半から夜8時まで常時複数名が待機しています。

まもるっちセンターには1日300件もの連絡が来ますが、オペレータが優しく適切に対応をしています。誤ってブザーを引いてしまった時でも、名前と状況を必ず確認し、異常がないことを記録します。

通報のほとんどの場合は誤報や子どもたち同士のトラブル等なのですが、子どもが危険な目にあったときの体制もしっかりと整えられています。

「子どもの安全確保で大切なことは、迅速で正確な事実確認です。保護者や学校の先生には、業務中などで直接対応することが難しい時間帯があります。そこで区が主導して、まもるっちセンターで連絡を受けて事実確認をし、子どもの安全確保にすぐ動けるようにしました。元警察官で構成されている生活安全サポート隊も常勤しており、必要に応じて警察との連携も行います。その際にはGPS情報などを警察に共有します」(河合さん)

セーフティ教室やパンフレットで子どもたちが安心してブザーを引けるように啓発

品川区では子どもの安全を守るための「セーフティ教室」が警察の主導のもとに定期的に開催されています。区もまもるっちの使い方を啓発する機会として参画しています。実際にまもるっちのブザーを引き、オペレータに繋がる様子を見せることで、子どもたちが安心して相談できるようになります。

品川区地域振興部地域活動課生活安全担当 杉村佳音さんは、まもるっちの初代利用者でもありました。

「私が小学生のときに初めてまもるっちが配布され、実際に使っていました。当時から誰かに守られているという安心感がありました。自分も利用者だったので、児童と保護者の気持ちに寄り添って安全・安心なまちを作っていきたいと考えています。ブザーを引くことに抵抗があるお子さんもいると思うのですが、怖いと思ったら迷わずに引いてほしいと伝えています」(杉村さん)

品川区地域振興部地域活動課生活安全担当 杉村佳音さん品川区地域振興部地域活動課生活安全担当 杉村佳音さん

品川区は現在、児童見守りシステム(まもるっち)のDX推進にも積極的に取り組んでいます。

「まもるっちにおける各種届出をオンライン化し、いつでもどこでも保護者の方が利用しやすい環境づくりを整備していきたいと考えています」(杉村さん)

森澤恭子品川区長が掲げる品川区の重点施策の一つに、「一人ひとりをささえ、伸ばす 子育て・教育で選ばれる しながわ」があります。地域と行政が力を合わせて、子どもの安全・安心の確保とともに、保護者の方が安心して仕事に集中できるような子育て支援を行っていくとのこと。KDDIも品川区とともに児童が安全・安心に暮らせるまちづくりの実現に尽力していきます。