2023.6.27

子育て世代はもちろん、高齢化社会も見据えて

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社内のノウハウやパートナー企業の技術をフル活用

ベビーカーレンタルサービス「ベビカル」は、事前に予約が可能なサービスです。お客様は専用ウェブサイトで会員登録を行い、日時や場所を選択して予約します。予約画面の二次元コードをベビーカーの係留ポートにかざし、表示灯が点滅している場所にあるICキーを引き抜くとベビーカーが取り出せます。決済にはクレジットカードを利用します。無人の係留ポートだけではなく、有人の貸し出しスポットも提供しています。

KDDIはこの仕組みを一括して請け負い、実質5か月間でサービスを提供、2021年4月のサービス開始に間に合わせました。係留ポートのデバイス開発、そして「会員登録」「予約・認証」「開錠」「決済」のシステム開発を迅速に進められた理由を、KDDI株式会社 ソリューション事業本部 DX推進本部DX・IoTソリューション部 國吉はこう説明します。

「以前からJR東日本様に対する他案件で同様な機能を有するシステムを提供しており、そちらで培ったノウハウを流用できました。ベビーカーを管理するICキーに関しては、我々のパートナー企業が持っていたカギ管理システムの技術を転用しています。ベビカルのために多岐にわたるカスタマイズは必要ですが、これらのノウハウを活かしスピード感を持ってご提供できました」

ベビーカーに紐づくICキーが返却されなければ追加料金がかかるシステムにしたため、ベビーカーが確実に返却される仕組みを実現できました。また、ハードウェアに関してもKDDIの強みが活かされています。

「デバイスにモバイル通信端末をつけて、ネットワーク経由でサーバーにデータを上げる仕組みは他にも数多く開発しています。今回の係留ポートのデバイス開発に関しても、短時間で我々の要求に対応できるものを開発・製造できるパートナー企業と製作しました。ベンダーフリーであることは、KDDIの強みです」

ベビーカーだけでなく、最寄りで使える様々なサービスへ。

サービス開始後もお客様からのご要望にそって改善を続け、現在では満足の声をたくさんいただいています。

「今回は子育て世代のためのベビーカーを開発しましたが、今後少子高齢化が進むとシニアの方が増え、レンタル車椅子の需要も高まると思います。通信業界では最寄り局から家までをラストワンマイルというのですが、ベビカルや車椅子などの最寄り駅から会場・施設間で使えるサービスに我々のプラットフォームを利用していければ、可能性は無限大だと考えています」

DX・IoTへの発展を目指して、新たなチャレンジも視野に

また、今後の展望として、DX・IoTのDXの部分に関しても取り組みたいと國吉は語ります。「サーバーに集めたデータを分析してマーケティングや利便性の向上に繋がるようなサイクルが作れると、DX・IoTの実現になります。ベビカルに関しても、今後はDXの部分に取り組んでいきたいと考えています」