2023.6.12

基地局データ活用と何度も繰り返したテストで高精度な位置情報を実現―KDDIの技術

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現地におもむき繰り返しテストを重ねた2つのデバイス

KDDIが提供するみまもりデバイスは、キッズ向けケータイ「mamorino」シリーズとみまもりGPS「あんしんウォッチャー」の2つがあります。大切な家族やモノを見守るためには、「いつでもつながっていること」が重要です。

この2つのデバイスでは、正確な位置情報を常に取得しつづける技術が欠かせません。
位置情報を測位するには、GPSとWi-Fiの組み合わせが一般的ですが、それに加えてKDDIは自社の基地局の最新情報を利用し、より正確な位置の取得に努めています。

あんしんウォッチャーは正確な位置情報に加えて、コンパクトで電池持ちが良いという特徴から、「モノ」のみまもりでも多くの方にご利用いただいていると、プロダクト品質管理部 馬場貴志は言います。

「元々は人のみまもりで需要の高い都市・市街地エリアの正確な位置情報取得を最も得意としていたのですが、バイクや車の盗難防止や走行ログのためにあんしんウォッチャーをご活用したいという方がいらっしゃるということが、お客さまの声からわかってきました。そこで、バイクや車など速度の出る乗り物で、山の中などの位置を判断する情報が少ないエリアにいらっしゃる場合でも正確な位置情報を残せるように、様々な移動手段や実際の山などの場所へ足を運びテストを重ねています」(馬場)

また、通信ができない環境の場合はいったんデバイスに位置情報を保存し、通信が回復した際にデータをサーバーに送ってアプリ上に軌跡を表示する仕組みも開発しました。

常に位置情報を把握するためには、バッテリーが長時間持つことが重要です。バッテリーを持たせるために、動いていないときはデバイスをスリープさせる工夫もしています。チューニングを重ね、バッテリー持続時間を1か月から1か月半に延ばすことができました。

mamorino6の担当者であるプロダクト品質管理部 沼田笑美子は、以前あんしんウォッチャーの技術面を担当していた技術者です。mamorino6でも地下鉄などのGPSが見えない場所に足を運んで位置情報の測位テストを重ねました。

複雑なテクノロジーでもシンプルな操作で使えるように設計

また、mamorino6はお子さまが防犯ブザーを引いたとき、大音量のブザーが鳴り、ライトが点滅します。同時に保護者に自動で電話を発信、位置情報とカメラで撮影した画像も送信するように緊急時の挙動を設定することができます。

「複数の機能が連動するため、順番にきちんと動作させることは非常に難しかったのですが、少しでも多くの情報が保護者に伝わることが安心感につながると考え、テストを繰り返して実現しました」(沼田)

デバイスの開発において、お客さまの声を真摯に受け止めることも、今後の開発に重要だと考えています。あんしんウォッチャーと連携する「au HOME」アプリについても、日々改善に取り組んでいます。

「au HOMEはホームデバイス全体をカバーするアプリなので、あんしんウォッチャーだけ使うお客さまと他のデバイスも管理しているお客さまではニーズが少し異なります。そこで、すべてのお客さまの使い勝手向上を目指し、カスタマーサポートへの声やアプリストアへのコメントは常に確認するようにしています。不具合や改善のご要望にいち早く応えられるよう、毎週ミーティングを行ってブラッシュアップしています」(サービス開発1部 吉田将也)

また、mamorino6はSDGsへの取り組みとして、個包装箱の改善も行いました。箱のサイズを約半分にし、プラスチックはバイオマス素材を利用しています。KDDIは地球環境の保全も「命をつなぐ」ための大切なミッションだと捉えています。