2023.09.15

先端テクノロジーが、新しい「くらし」をデザインする

  • DX
  • デジタルツイン
  • TAKANAWA GATEWAY CITY
  • 都市OS

豊かな未来社会を描くためのスマートシティ

スマートシティの開発と実現を通じて、社会やパートナー企業の持続的成長に貢献しているのが、KDDIのスマートシティ推進室です。さまざまな企業との共創事業やKDDI社内の組織横断によって、新しい「くらし」づくりを手がけています。

スマートシティ推進室は、JR東日本が「先端テクノロジーの”実験場”」と位置付けているTAKANAWA GATEWAY CITY(2025年3月開業予定)の取り組みに参画し、次世代ビデオ会議サービス、都市OSやロボットプラットフォーム、まちアプリといったサービスの構築に取り組んでいます。
TAKANAWA GATEWAY CITYは日本の新しい玄関口となる地域です。この場所で、都市OSと連携したロボットをはじめ多種多様なサービスを通して、街に住む人・訪れる人・働く人に豊かな生活とワクワクを提供し続ける社会を、JR東日本とともに実現を目指し日々取り組んでいます。

「次世代ビデオ会議サービス『空間自在ワークプレイス』は、壁一面の大画面に映る4K相当の等身大映像と、発話者の位置から音が聞こえるステレオ音響設備により、離れた空間同士でも隣にいるかのような臨場感をご提供します。ビジネスシーンの会議においても今までにない活発なコミュニケーションの実現が期待でき、さらに教育やエンターテインメントなど幅広い分野で活用できます」と話すのはKDDIの山下 晃です。

KDDI ソリューション事業本部 DX推進本部 スマートシティ推進室 プロダクトグループ グループリーダー 山下 晃KDDI ソリューション事業本部 DX推進本部 スマートシティ推進室 プロダクトグループ グループリーダー 山下 晃

TAKANAWA GATEWAY CITYにおけるデジタルツインのプロジェクトに参画しているKDDIの中嶋 優は、この街のプラットフォームには3つの階層があると説明します。

「1つ目はセンサー類からのデータを蓄積して、さまざまな分野のサービスで利用するプラットフォームの『都市OS』です。この都市OSのデータを活用して、交通や防災、教育といったさまざまな社会課題の解決やイノベーション創出につなげます。2つ目は街のアプリケーションです。街に住む人・働く人・訪問する人など、さまざまな方を対象として、快適に過ごしていただくためのアプリを開発します。3つ目は、街そのものの運営に関係するものです。データ活用で都市の可視化とシミュレーションを行い、混雑状況を緩和したり快適性を向上させたりして、街の運営の高度化を目指します」(中嶋)

KDDI ソリューション事業本部 DX推進本部 スマートシティ推進室 PFデザイングループ グループリーダー 中嶋 優KDDI ソリューション事業本部 DX推進本部 スマートシティ推進室 PFデザイングループ グループリーダー 中嶋 優

平時にもビジネス価値を生む、新しい「防災シミュレーション」

こうした取り組みに不可欠なのが現場(フィールド)を持つパートナーです。JR東日本とKDDIはリアルとバーチャルを融合する新たな働き方を共同で提案しています。同時に、TAKANAWA GATEWAY CITYでは都市OSを基盤とする防災シミュレーションなどによる「住む人・働く人・訪れる人」への全方位的な取り組みが進行中です。

「災害発生時の避難経路や滞在場所でのボトルネックはどこか、誘導の人員や備蓄品は適切か。これらの課題に対し、人流(人の動き)データと街の3Dモデルを使ってシミュレーションしました。机上で策定した防災計画から多数の改善点を見つけ出し、防災計画の改良に貢献できています」(中嶋)

防災シミュレーションの仕組みは日常でのビジネス利用にも有効です。例えば時間帯別の混雑状況を把握して動線を最適化したり、学生やビジネスパーソンなど特定の属性を持つ客層に向けて物販ロボットが営業活動をしたり、さまざまな展開が想定されます。シミュレーションを防災だけに留めず、採算や投資対効果を総合的に考えた価値創出が可能なのです。

3Dモデルでシミュレーションして防災計画の改善点を見つける3Dモデルでシミュレーションして防災計画の改善点を見つける

こうした取り組みだからこそ、関係者同士のゴール意識を共有することが大切です。

「このプロジェクトは各分野のパートナー企業との共創で成立しています。大切なのは『ゴール』を共有して相手に『思い』を伝えることです。このプロジェクトでは、組織の垣根を越えて新しいモノや仕組みを創り、育てている実感があります」(山下)

「私は今まで、都市開発を漠然と考えていました。今回まちづくりに関わったことで、非常に多くの方々が情熱を持って都市開発に携わっていることを肌で感じています。社会の変化スピードは加速しており、従来のウォーターフォール開発では追い付きません。状況に応じてアップデートし続けるアジャイル開発の考え方が必要であり、実際にそのように日々取り組んでいます。最先端のものづくりを実践してきた経験を生かして、未来を創る最前線に立ち続けたいですね」(中嶋)