TAKANAWA GATEWAY CITYは、2025年3月の“まちびらき”を経て、街としての機能を段階的に立ち上げてきました。そして、2026年3月28日にグランドオープン。スタートアップやアカデミックな施設が入る大規模な共創拠点「THE LINKPILLAR 2」に、新しい文化を創造・発信するミュージアム「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」などが加わり「100年先の心豊かなくらしのための実験場」として本格的に始動しました。
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グランドオープン以前から、この街が力を入れてきたのが「モビリティ」です。街と近隣を結ぶオンデマンドモビリティ「みなのり」や、街の案内・警備・清掃ロボット、誰もが乗って移動できる自動走行モビリティ「iino」など、さまざまな実証実験が行われています。
これまでのTAKANAWA GATEWAY CITYでの取り組みはこちら
そしてまた新しい取り組みが一つ。JR東日本とKDDIによる自動運転バスの実証実験です。今回はこの未来のモビリティに実際に乗車し、JR東日本とKDDIの担当者にその取り組みの裏側について話を聞きました。
都心を走行中!JR東日本×KDDIの高輪自動運転バス
KDDIは地域の移動手段を守るため、2018年から自動運転に取り組んできました。2024年度から2025年度にかけては、茨城県つくば市で一般のお客さまを乗せた自動運転バスを運行。実際の路線に近い環境で、運行精度や走行距離の向上を目指しています。
高輪自動運転バスは、その延長線上にあり、KDDIとしては都心を走行する初の試み。2026年3月28日から5月10日まで、期間限定で運行中です。
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車体はKDDIと共に自動運転に取り組んでいるティアフォー社が販売する自動運転小型EV「Minibus2.0」を使用。車長・車幅・車高は7.2m×2.3m×3.06m、通常の定員は28人ですが、この実証は「着座必須」で、システムを監視するオペレーターが同乗しているため、13人で運行しています。車体にはJR東日本グループが進める、浜松町駅から大井町駅までの東京南エリア「広域品川圏(Greater Shinagawa)」のラッピングが施されています。
TAKANAWA GATEWAY CITYを周回するルートと、浜松町の「ウォーターズ竹芝」に向かうルートの2系統があります。
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高輪自動運転バスにKDDI社員が実際に乗ってみた!
今回は、モビリティプロジェクトに参画経験のあるKDDIの北森 聖望が実際に試乗しました。
「都心を走る自動運転バスに乗るのは初めてなので、ワクワクします!乗り心地や安全性をしっかり体感したいと思います」(北森)
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「オペレーターの方に伺ったのですが、障害物や歩行者の表示は、実際のサイズ感は反映されないそうです。自動運転ということを意識せずに乗っていると、乗り心地が非常に滑らかで、普通のバスと変わらないですね。
ディスプレイ上で障害物や歩行者に接近すると、きちんと減速したり停車したりすることが確認できて安心感があります。信号の手前で余裕を持ってブレーキがかかりますし、“自動運転”であることへの不安は一切ありませんでした。
一度急ブレーキがかかりましたが、ディスプレイを見るとピンクの図形が表示されていて、歩行者の飛び出しにきちんと対応したことがわかって、納得しました」(北森)
約5分のTAKANAWA GATEWAY CITY周回コースの体験を終えた北森に、あらためて印象を聞いてみました。
「テストコースではなく、一般の車や歩行者がいる公道を実際に走行できて、かなり実用化に近づいている印象を受けました。
TAKANAWA GATEWAY CITYの周回道路には路上駐車が多く、手動で運転せざるを得ないシーンもありましたが、AIの発展や今回の実証実験を通じて得られた経験・知見が積み重なり、今後の自動運転の進化につながっていくのだろうなと実感しました」(北森)
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JR東日本が自動運転バスに託すのは「駅の先の移動」
今回、自動運転バスに取り組んだ背景について、JR東日本の仁保島 崇さんは話します。
「駅の先の移動を補完し、街全体の回遊性を高めていくうえで、持続的に運行できる新たな手段が必要でした。自動運転バスの実証実験は、その有力な選択肢として、実際の街の中で成立するかを検証するために取り組んでいます」(仁保島さん)
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今回の取り組みはTAKANAWA GATEWAY CITY内に限定されるものではなく、JR東日本グループが進める、浜松町駅(竹芝)から大井町駅間を「広域品川圏」と位置づけ、5駅を中心として取り組んでいる新たなまちづくりと密接につながっています。
「鉄道事業者としての課題は、まちづくりと一体となった公共交通の再構築であると考えています。少子高齢化や働き方の変化などにより、利用者像も変化する中、安全対策やバリアフリーへの要請も高まっています。こうした状況において持続的に移動を支えていくためには、移動手段とのシームレスな連携や、デジタル技術の活用が重要になってきます」(仁保島さん)
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TAKANAWA GATEWAY CITYは、こうした「まちづくりと一体となった公共交通の再構築」を推進する上で、その中核を担う「実験場」といえるでしょう。
KDDIが担う「自動運転にとって必須」な通信
では、この新たなモビリティにおいてKDDIはどんな役割を果たしているのでしょうか。国交省が掲げている自動運転のレベルは次のとおりです。
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今回の自動運転は、「レベル2」にあたります。ドライバーが運転席で監視しながら、加速・減速とハンドル操作はシステムに任せつつ、何かがあればすぐに手動運転に切り替える仕組みです。
JR東日本と共に今回の自動運転バスの実証を担当しているKDDIの川邉 晃斗は、自動運転における通信の役割を解説します。
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「自動運転では、走行に異常があった場合には監視側から運転に介入し、対応することになります。そのため、走行中の車両の状態やルートを遠隔で監視し、状況を把握し続ける、“つなぎ続ける”必要があります」(川邉)
自動運転の安全に対して、AIの精度が重要になると同時に、通信が担う役割もより一層重要になってくると川邉は言います。
「現状は、カメラなどから取得した情報を処理するというような、インプットの部分でAIが使われています。一方、車の挙動は、“こういう場合はこう動く”という、あらかじめプログラムされたルールに則ってなされていて、完全にはAIは使用されていません。
しかし今後は場面ごとの挙動をAIが判断し、精度及び汎用性を高めていく必要があります。それにはより高度な処理を必要とするため、データセンターとの大容量通信が欠かせなくなるのです」(川邉)
TAKANAWA GATEWAY CITYでJR東日本とのモビリティに関する共創プロジェクトを統括しているKDDIの手塚 智之は、さらにその先にある、“自動運転を含めたまちづくり”の考え方について補足します。
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「KDDIはこれまでも、IoTを通じて世界中で数千万台規模のクルマをつなぐ取り組みを進めてきました。ただ、その先にあるのは単にデジタル上でつながることではなく、リアルな空間や街そのものをどうつないでいくかだと考えています。そこで私たちは『街と街をつなぐ』という考え方を掲げ、そのなかのひとつの重要な要素として自動運転を位置づけています。
単なる移動手段としてではなく、人の移動体験そのものをアップデートし、街の回遊性や価値を高めていく。KDDIが自動運転に関わっているのは、そのための取り組みであり、まちづくり全体に関わる新しいビジネスとして育てていきたいと考えています」(手塚)
都市での検証が示す現在地
今回の実証の特徴は、都市部で行われている点にあります。交通量や歩行者の動きが多く、状況が常に変化する環境で、自動運転がどこまで対応できるかが問われるからです。交通量が多く、環境が常に変わる都市部で検証によって得られる知見は、今後の自動運転の精度向上につながります。そういう意味でも「TAKANAWA GATEWAY CITY」や「広域品川圏」での検証が非常に重要だと手塚は言います。
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「自動運転は単体で成立するものではなく、街の中でどう機能するかが重要です。TAKANAWA GATEWAY CITYのように継続的に実証でき、多くの方にご利用いただける場があることで、サービスとしての成立性まで検証できると考えています。KDDIは今回、“自動運転における通信”の面だけでなく、予約システムや運行、遠隔監視など、自動運転が実際に使われるサービスとして成立するための仕組み作りも行っています」(手塚)
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「実験」を連続させ、街に組み込み進化する
実際にお客さまを乗せて街の中を走行する自動運転バスは、未来のモビリティの具体的な姿を私たちに見せてくれているようです。
TAKANAWA GATEWAY CITYでは、こうした取り組みが単発で終わることなく、連続して積み重ねられていきます。そしてこの取り組みを、この場所から日本各地へと広げていくことを目指しています。
KDDIは、この“実験場”を起点に、技術を社会の中で機能させていくことで、パートナー企業とともに、移動や暮らしのあり方そのものを進化させていきます。
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