KDDIが『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督と縦型連続シネマ『恋する地球人』を共同制作。2025年11月25日からTikTok、X、Instagram、YouTube ShortsなどのSNS上で同時配信を開始、12月27日に全30話の最終回を迎えました。
上田慎一郎監督とKDDIの“縦型コラボ”第1作が大ブレイク
実はKDDIと上田監督との縦型シネマのコラボは、今回で2度目。
KDDIは、スマホ時代の新しいエンタメコンテンツ視聴を提案し、お客さまのスマホライフをより豊かにすることを目指しています。
一方、上田慎一郎監督は2022年より縦型作品に取り組み、2023年にはTikTokとカンヌ国際映画祭によるコラボ企画「#TikTokShortFilm コンペティション」で最高位となるグランプリを獲得しています。
そして、2024年にTikTokが開催したオリジナル縦型動画の優秀作品を選出する『#ショートフィルム Supported by au』という企画の一環として、KDDI×上田慎一郎第一作『みらいの婚活』が制作されました。
『みらいの婚活』は、AIが算出した相手の条件やマッチング率が見える眼鏡をかけて参加する婚活パーティー。主人公はある男性と出会い、意気投合するも浮かない顔で自室に戻ります。彼女にはある秘密があって……。
全3話の作品がTikTokでトータル2,300万再生を果たし、高校の教材に使用されたり、韓国など海外でも大きな話題となりました。
そんなKDDIと上田慎一郎監督とのコラボが今回また実現したのです。
上田監督とのタッグ再び。縦型連続長編シネマ『恋する地球人』とは?
物語は、平成12年の海沿いの町からスタートします。高校生の晋平は同じクラスの舞の携帯番号を手に入れるために 映画制作を宣言。ヒロインは舞、主役に演劇部のデパルマ先輩を迎え、オタクのノベル、不良の和樹、転校生のエリーゼらと共に恋愛SF映画「恋する地球人」の撮影を開始し、次第に自主映画の制作にのめり込んでいくのですが……。
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1話は基本、約3分前後。積み上げられてゆくたびに、「これはちょっとエモすぎんか」「謎が解けてきておもしろい!」「ストーリー何回も裏切られる」「え!?まだ新しい展開があったの!?」「もう泣き疲れてます」「どこまでも切なくて愛が詰まりまくっている」などなどのコメントが寄せられ、感情を揺さぶられる視聴者が続出しました。
『恋する地球人』撮影現場に潜入
そんなKDDI×上田慎一郎監督の第2弾、『恋する地球人』の撮影現場に潜入してきました。
取材に伺ったのは11月中旬、東京の外れの山間の古民家。この日の撮影は、ほぼ16話のシーン。上田慎一郎監督は、デジタル一眼レフカメラに縦型画面のモニターを装着した撮影担当者と一緒に動きながらアングルを決め、立ち位置などの指示を出していました。
本番がはじまると、監督は手元のタブレットで映像を確認。同じシーンを、アングルを変えながら短いカットで何度も撮影。「はいOK」の朗らかな声が何度も飛び交います。以下現場の模様をご覧ください。
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スタッフ・キャスト総勢三十数人、キャスト同士の雑談や取材チームへの優しい声かけもあり、笑顔と笑い声の絶えない明るい現場でした。
上田慎一郎監督に聞く縦型シネマとテクノロジーのあり方
『みらいの婚活』に続き『恋する地球人』では、縦型×30話の無料公開という新境地を実現した上田慎一郎監督に、縦型シネマの現在と今回の作品、さらには最新テクノロジーへの思いを聞きました。
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「縦型作品は新しいように思われますが、映画の原点をたどると 、エジソンのキネトスコープのように、一人ずつ覗き込んで短い映像を観る体験から始まっています。それは、いまのスマートフォンでの視聴体験ととても近い。大きなスクリーンだけが映画ではなく、ここにも確かに映画がある。その感覚を、縦型作品を通して伝えられたらと思っています。
縦型はスマートフォンでの視聴が前提なので、隙間時間に見られるスピード感が求められます。ただし、芝居そのものを急がせているわけではありません。俳優には従来と同じようにじっくり演じてもらい、編集によってテンポを組み立てる。そこは映画と同じ考え方で臨んでいます」(上田監督)
KDDIは“つなぐチカラの進化”によって「誰もが思いを実現できる社会 」を目指しています。本作では生成AIが人間の思い出を再構成するというテクノロジーの進化が描かれています。
KDDIが掲げる「誰もが思いを実現できる社会」について、テクノロジーはどのように貢献できると考えているのでしょうか。
「本作では、AIと人間の違いも描こうと試みました。AIは忘れない、人間は忘れるということです。AIは正確に忘れることなく保存し続ける。一方で人間の記憶は曖昧で、時にいつの間にか書き換えられたりもする。AI=テクノロジーはこれまで足りなかったものを補い、多くの人の可能性を広げることもできます。ただ、AIと比べた時に不完全と思われることこそが人間らしさであり、不完全と切り捨てていいものではないかもしれない。そんなことにも思いを馳せながら見ていただけると嬉しいです」(上田監督)
専門家に聞く、人を幸せにするテクノロジーの現在地
『恋する地球人』は、主人公の浜田晋平が30代で若年性アルツハイマー型認知症を患い、高校時代に頓挫した自主制作映画の撮影に再び挑戦しながら、失われた過去を取り戻していきます。
そこで重要な役割を果たすのが「リアルメモリー」というサービス。写真、映像、メモなどの記録をもとにAIが思い出を生成、会話や動作に加えて、当時の周辺環境までリアルに再現してくれるというものです。
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こうした技術は本当に可能なのか、現実にはどこまでできるようになっているのか、「AIによる映像生成」と「XRによる映像体験」、それぞれの分野の専門家であるKDDI総合研究所の2名に話を聞きました。
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黒川 茂莉
静止画や短い映像をもとに、AIが長い映像を生成できることは知られていますね。ただし、人が消えたり不自然なアングルになったりすることも少なくありません。私たちの研究では、そうした違和感を抑え、人が見ても自然で、かつAIの学習にも活用できる映像生成を目指しています。そのために、言語と映像を相互に関連付けて理解する『視覚言語モデル(Vision-Language Model)』や、物体の動きや位置関係、力のかかり方といった現実世界のルールを理解し、ルールに則った映像などを生成する『世界モデル(World Model)』といった技術が出てきています。加えて、シーンを細かく分解し、段階的に生成することで破綻を防ぐ方向性も探求されています。こうした技術の組み合わせで、よりリアルで制御可能な映像生成が可能になりつつあります。
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今野 智明
私たちは、リアルな空間の再現やそれを遠隔に届ける伝送に関する技術の研究開発に取り組んでいます。脳内に直接映像を再生する技術にまでは踏み込んでおりませんが、リアルに映像を体感できるというポイントには近づいていると思います。たとえば実際には撮影していない視点の映像を生成することで、視点を自由に動かせる『自由視点映像』はスポーツ中継などでも活用されています。最近では、AIを活用して、複数の写真などから空間や人物を立体的に再現する新しい表現技術『3D Gaussian Splatting』も出てきており、写真に近い質感での3D再構成が可能になってきています。これらの技術により、過去の記録をもとに立体的な空間を再現し、その場にいるかのような体験を作ることは可能になりつつあると思います。
AIによる記憶の再構成からの動画生成も、それを臨場感たっぷりに体験できるインターフェイスも、作中の「リアルメモリー」の域には達していませんが、かなり近いところまで来ていることがよくわかりました。
AIはさらなる進化をとげ、これからもますます私たちの生活に溶け込んでいきます。専門家2名のコメントのように、作品で描かれているような世界は、間もなくやってくるかもしれません。気になった方は、ぜひ『恋する地球人』見てみてください。
KDDIはスマートフォンを通じて、いつでもどこでもエンタメコンテンツを楽しめる体験を、これからも進化させていきます。
