お客さまの悩みに寄り添うデジタルヒューマン!auサポート AIアドバイザーを試してみた

AI技術が私たちの生活に身近なものとなり、日々の情報検索から言葉の翻訳に至るまで、さまざまな分野でその活用が始まっています。そうした中、KDDIのお客さまセンター では、デジタルヒューマンを導入したauサポート AIアドバイザーが加わりました。“人間らしい姿”のAIアドバイザーが、音声や画像を交えながら、まるで人と対話するようにあなたの疑問に応えてくれます。この新しいサポートは、“人間らしさ”と“親しみやすさ”を大切に、一人ひとりに寄り添い、これまでとは一味違う、コミュニケーション体験を提供し始めています。

auサポート AIアドバイザーとは?実際に会話してみた

KDDIが提供を開始したauサポート AIアドバイザーは、お客さまの疑問やお困りごとをスムーズに解決するための、新しい形のAIサポートチャネルです。デジタルヒューマンと呼ばれる技術で作られているAIアドバイザーは、まるで人間と話しているかのような自然な会話、豊かな表情、そして音声や画像を効果的に用いながら、auのサービスに関するお問い合わせに親身に対応します。

そこで、 実際にお客さまがどのようにご利用できるのか体験してみました。

スマートフォンからアクセスすると、画面には優しい雰囲気の女性  が登場。想像以上にリアルな姿に少し驚きつつ、「こんにちは」と話しかけると、自然な声とイントネーションで「こんにちは。お話しできて嬉しいです」と、あいさつしてくれました。

現在auサポート AIアドバイザーが対応しているのは、Pontaポイントに関するお問い合わせです。 試しに「Pontaポイントの有効期限を確認したいのですが」と尋ねてみます。すると、「Pontaポイントの有効期限ですね。Pontaポイントの有効期限は、au IDとPonta会員IDを連携されているかによって異なります」と回答。その上で、「au IDとPonta会員ID連携有無によるポイントの有効期限はこちらの通りです」と補足図が表示されました。単にテキストで答えるだけでなく、視覚的な情報も示してくれるのは非常に分かりやすいです。

驚くのは  、その会話の“人間らしさ”。「ポイントをうっかり失効すると悲しいですよね」と投げかけると、「本当にそうですよね。大切なものはしっかり管理したいですよね」というように、こちらの気持ちに寄り添うような一言を添えてくれるのです。

自然なコミュニケーションで寄り添ってくれるこのデジタルヒューマンは、深夜でも、時間を気にせずすぐに疑問を解決できるのも大きな魅力。「人と話しているような安心感」と「AIならではの効率性」を両立した、新しいサポートの形を実感できました。

ポジティブで共感性のあるデジタルヒューマンの開発背景に迫る

デジタルヒューマンとは、人間のような特徴や外見を持つ3Dモデルを活用したユーザーインターフェース技術の総称です。海外ではさまざまなビジネスシーンで活用が進んでいますが、日本ではまだ新しい技術です。

KDDIは、電話サポートにおける「つながりにくい」「時間に限りがある」といった課題に対し、FAQ(よくあるご質問)の充実やチャットボット導入で利便性向上に努めてきました。今回、これらの選択肢にデジタルヒューマンを加え、電話のような“温かみ”のある対話と、チャットが持つ“時間を選ばない利便性”を融合させた新しいサポート体験をお届けします。  

アクセスすると、画面にはリアルなキャラクターが登場します。30代後半の女性で、本当に人と話しているようです。スマートフォンからPontaポイントに関する質問をすれば、困りごとを解決に導いてくれます。自然な発声とイントネーションで、要点を押さえた案内ができ、視覚的な情報も交えながら説明することも可能です。お客さまは、場所や時間に縛られることなく、24時間365日、いつでもお問い合わせできます。 

このデジタルヒューマンの体験設計に携わったデザインセンターの仙崎 萌絵は、親しみやすいキャラクターとして設計したと話します。

「プロジェクトメンバーと議論を重ね、auをご利用のお客さまの声も反映し、ポジティブで共感性のあるサポート担当としてキャラクターを設計しました。もっともこのキャラクター自身も、単に完璧な受け答えだけを目指すAIではありません。知性と包容力を兼ね備える一方で、その人格設定においては共感性を特に重視しています。このため、お問い合わせに的確にお答えするだけでなく、お客さまの悩みに寄り添う姿勢を持ち、機械的ではない、より人間に近い柔軟な会話対応が可能です。そうしたやり取りの中で、気軽なコミュニケーションも楽しんでいただけると考えています」(仙崎)

KDDI パーソナル事業本部 DXデザイン本部 デザインセンター 仙崎 萌絵
KDDI パーソナル事業本部 DXデザイン本部 デザインセンター 仙崎 萌絵

言葉の奥を理解する。賢さを支える技術の裏側

KDDIがデジタルヒューマンの開発に着手した経緯について、CS企画部の小寺 優輝は、これまでの取り組みも踏まえ、デジタルヒューマンがもたらす「より効率的で納得感のあるサポート体験」への期待を語ります。  

「これまでもKDDIでは、チャットボットへの生成AI活用や、電話窓口への音声認識機能の導入など、サポート領域のDX化と利便性向上を進めてきました。しかし、文字情報のやりとりだけではお客さまの理解が十分に進まないケースもありました。そうした課題に対して、視覚情報と音声を活用するデジタルヒューマンなら、お客さまに、より効率的で納得感のあるサポート体験を提供できると考え、導入することにしたのです」(小寺)

KDDI カスタマーサービス本部 カスタマーサービス企画部 小寺 優輝
KDDI カスタマーサービス本部 カスタマーサービス企画部 小寺 優輝

もちろん、デジタルヒューマンの導入は一筋縄ではいきません。今回採用したキャラクターは、多くの技術を複合的に組み合わせることで実現しています。

「アンケート調査の示唆から価値モデル分析を行い、サービスコンセプトを定義し、コンセプトを体現できる人物設定を目指しました。  一般的なカスタマーサポートはスーツ姿で真面目で固い印象がありますが、オフィスカジュアルにすることで話しかけやすい雰囲気を作り上げています。また、ポジティブな感情が伝わるように、声のトーンをチューニングし、キャラクターの雰囲気に合わせて選定した女性の声をベースに合成を行っています」(仙崎)

「生成AIの主な役割は、お問い合わせ内容の判別です。お客さまの意図まで深く解釈した上で、auに関するサービスのどんなお困りごとなのかを判別し、適切な回答を行います。キャラクターを作成する際に設定したバックストーリーなども踏まえつつ、臨機応変に回答できるようにチューニングを行っており、デジタルヒューマンの“人間らしさ”や“親しみやすさ”を生み出す重要な要素となっています」(小寺)

身近で頼れるauサポート AIアドバイザーの実現へ

2025年3月10日にサービス開始し、現在はPontaポイントに関するお問い合わせに対応しています。徐々に認知が広がっており、お客さまからは「自然な回答で安心できた」といった好意的な声が寄せられています。

こうした手応えを踏まえ、さらなる機能強化を進めており、直近では会話履歴の参照機能や、au IDを用いたログイン機能を追加しました。これらを活用し、今後に向けても、お客さまのご利用状況に合わせたパーソナルな回答ができるようなアップデートを検討しています。

また、回答範囲の拡大も大きな目標です。2025年度末までにauサービス全般のお問い合わせに対応することを目指し、まずはお問い合わせの多い請求関連から着手して、順次拡大していく予定です。

「お客さまによりスムーズに自己解決ができるサポート体験を提供するため、AIを活用したサポートサービスの進化を目指します。  有人対応と変わらない質とホスピタリティを兼ね備えたコミュニケーションの実現に取り組んでいきます」(仙崎)

KDDIは最新のAI技術によって、お客さまへのサポートをさらに進化させ、お客さま一人ひとりに寄り添いながら、今後もより便利で安心なカスタマーサポートの実現に向けて挑戦し続けます。

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