子どもが安心して外出できる社会を―「キッズ向けケータイ」と「みまもりGPS」に託す思い

移動通信技術が発展するにつれ、大切な人といつでもつながれる時代になりました。小さな用事でもすぐに連絡が取れることで、遠く離れた場所にいても近くにいるような安心感を得られます。KDDIは「つなぐチカラを進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる」をミッションに掲げ、お客さまの安心安全な暮らしを支えるお手伝いをしています。

核家族化が進んだ世の中でも、学校に通う子どもや離れて暮らす両親をこまめにサポートしたいと考えるお客さまの力になるべく、キッズ向けケータイやみまもりGPSデバイスの開発に取り組んでいます。
つながり続ける通信を構築するだけではなく、大切な家族をみまもるための技術開発も私たちの重要な役割だと考えています。

お子さまといつでも連絡が取れるように、いざという時に守ることができるように、を考えアップデートしつづけるキッズ向けケータイ「mamorino」シリーズ。家族のみまもりに加えて、お客さまにとって大切なモノのみまもりも考えるみまもりGPSデバイス「あんしんウォッチャー」。それぞれの機能と開発の思いとは。

KDDIだからこそ、つながることで得られる安心感を大切に―開発の思い

KDDIは家族の安心安全な暮らしを支えるために、みまもりに関連する2つのデバイスをご提供しています。

家庭向けIoTデバイスをご提供する「au HOME」シリーズのみまもりGPSデバイス「あんしんウォッチャー」です。GPS、KDDIの携帯電話基地局、街なかの無線LANの3つの情報*1を使って正確に現在地を取得する小型のデバイスで、バッグなどに入れておくことでスマホのアプリから人やモノの見守りができます。

*1:地下街、建物内、乗り物内、ビルの陰などの電波環境やGPS衛星環境によっては、位置確認の精度が低くなる場合があります。/圏外の場合は位置検索の表示が遅れる場合があります。/一部基地局は対象外です。


キッズ向けケータイ「mamorino」シリーズは、2023年2月に6代目となる「mamorino6」を発売。防犯ブザーと通話機能、居場所通知などの機能を備えた子ども向けの携帯電話で、新たにカメラ機能とメッセージアプリ「+メッセージ(プラスメッセージ)」を搭載しました。

キッズ向けケータイ「mamorino6」

はなれていても見守られている安心感~あんしんウォッチャー

あんしんウォッチャーは、「所持するご家族本人が意識していなくても見守れること」がポイントです。

みまもりGPSデバイス「あんしんウォッチャー」(シリコンカバー、ストラップは別売)

「ランドセルや習い事のバッグに入れておくだけで常に位置情報がわかります。さらに本体のボタンを使って、いま居る位置を知らせることも出来ます。自分に何かあっても親が気づいてくれるという安心感が大切だと思っています」(サービス開発4部 朴 敏珠)

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 サービス統括本部 サービス開発4部 サービス企画1G 朴 敏珠

「あんしんウォッチャーは、シニアの見守りやモノの見守りにも有効です。今後は移動手段をわかるようにするなど、見守りたい人やモノの状況をもっとわかりやすくする機能の追加も考えています。mamorinoとあんしんウォッチャー両方のデバイスを組み合わせることで、より安心安全な暮らしをKDDIがご提供したいと考えています」(サービス開発4部 物井善郎)

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 サービス統括本部 サービス開発4部 サービス企画1G 物井善郎

子どもを見守る機器がいずれ必要になる~mamorino開発秘話

mamorinoの初代機が発売されたのは2010年のこと。当時、小学校低学年以下の方が安心して使えるような携帯電話がなく、「いずれ子どもの安心安全を見守るための携帯電話が必要になる」と当時の担当者が企画、セコムによる位置情報提サービス・かけつけサービスが利用できる「ココセコム」にも対応したデバイスが開発されました。それ以来、mamorinoシリーズではココセコムに対応しています。

2010年に発売されたmamorino初代機

「mamorino6では、お客さまからご要望があったカメラとプラスメッセージ機能を搭載しました。安心安全を高めるには、お子さまが持ち歩きたいと思うデバイスであることがポイントだと考えているからです。その他の仕様を決定する際にも、保護者の方やお子さまにとって安心安全であることを重視して設計しています」とmamorinoを担当するプロダクト企画部 江藤麻樹は話します。

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 プロダクト企画部 企画1G 江藤麻樹

肌身離さずに持ち歩いていただきたい一方で、必要以上に使い過ぎてしまわないか心配されるお客さまの声もありました。mamorino6では、保護者が動画撮影時間に制限をかけたり、不適切な場所で撮影することがないよう、カメラの使用を規制できる工夫もしています。

「連絡が取れる相手は保護者が登録した人だけ、ブラウザ機能はない、お子さまが勝手に電源を切れないなど、保護者もお子さまも安心して使えるデバイスにしています。また、コミュニケーション機能で親子のつながりを深めるサポートもできたらと考えています」(プロダクト企画部 小林幹夫)

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 プロダクト企画部 企画1G 小林幹夫

現地におもむき繰り返しテストを重ねた2つのデバイス

KDDIが提供するみまもりデバイスは、キッズ向けケータイ「mamorino」シリーズとみまもりGPS「あんしんウォッチャー」の2つがあります。大切な家族やモノを見守るためには、「いつでもつながっていること」が重要です。

この2つのデバイスでは、正確な位置情報を常に取得しつづける技術が欠かせません。
位置情報を測位するには、GPSとWi-Fiの組み合わせが一般的ですが、それに加えてKDDIは自社の基地局の最新情報を利用し、より正確な位置の取得に努めています。

あんしんウォッチャーは正確な位置情報に加えて、コンパクトで電池持ちが良いという特徴から、「モノ」のみまもりでも多くの方にご利用いただいていると、プロダクト品質管理部 馬場貴志は言います。

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 サービス統括本部 プロダクト品質管理部 IoTデバイスG 馬場貴志

「元々は人のみまもりで需要の高い都市・市街地エリアの正確な位置情報取得を最も得意としていたのですが、バイクや車の盗難防止や走行ログのためにあんしんウォッチャーをご活用したいという方がいらっしゃるということが、お客さまの声からわかってきました。そこで、バイクや車など速度の出る乗り物で、山の中などの位置を判断する情報が少ないエリアにいらっしゃる場合でも正確な位置情報を残せるように、様々な移動手段や実際の山などの場所へ足を運びテストを重ねています」(馬場)

現地調査時のGPSログ

また、通信ができない環境の場合はいったんデバイスに位置情報を保存し、通信が回復した際にデータをサーバーに送ってアプリ上に軌跡を表示する仕組みも開発しました。

常に位置情報を把握するためには、バッテリーが長時間持つことが重要です。バッテリーを持たせるために、動いていないときはデバイスをスリープさせる工夫もしています。チューニングを重ね、バッテリー持続時間を1か月から1か月半に延ばすことができました。

みまもりGPSデバイス「あんしんウォッチャー」

mamorino6の担当者であるプロダクト品質管理部 沼田笑美子は、以前あんしんウォッチャーの技術面を担当していた技術者です。mamorino6でも地下鉄などのGPSが見えない場所に足を運んで位置情報の測位テストを重ねました。

複雑なテクノロジーでもシンプルな操作で使えるように設計

また、mamorino6はお子さまが防犯ブザーを引いたとき、大音量のブザーが鳴り、ライトが点滅します。同時に保護者に自動で電話を発信、位置情報とカメラで撮影した画像も送信するように緊急時の挙動を設定することができます。

「複数の機能が連動するため、順番にきちんと動作させることは非常に難しかったのですが、少しでも多くの情報が保護者に伝わることが安心感につながると考え、テストを繰り返して実現しました」(沼田)

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 サービス統括本部 プロダクト品質管理部 沼田笑美子

デバイスの開発において、お客さまの声を真摯に受け止めることも、今後の開発に重要だと考えています。あんしんウォッチャーと連携する「au HOME」アプリについても、日々改善に取り組んでいます。

「au HOMEはホームデバイス全体をカバーするアプリなので、あんしんウォッチャーだけ使うお客さまと他のデバイスも管理しているお客さまではニーズが少し異なります。そこで、すべてのお客さまの使い勝手向上を目指し、カスタマーサポートへの声やアプリストアへのコメントは常に確認するようにしています。不具合や改善のご要望にいち早く応えられるよう、毎週ミーティングを行ってブラッシュアップしています」(サービス開発1部 吉田将也)

パーソナル事業本部 サービス統括本部 サービス開発1部 アプリケーション4G 吉田将也

また、mamorino6はSDGsへの取り組みとして、個包装箱の改善も行いました。箱のサイズを約半分にし、プラスチックはバイオマス素材を利用しています。KDDIは地球環境の保全も「命をつなぐ」ための大切なミッションだと捉えています。

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