MaaSを医療に 誰もが安心・安全・快適に移動できる街づくり

ITを活用してあらゆる移動をシームレスにつなげる次世代交通サービスMaaS(マース)は、「持続可能な都市」における交通手段の新しいかたちとして世界中で注目を集めている。

その導入事例として、KDDIはつくば市や筑波大学とともに、2022年1月17日から2月14日まで、オンデマンドタクシーでの病院への移動から顔認証による事前受付、パーソナルモビリティによる病院内の自動走行までをシームレスにつなぐ実証実験を行った。

MaaSはこれまで、旅行や観光における利便性向上を中心にサービス検討されてきたが、医療や介護など、誰もが安心・安全・快適に過ごせる街づくりの観点でも活用できる兆しが見えてきた。

KDDIはこれからも、地域の課題解決や住みやすい街づくりのために先端技術を活用し、さまざまなパートナーとともに安心で安全な暮らしをつないでいく。

つくば市が目指す 『誰もが安心・安全・快適に移動できるまち』

ITを活用してあらゆる移動をシームレスにつなげる次世代交通サービスMaaS(マース)は、「持続可能な都市」における交通手段の新しいかたちとして世界中で注目を集めている。

日本においてもさまざまな企業や都市でMaaSの取り組みが進むなか、2019年に国土交通省の「スマートシティモデル事業」に選定されたつくば市は、先端技術やビッグデータを活用し、行政サービスや交通、医療・介護、インフラなどさまざまな分野における課題解決に取り組んでいる。その活動のなか、つくば市、筑波大学、KDDIをはじめとする75機関で構成される「つくばスマートシティ協議会」は、2022年初頭に、病院への通院や受診における交通の利便性向上を目指す「つくば医療MaaS」の実証実験を行った。

同事業に携わるつくば市政策イノベーション部長の森 祐介さんは、この「つくば医療MaaS」の実証実験の狙いと今後の展望について次のように語る。

「つくば市は、交通における自動車への依存度が高く、高齢化にともなう交通弱者の増加が課題となっています。移動が困難な人にとっては、病院へ行くのもひと苦労。本来受けるべき医療サービスが受けられなくなる可能性もあります。これは高齢者だけの問題ではなく、障がいのある方々にも当てはまることです」

「そこでつくば市は、『高齢者や障がい者など誰もが安心・安全・快適に移動できるまち』の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めています。医療にMaaSを活用した今回の実証実験もその一環です。移動やモビリティのサービスと、病院などで提供される医療のサービスを一元化し、住民の方々に提供していきます」

「今後もKDDIさんをはじめとする企業の協力を得ながら取り組みを推進し、将来的には、配車から病院の診察予約、会計、医薬品の配達まで、ひとつのアプリで利用できる一気通貫のサービスの提供を目指しています」

MaaSは旅行や観光における利便性向上だけでなく、医療や介護など誰もが安心・安全・快適に過ごせる街づくりの観点でも活用できる兆しが見えてきた。

KDDIはこれからも、地域の課題解決や住みやすいまちづくりのために通信やテクノロジーを活用し、さまざまなパートナーとともに安心で安全な暮らしをつないでいく。

※この記事は2022年3月23日の記事を再編集したものです。

AI技術で効率よく運行するオンデマンドタクシー

ITを活用してあらゆる移動をシームレスにつなげる次世代交通サービスMaaS(マース)は、「持続可能な都市」における交通手段の新しいかたちとして世界中で注目を集めている。

日本においてもさまざまな企業や都市でMaaSの取り組みが進むなか、交通における自動車への依存度が高く、高齢化にともなう交通弱者の増加が課題となっているつくば市にて、KDDIや筑波大学、筑波大学附属病院が連携して、2022年初頭にMaaSの実証実験を行った。

今回の「つくば医療MaaS」の実証実験では、自宅からタクシーで医療機関まで移動し、顔認証技術の活用による事前受付や、病院内をパーソナルモビリティ(一人用の乗り物)で自動走行する実証が行われ、通院から受診までの一連の動線をシームレスにつなぐことの実現性が検証された。

まずタクシーの移動実験では、病院への通院にタクシーを利用したい住民に向けて、市内6つの医療機関との行き帰りに利用できる相乗り型のオンデマンドタクシーを運行。

タクシーの予約には、KDDI総合研究所が開発・提供を行ったスマホのアプリを使い、希望する出発地や目的地、日時や人数を入力。

この相乗り型のオンデマンドタクシーは、行き先を病院に限定したもので、自分でクルマを運転できない人などのために、移動手段の確保や通院負担の軽減を目指したもの。出発地から目的地までの経路はAIが自動で計算。相乗りが発生して複数の乗降場所を経由する場合でも、もっとも効率的な経路をAIが判定してくれるなど、新たな公共交通としての役割が期待される。

そしてタクシーの車内で顔認証による病院の事前受付を行い…

病院の入り口から診察室までは、自動運転パーソナルモビリティでの移動実験が行われた。

オンデマンドタクシーのアプリ開発・運用を担当した、KDDI総合研究所の大岸智彦はアプリ開発について、「特に意識したのは、誰もが使いやすいこと。高齢者が多く利用されることを想定して文字表示は大きめに設定するなど、シンプルでわかりやすい操作を心がけました」と語った。

このようにMaaSは旅行や観光における利便性向上だけでなく、医療や介護など誰もが安心・安全・快適に過ごせる街づくりの観点でも活用できる兆しが見えてきた。

KDDIはこれからも、地域の課題解決や住みやすいまちづくりのために通信やテクノロジーを活用し、さまざまなパートナーとともに安心で安全な暮らしをつないでいく。

※この記事は2022年3月23日の記事を再編集したものです。

企業と大学と地域が連携して進めるまちづくり

ITを活用してあらゆる移動をシームレスにつなげる次世代交通サービスMaaS(マース)は、「持続可能な都市」における交通手段の新しいかたちとして世界中で注目を集めている。

日本においてもさまざまな企業や都市でMaaSの取り組みが進むなか、交通における自動車への依存度が高く、高齢化にともなう交通弱者の増加が課題となっているつくば市にて、KDDIや筑波大学、筑波大学附属病院が連携して、2022年1月17日から2月14日まで、MaaSの実証実験を行った。

今回の「つくば医療MaaS」の実証実験では、自宅からタクシーで医療機関まで移動し、受付で顔認証技術の活用による本人確認を行い、病院内をパーソナルモビリティ(一人用の乗り物)で自動システムによる移動の実証が行われ、通院から受診までの一連の動線をシームレスにつなぐことの実現性が検証された。

この取り組みにおいて、KDDI総合研究所では医療機関まで移動するオンデマンドタクシーのアプリ開発や運用のほか、auのスマホの位置情報データに基づく人口動態分析を行った。

医療の分野にMaaSを活用することにより、患者や医療現場にどのようなメリットがもたらされるのか。筑波大学附属病院の西山博之さんと筑波大学の鈴木健嗣さんは次のように語る。

筑波大学附属病院 副院長 西山博之さん(左)、筑波大学 システム情報系 教授 鈴木健嗣さん(右)

西山博之さん「患者さんにとって、自宅から病院の診察室にたどり着くまでにさまざまな困難があります。でも、患者さんが本当に心配なのはご自身の病気のことであり、そのほかの不安や悩み事はできるだけ少ないほうがいい。MaaSを医療に活用するメリットは、まさにそこです。今後もこうした実証実験を重ねながら、病院のあるべき姿を模索していきたいと思います」

鈴木健嗣さん「これまでも自宅から病院までの移動や、病院内の自動車いすによる移動など、単独での実証実験は行ってきましたが、それらを組み合わせて一連の流れで実施するのは今回が初めてです。こうした取り組みは、行政だけでも大学だけでもできません。KDDIさんをはじめとする企業の力をお借りしながら、産官学が連携して進めていく必要があります。今回の実証実験を通して見えてきた課題を洗い出したうえで、誰もが安心・安全・快適に移動できるまちの実現に向けて、引き続き取り組みを進めていきたいと思います」

タクシー車内での顔認証による病院の事前受付システム
病院の入り口から診察室まで患者を搬送する自動運転パーソナルモビリティ

KDDIでは今回の取り組みで集めたデータや、これまでに蓄積してきたビッグデータ、バス等の運行情報を活用することで、どれくらいの人がどのように移動しているのかといった交通実態を把握し、オンデマンドタクシーを含む将来の交通施策策定を支援することを目指している。

このようにMaaSは旅行や観光における利便性向上だけでなく、医療や介護など誰もが安心・安全・快適に過ごせる街づくりの観点でも活用できる兆しが見えてきた。

KDDIはこれからも、地域の課題解決や住みやすいまちづくりのために通信やテクノロジーを活用し、さまざまなパートナーとともに安心で安全な暮らしをつないでいく。

※この記事は2022年3月23日の記事を再編集したものです。

新しい交通を支える通信とIT技術

ITを活用してあらゆる移動をシームレスにつなげる次世代交通サービスMaaS(マース)は、「持続可能な都市」における交通手段の新しいかたちとして世界中で注目を集めている。

日本においてもさまざまな企業や都市でMaaSの取り組みが進むなか、交通における自動車への依存度が高く、高齢化にともなう交通弱者の増加が課題となっているつくば市にて、KDDIや筑波大学、筑波大学附属病院が連携して、2022年初頭にMaaSの実証実験を行った。

つくば市が目指す「高齢者や障がい者など誰もが安心・安全・快適に移動できるまち」の実現に向けて実施された今回の実証実験。つくば市のスマートシティモデル事業に参画するKDDIの技術はどのように活用されているのか。KDDI総合研究所の大岸智彦と幡 容子に聞いた。

大岸智彦「KDDI総合研究所ではMaaSを活用して地域課題の解決を図るさまざまな取り組みを進めています。たとえば、2021年に愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンで行った実証実験では、自動運転車のオンデマンド型住民送迎サービスにおける運行管理システムを開発しました。乗車予約の管理や経路設定、相乗り調整などを自動化することで運行の効率化を図ったものです」

「その際の乗車予約は電話でオペレーターが対応していましたが、今回のつくば市との取り組みではそこからさらに発展させ、オンデマンドタクシーのアプリ開発や運用を行いました。アプリ開発において特に意識したのは、誰もが使いやすいこと。高齢者が多く利用されることを想定して文字表示は大きめに設定するなど、シンプルでわかりやすい操作を心がけました」

また、つくば市の将来を見据えた取り組みについて、幡 容子は語った。

幡 容子「つくば市との取り組みにおいて、KDDI総合研究所ではオンデマンドタクシーのアプリ開発や運用のほか、auのスマホの位置情報データに基づく人口動態分析を行っています。KDDIが蓄積してきたビッグデータを活用することで、市内のどこからどこへ、どれくらいの人が移動しているのかを把握し、AIを活用したオンデマンドタクシーを含む将来の交通施策策定を支援することが狙いです。人の流れだけでなく、バス等の運行情報を活用し、市内の交通実態を明らかにすることで、つくば市の今後の交通施策に役立てていければと考えています」

愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンで行った自動運転車の実証実験

このようにMaaSは旅行や観光における利便性向上だけでなく、医療や介護など誰もが安心・安全・快適に過ごせる街づくりの観点でも活用できる兆しが見えてきた。

KDDIはこれからも、地域の課題解決や住みやすいまちづくりのために通信やテクノロジーを活用し、さまざまなパートナーとともに安心で安全な暮らしをつないでいく。

※この記事は2022年3月23日の記事を再編集したものです。

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