2024.03.21
「Life Transformation」を世界に発信―MWC 2024で「未来を担う世代」が感じた手応え
「MWC Barcelona 2024(以下、MWC 2024)」のKDDIブース出展の企画には、KDDIグループの多くの「未来を担う世代」が携わっています。KDDIブースのゾーン6『こんにちはスペース』で登壇した3名のキーパーソンに、自身の担当サービスとKDDI出展のメインテーマである生活体験の革新「Life Transformation(LX)」のつながりを、世界中からの反応や今後の抱負とともに聞きました。
Z世代に向けて、通信とコンテンツのあり方を変えていきたい
―KDDI Digital Life 菊池晴隆(povoワーキンググループ)
私は「BORDERLESS GEN Z PLATFORM」ゾーンを担当し、3rd Partyアプリなどのコミュニティ上でギガを販売するといったZ世代*1と通信の新たな関わり方を紹介しました。通信データの販売をオープン化する「Community Enabled Connectivity(CEC)」を発表することで、povoで行った挑戦や培ったノウハウや仕組みはグローバル市場へ展開できることを発信できたと思います。
*1:Z世代...1990年代後期から2010年代初期に生まれた世代を指す
このコンセプトは多くの国の移動体通信事業者から共感を得ることができ、Z世代を取り込むための苦労や課題は他国でも同じなのだと実感しました。期間中で最も印象に残ったのは、VIPとしてブースに来場くださったNTTドコモの井伊社長がおっしゃっていた「新料金サービスの『ahamo』を立ち上げる時にZ世代の社員が会議室に乗り込んできて経営会議での決定を覆した」という話です。これを聞き、私たちも負けてはいられないと強く感じました。これからもより一層、熱量を持って取り組んでまいります。
MWC 2024での経験を生かして、CECを武器にグローバルな市場で通信とコンテンツのあり方を変えていき、日本にとどまらないLXの実現に挑戦していきます。
KDDIのエンターテインメント事業を発展させ、世界中にワクワクを届けたい
―KDDI LXサービス企画部 石田舞花(αU/デジタルツインワーキンググループ)
私は「KDDIのWeb3への取り組み」というテーマで登壇し、Web3サービスプラットフォーム「αU(アルファユー)」で提供している5つのサービスを紹介しました。
MWCではエンターテインメントビジネスに焦点を当てた企業が少なかったため、αUの展示に対する海外からの興味は非常に高かったです。一般生活者に近いサービスだからこそ、LXがより伝わりやすかったです。そして、KDDIが通信事業だけでなく、新しいエンターテインメント領域にも積極的に取り組んでいることを強くアピールできたと感じています。
αUの展示テーマは「DIGITAL TWIN WITH AI」であり、さらにMWC 2024の6つのメインテーマの一つが「Humanising AI」だったことから、「通信会社とAIはどのように関連しているのか?」という質問をたくさん受けました。KDDIでは、AIをクラウドで処理する際に5Gなどの通信を使用することで、AIと通信事業は高い親和性を持つと考えています。この観点を強調し、アピールしました。
「Ubicot」という生成AIマスコットは、その可愛らしいフォルムがとても日本らしいと、海外の方から大きな興味を集めました。また、「バーチャル渋谷」の取り組みに対しては、日本だけでなく海外の都市にも拡大してほしいと要望をいただきました。これらの反応を通じて、日本らしさというアイデンティティを大切に事業展開することが、海外の方に興味を持ってもらう強力なきっかけになると感じました。
MWC全体で、エンターテインメント系の事業を展示している企業は多くはなかったからこそ、KDDIがその領域をリードしていく責任を感じました。
最先端のテクノロジーやトレンドを融合させることで、新しいエンターテインメント事業を展開し、お客さまの期待を超える感動とワクワクを届けていきたいです。
またMWCに参加したことで、世界の最新トレンドやテクノロジーをキャッチアップすることの重要性をひしひしと感じました。これからも新しいトレンドや技術にアンテナを張り続け、私自身も進化していきたいと思います。
「Starlink」活用のグローバルスタンダードのイニシアティブをKDDIが取っていきたい
―KDDI LX基盤推進部 西林武範(Starlinkワーキンググループ)
私は、Starlinkの企画を担当していました。ブースの出展に加えて、「SpaceX社・T-Mobile社との衛星とスマートフォンの直接通信に向けた3社登壇」「南極からの8K中継含むStarlink革新的ユースケース紹介の登壇」を企画し、Starlinkによって実現するLXをお届けしました。
SpaceX社・T-Mobile社との3社登壇のなかでは、T-Mobile社の Giard氏から「4Gが始まる前は、誰もアプリやUberのようなサービスを想像していなかった」とコメントがありました。こういった従来の想像を超える体験価値を提供できる可能性が、StarlinkやStarlink衛星とスマホの直接通信にはある、という大きな期待感を世界に示すことができたと自負しています。Starlinkチーム一丸となって「Enhancing the Power to Connect(つなぐチカラを進化させる)」を世界に訴えかける、素晴らしい機会になりました。
私の登壇後には、多くの方々がブースに立ち寄り、内容に対する好意的な言葉をかけていただきました。その中でも「能登半島地震復旧に向けたStarlink活用事例」への反響が大きかったことが特に印象的です。この事例は、被災地にいち早く安定した通信をお届けしたいという一心で、KDDI社員やパートナー、関係者の方々が一丸となって取り組んだものです。この事例が世界でも注目を集めることで、グローバル規模での災害支援の進化に一役買えることを願っています。
また、こういった災害時活用だけではなく「アフリカでStarlinkを提供できないか」といったワールドワイドでの期待も多くありました。MWC2024では他国のStarlinkリセラーの皆さまとつながることができたので、今回のような事例の共有含めたグローバルでの連携も強く図っていきたいです。
2024年2月の領海外でのStarlink利用許可に伴う海上DXの推進や、2024年春以降のauショップでのStarlink販売開始、さらには2024年内には衛星とスマートフォンの直接通信サービス商用化と、Starlinkにまつわるイベントはまだまだ目白押しです。特に衛星とスマートフォンの直接通信サービスについては、どのような規格で進めていくのかなど、全世界のパートナー間で足並みを揃えて対応を進めていく必要があります。今回のMWCの経験を存分に生かし、新たなグローバルスタンダードのイニシアティブをKDDIが取っていけるよう、また個人的にも世界にプレゼンスを発揮できるよう、よりいっそう精進しようと情熱をたぎらせています。
これからも挑戦し続ける
KDDIにとって、MWC Barcelona 2024への出展は新たなチャレンジでしたが、その準備に関わった若手社員一人ひとりにとっても、大きな挑戦でした。
これからもKDDI、そして社員一人ひとりが、さまざまなことに挑戦し続けることで、「誰もが思いを実現できる社会」の実現を目指していきます。