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「つながるクルマ」「つながるモビリティ」が暮らしを変える MWC Barcelona 2025で示した未来のモビリティ社会

自動車をはじめとする暮らしを支えるモビリティが、インターネットとつながるコネクティッド技術によって新たな次元へと進化しています。コネクティッド技術とは、自動車をはじめとしたモビリティや、都市インフラ、インターネットとつながるスマートデバイスなどがリアルタイムでデータをやり取りすることで、より安全で快適な移動や暮らしを実現するための仕組みです。

KDDIはコネクティッド事業をグローバルに広げるため、KDDI America, Inc.の100%子会社として「KDDI Spherience(スフィアリエンス)」を2024年4月に米国テキサス州に設立。そして、その取り組みを世界へ発信するため世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2025(以下、MWC2025)」に出展し、ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発動機)との連携による「コネクティッドボート」など最先端の事例を紹介しました。

● 海上での移動をより安全で快適にする「コネクティッドボート」

2025年3月3日から6日にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連展示会「MWC2025」。この場で、KDDI Spherienceはヤマハ発動機と取り組む「コネクティッドボート」などの先進的なプロジェクトを世界各国から訪れた参加者に向けて発信しました。

このプレゼンテーションを担当した、KDDI SpherienceのBjörn Qvarsell(ビョルン・クヴァーセル)は、今回の出展について次のように語ります。

KDDI Spherience, Head of Product Portfolio, Björn Qvarsell(ビョルン・クヴァーセル) KDDI Spherience, Head of Product Portfolio, Björn Qvarsell(ビョルン・クヴァーセル)

「私たちは、より高度なコネクティッド技術が求められる分野で、厳しい接続環境にも対応できる技術力を世界に示していくことで、業界にとって欠かせない存在になりたいと考えています。そのために、コネクティッドカーの領域にとどまらず、ヤマハ発動機とパートナーシップを組み、コネクティッドボートの領域にも進出しました。私たちのビジョンである『Meaningful Connections』(意味のあるつながり)を発信できたと感じています」(Björn)

MWC2025 Keynoteステージでの講演の様子MWC2025 Keynoteステージでの講演の様子

コネクティッドボートにおける「Meaningful Connections」とは、より安全で快適な航行ができるようになることです。自身もボートを所有するBjörnは、「航行中は、天候や海の状況が急変することもあるため、不安が尽きません。コネクティッド技術によって安全性が向上すれば、航海の際も、私の家族は安心できるようになるでしょう。また、出航前にボートの状態を確認し必要なメンテナンスを把握できれば、より快適な航行が可能になります」と、ヤマハ発動機とのパートナーシップの意義を語ります。

MWC2025を振り返り、Björnは、コネクティッド事業の今後を次のように展望します。

「私たちはヤマハ発動機と率直に意見を交わしながら、信頼関係を築き、最適なコネクティッド技術の提供を支援してきました。自動車だけでなく、船舶市場においても、ソフトウェアでモビリティの機能や性能を進化させる『Software Defined Vehicle(SDV)』への変革が始まりつつあります。しかし、業界内におけるこの技術の理解はまだ不十分です。引き続き、パートナー企業と連携しながら安全性や利便性を高める技術の普及を進めることで、コネクティッド事業の未来を切り拓いていきます」(Björn)

● 83カ国で事業展開するKDDIのコネクティッド事業

KDDIは、MWC2025で紹介されたコネクティッドボートだけでなく、早い段階からモノをインターネットに接続するIoT分野に取り組んできました。2000年代初頭には自動車やスマートメーターなど、さまざまなモノをネットワークに接続するサービスを開始しています。2024年12月現在ではIoT回線数が4,852万回線を超えて国内トップシェアとなっており、2025年度内に5,400万回線を目指します。

このKDDIのコネクティッド事業についてKDDI Spherienceの代表取締役社長である岩永 祐一は、「特に自動車向けの通信サービスには力を入れており、2025年3月時点では、グループ全体で約3,000万回線を超える規模に成長し、世界7地域(83カ国・地域)で事業を展開しています。さらにグローバルに広げていくために、日本の自動車メーカーだけでなく、外資系の自動車メーカーとも連携しています」と紹介します。

KDDI Spherience 代表取締役社長 岩永 祐一KDDI Spherience 代表取締役社長 岩永 祐一

自動車業界では近年、SDVの概念が注目されています。このSDVとは、ソフトウェアで機能や性能を自由に変えられる自動車のことです。クラウドとの通信を活用し、ソフトウェアによって自動車やモビリティの機能を継続的かつ柔軟にアップデートできるようになるため、開発者をはじめ、運転者や搭乗者などにも大きな価値を創出します。

この自動車業界の変革について、岩永は「自動車は今後スマートフォンのように進化していきます。そのようなSDVの概念が広がっていくことにおいて重要なのは『つながる』ことです」と語り、こう続けます。

「これまで自動車の基本機能は『走る』『曲がる』『止まる』でしたが、今はそこに『つながる』が加わりました。近年のうちに、単なる移動手段としての価値に加え、情報の提供・収集の役割が求められるようになっています。その中で、KDDIの通信技術が果たす役割が重要になっています」(岩永)

● KDDI Spherienceが描くモビリティの未来像

コネクティッド技術の進化には、通信インフラの整備が不可欠です。特に5Gの実用化が進む中、より高度なコネクティッドサービスを提供し、お客さまのビジネス拡大に貢献することがKDDIの役割です。

KDDI Spherienceはその先導役になり、グローバルなコネクティッド事業の推進に取り組んでいます。KDDI Spherienceの拠点である米国は、SDVのリーディングカンパニーが存在する世界最大の自動車市場です。また、欧州市場においては、多くのグローバル企業を生み出してきたスウェーデンにも拠点を設置しており、いずれもグローバルに活躍できる人財が集まる環境にあります。

「KDDI Spherienceは、米国、欧州、日本が連携し、世界規模でコネクティッド事業を推進しています。『Meaningful Connections(意味のあるつながり)』をビジョンに掲げ、単に自動車やボートを接続するのではなく、それを利用する人間にとって価値あるデータをやり取りできるようにすることが目標です。私たちのお客さまを取り巻く市場や顧客ニーズの変化に対応しながらお客さまとの信頼関係を築き、長期的にサービスを利用してもらいたいです。またその過程で、社会課題の解決はもちろん、新たな体験の創出につながるようなワクワクするサービスを展開していきたいと考えています」(岩永)

また、グローバルなコネクティッド事業のさらなる拡大を目指す上で鍵になるのが、柔軟な通信環境です。KDDIグループでは、AI時代の通信プラットフォームである「WAKONX(ワコンクロス)」を基盤に、世界各地のパートナーとともに新たな技術に挑戦し、お客さまに「幅広い通信環境」を提供しています。さらに、SDVの普及と当社のグローバル展開を掛け合わせ、モビリティの進化を支えています。

「海外においても、最適な通信会社を選びたいという声があります。そのため、お客さまのニーズに応じた最適な通信環境を整えることが重要です。我々はお客さまに代わって、さまざまな通信会社を連携させる役割を担っています。KDDIとして、『つながり続ける』通信技術に注力し、5G技術も活用しながら、お客さまのビジネスに貢献していきたいと考えています」(岩永)

KDDIグループは、これからもコネクティッド技術を進化させ、グローバルに展開していくことで、モビリティ業界のさらなる発展、そして誰もが思いを実現できる社会に貢献していきます。

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