2023.1.19
ドローンの安全運航に欠かせないKDDIスマートドローンの技術
ドローンは旧来、通常のラジコン飛行機と同じように、操縦者がドローンの動きを目視で観察しながら、手元のコントローラーで操作するものでした。
そうしたドローンとモバイル通信、そして運航管理システムを組み合わせ、ドローンの目視外飛行(遠隔監視制御による長距離自律飛行)を可能にしたのが、KDDIスマートドローンの技術です。モバイル通信を使ったドローンの遠隔制御には、「飛行エリアの拡大」「運用コストの削減」「即時的でスピーディーな活用」という3つのベネフィットがユーザーにもたらされます。
また従来は、中山間部や島しょ地域といった一部エリアではモバイル通信の電波が届かず、ドローンの遠隔操作が行えない場合がありました。しかし、衛星ブロードバンドインターネット「Starlink」を活用することで、モバイル通信環境が整備されていないエリアでも遠隔目視制御による自律飛行を可能とします。
KDDIスマートドローンのノウハウを生かし、安定したドローンの運航を実現
KDDIスマートドローンは、ドローンの目視外飛行の社会実装を効率的、かつ効果的に進展させるものとして「スマートドローンツールズ」を提供しています。
これは、「モバイル通信」と「運航管理システム」、そしてデータ保管用の「クラウド (クラウドストレージ)」の3つを基本パッケージとして提供するサービスです。オプションで「高精度測位」「上空電波測定」「小型気象センサー」といった機能が用意されているほか「ドローン機体」も提供されます。
このうち運航管理システムは、ドローンのソフトウェア制御や自動運行を実現する仕組みであり、KDDIスマートドローンが提供するサービスの中核です。
このシステムでは、3D地図と上空気象予測にもとづいて飛行ルートを作成する機能をはじめ「ドローンのフライト開始、一時停止、カメラの遠隔操作・制御」「リアルタイムのドローン映像の共有」といった機能を提供するほか、ドローン遠隔飛行中の事故を補償する「賠償責任保険」を自動的に付帯する仕組みも備えています。
さらに、KDDIは2022年8月から、日本航空と共同で「1人の操縦者が複数のドローンを運航する1対多運航を実現する技術」の開発に共同で取り組んでいます。その成果はもちろんKDDIスマートドローンの運航管理システムに取り込まれます。
加えて、ドローンを構成する制御部分は通信を阻害する干渉ノイズの発生原因の一つとなっています。そこでKDDIスマートドローンはノイズへの耐性を備えたドローン専用通信モジュールを独自に開発し、スマートドローンツールズのオプションとして提供するドローン機体に搭載させています。これにより、ドローン機体と運航管理システム間で安定した通信が確立され、遠隔監視制御による飛行の安定性も確保されます。
KDDIスマートドローンのソリューションは、優れたドローンの機体があって初めて成立するものですが、運航管理システムやドローン専用通信制御モジュールは、通信事業やドローン事業で培ってきたKDDIの知見とノウハウがフルに生かされています。これからも、数々の実証実験から得られた成果をもとに、これらのシステムや技術に一層の磨きをかけていきます。