2023.10.27

特殊詐欺を未然に防ぐ「迷惑電話自動ブロック」をケーブルテレビ局と連携し展開

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連日、ニュースでは特殊詐欺の被害について報道されています。2014年をピークに減少していた特殊詐欺ですが、被害額、認知件数ともに8年ぶりに増加傾向に転じています。
警察庁の公表によれば、2022年の全国における特殊詐欺の被害総額は370億8000万円で、前年比131.5%。認知件数については、1万7570件で、同121.2%となりました。

特殊詐欺の被害件数推移 (出典)警察庁組織犯罪対策部「特殊詐欺の手口と対策(令和5年4月13日)」特殊詐欺の被害件数推移 (出典)警察庁組織犯罪対策部「特殊詐欺の手口と対策(令和5年4月13日)」

このような被害状況に関して、KDDI パーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 CATV営業企画部 長澤智英は「高齢者のお宅は固定電話が引かれていることが多く、特殊詐欺のターゲットになりやすい傾向にあります。また、スマートフォンや携帯電話と違って、固定電話には発信者番号表示機能が標準では搭載されていません。そのため、家族や親類を装った詐欺師の声色に高齢者の皆さんは意外なほど騙されてしまいます。また新型コロナウイルスの流行に伴って、公的機関を装った還付金詐欺も増えています」と説明します。

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 CATV営業企画部 長澤智英KDDI株式会社 パーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 CATV営業企画部 長澤智英

固定電話から詐欺被害を防ぐ自動ブロックサービス

特殊詐欺被害者への連絡手段として、全体の85.2%に「電話」が利用されており、そのうち97.2%が「固定電話」となっています。また、被害者の86.6%は65歳以上の高齢者と、多くの高齢者が固定電話を通して特殊詐欺に狙われている状況です。

「KDDIは、ケーブルプラス電話による固定電話サービスを620万回線*1以上提供しています。その中でも50歳を超えるお客さまが約77%と、非常に高い比率を占めています。このお客さまの詐欺被害を防ぐことは、KDDIにとって社会的使命だと考えています」

*1 2023年5月時点

以前から迷惑電話の撲滅に取り組んできたKDDIですが、最新の取り組みとして2022年2月より「迷惑電話自動ブロック」サービスの提供を開始しました。同サービスは、ケーブルプラス電話のオプション機能です。

迷惑電話を未然に防ぐ「迷惑電話自動ブロック」迷惑電話を未然に防ぐ「迷惑電話自動ブロック」

ケーブルプラス電話とは、全国各地のケーブルテレビ局と連携し、NTT東日本・西日本の加入電話回線と同等の通話を固定電話で可能にするサービスです。基本料金がお得に利用できることやケーブルプラス電話同士の通話料が無料となるのが特徴で、KDDIはケーブルテレビ局157社と連携して全国にケーブルプラス電話を提供しています。
その利用者に向けて提供されている「迷惑電話自動ブロック」は、その名のとおり特殊詐欺やセールス電話のような迷惑電話を自動的にブロックしてくれるサービスです。

ケーブルテレビ局や警察とタッグで特殊詐欺防止へ

長澤は、「迷惑電話自動ブロック」の販促施策の企画立案を行いながら、全国のケーブルテレビ局とさまざまな情報を交換する立場にいます。

「我々は、ケーブルテレビ局を通してお客さまへ電話による特殊詐欺について注意を勧告するチラシを配布するともに、迷惑電話自動ブロックが効果的であることを説明し、その普及拡大を図っています。また、日本各地で警察が行っている特殊詐欺対策の啓発イベントなどでも同様のチラシを配布し、同サービスによる特殊詐欺防止効果をアピールしています」

さらに「迷惑電話自動ブロック」サービスの提供を大きな契機として、同サービスを提供するケーブルテレビ局は地域の警察と犯罪防止に関する協定を続々と締結しています。それらの協定により、特殊詐欺への注意喚起に加え地域の見守りのような防犯活動が行われています。地域に根ざすケーブルテレビ局だからこそ、特殊詐欺防止を含めた地域の安全を守る大きな役割を担っているのです。

「迷惑電話自動ブロック利用者の96.2%が有効だと感じているというアンケート結果もあり、また多くのお客さまから、安心して生活できるという好評の声をいただいております。今後も、こういった特殊詐欺のような事象に対して敏感であるよう心掛け、問題が発生したらその解決に向けて迅速に対応できる施策を企画し、地域創生にもつなげていきたいと思っています」