2023.08.24
児童の見守りに特化したまもるっちの機能―KDDIの技術
KDDIのキッズ向けケータイ「mamorino(マモリーノ)」をカスタマイズした「まもるっち」は、防犯ブザーを引くだけでオペレーターと会話ができる端末です。手軽に連絡ができる一方で、誤報が多くなるという側面もあります。
「誤報が多くなると、本当に困っている人がオペレーターに繋がらない可能性が出てきます。でもブザーを抜きづらくしてしまうと、防犯の意味がなくなります。そこでまもるっちは、ブザーを抜いて3秒以内に戻せばオペレーターに繋がらないようにするなど、今まで複数のカスタマイズを行ってきました」
まもるっちは、品川区の「遊びを提供するものではなく、あくまで安全を見守る端末としたい」という想いを実現するため、mamorinoから必要最低限の機能に絞るようにカスタマイズしています。
システム開発はDXについてもご提案
まもるっち端末の開発だけでなく、ブザーが引かれたときに子どもの位置情報をGPSで測位してオペレーターの端末に表示するといったシステムの開発もKDDIが請け負っています。システムのレスポンスの速度や使い勝手をオペレーターからヒアリングし、改善を進めています。
また2024年度から運用開始予定の次期児童見守りシステムにおいては、故障時に代替端末の手配・申し込みが行えるウェブサイトを構築するなど、保護者の方が利用しやすい環境づくりをDXで推進していく予定です。
プロジェクト全体のマネジメントは官公庁ソリューション部が行っていますが、システム開発に関しては、DX推進本部のシステム開発部、まもるっちセンターのオペレーターに関しては、KDDIエボルバが運営するなど、KDDIグループの様々な技術を結集し、品川区の目指す児童見守りシステムを実現しています。
「それぞれの担当者たちからは専門的なサポートをしてもらうだけでなく、一人の保護者としての目線でアイデアをもらうこともあります。また児童見守りシステムにおいては、直接児童と接するまもるっちセンターのオペレーターだけではなく、保護者への端末操作サポートや故障時の端末手配などのサポート業務を行うオペレーターもいます。関係部署が非常に多いため、調整事項も多くなり、とても大変ではありますが、児童の安全を確保するという目標に向かって全員が力を合わせて進めることができているので、関係者の方々にはとても感謝しています」
KDDIが持つ技術力を活かして発展させていきたい
児童の見守りという大事な事業を10年継続して受託できていることに「やりがいを感じる」と桑名は話します。
「品川区にシステムを提供して10年がたち、数々のアップデートを重ねてきていますが、位置情報データの活用や教育分野との連携など、KDDIグループがもつ様々な技術やアイデアを組み合わせることで、さらなる児童の安全確保や付加価値の提供を行うことができるのではと考えています。また、児童見守りシステムは他の自治体からも興味を持っていただいているので、今まで培ってきた経験を活かして、各自治体に適したご提案をしていきたいと考えています」