2023.5.28
生涯現役社会が求められる今だからこそ、スマートフォンを起点にする
生涯現役社会を実現するために
日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は30%近くに達しており、さらに団塊の世代がもうすぐ75歳以上の後期高齢者となります。そのような中、医療費を抑えつつ、どのように生涯現役社会を実現するかが課題になっています。
ただ生命が維持されている状態ではなく、一人一人が自立した生活を送れてはじめて、生涯現役社会は達成されるのです。そのため治療や介護だけを充実させても不十分で、いかに日々の健康を支えるかが重要になります。
しかし、ここで問題になるのが医療格差です。日本の医療体制は都市部集中型であるため、地方住民は十分な医療を受けられないケースが増えつつあります。また、健康予防に関するサービスやアドバイスを受けることも、地方住民にとっては難しい状態です。
KDDIの田口健太は「生涯現役社会を実現するには、患者となった方に治療や介護を提供するだけでは不十分なのです」と話し、こう続けます。
「検診で警告が出た方や現在は問題ない方も含め、多くの人が健康的な生活を続けていけるようにしないと、生涯現役社会のような世界観は実現できません。より多くの人に対して、健康的な生活をアドバイスしながら適宜医療へとつなげていくためにも、スマートフォン起点でデジタルを上手く使う必要があります」(田口)
そのためのアプローチが「auウェルネス」です。KDDIが抱える多くのユーザーに対し、スマートフォンアプリを介して健康に関するアドバイスを与えたり、健康増進サービスや医療サービスへつないだりすることで、大きな社会課題を解決しようと取り組んでいます。
もともとauウェルネスはエクササイズ機能による健康増進がメインのサービスでした。しかし、新型コロナウイルスの影響による規制緩和などを受け、オンライン診療にも着手することになりました。日々のヘルスケアだけではなく、緊急時には医療機関へ患者さまをつなげるために、機能を拡充していったのです。
健康増進、オンライン診療、オンライン服薬指導をワンストップで提供
田口は「多くの医療機関とつながってオンライン医療サービスを受けられることが、auウェルネスの大きな強みです」と話します。
auウェルネスでは全国の5~6,000の医療機関の中から、自身の症状に合ったクリニックを選択してオンライン受診が可能です。さらに、診療後の処方箋を用いてオンライン服薬指導を受け、薬局から処方薬を宅配便で受け取るという一連の医療サービスもオンラインで完結できます。
「このような医療体験はほかのサービスでも提供されていますが、KDDIのauウェルネスではそこへさらに付加価値を与えています。例えばauウェルネス内のリンクからLINEアカウント『オンライン薬局 with auウェルネス』を登録していただければ、薬剤師さんとオンラインチャットが可能になります。現在はさらに開発を進めており、LINEを使わずにauウェルネスだけでチャット相談やオンライン服薬指導を受けられるようにする予定です」と話すのは、KDDIの石川洋平です。
日常の中で、医療に限らず健康意識を高めていくことが、auウェルネスの狙いの1つです。
「医療機関にかかるタイミングを適切に捉えてつないでいくことも、auウェルネスの役目であると考えています」(田口)
auウェルネスは、毎日の歩数計測、消費カロリーの記録、体重の推移などを記録し、医療サービスの手前におけるユーザーの健康管理も担います。日常のヘルスケアからオンライン医療、薬の配送までをワンストップで行えることこそが、auウェルネスの大きな特徴なのです。
「現在の若者は、生まれたときからスマートフォンがある、いわゆるデジタルネイティブです。そういったユーザーにとって、アプリでの健康管理やオンライン診療サービスは、ごく普通のことになっていくでしょう」(石川)
「今後はauウェルネスを介して、ユーザーそれぞれの日常活動や健康状態に合わせた、パーソナルな健康増進および医療体験の提案をできるようにしていきたいです」(田口)