「未来は、誰がつくるんだろう?」
大阪・関西万博の会場で、そんな問いに向き合っていたのは、研究者や企業の関係者だけではありません。
手元のスマートデバイスで未来を選択し、「こっちの未来がいい」と声を上げる子どもや学生たち。
その舞台となっていたのが、大阪・関西万博「未来の都市」パビリオンです。
KDDIは万博を、技術を見せる場ではなく、未来を生きる人たちと「未来を一緒につくる場」にしたいと考えました。その当たり前のようで難しい体験を、現実の場でどう実現するか。そこから、すべては始まりました。
この記事では、KDDIが未来を担う人たち—未来人財と向き合いながら、大阪・関西万博を通じてどんな対話や体験が生まれたのかを振り返ります。
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大阪・関西万博と「未来の都市」パビリオンについて
2025年4月13日から10月13日まで開催された大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、158の国・地域と7つの国際機関、計165の参加主体が世界中から集い、未来社会の姿を提示した過去最大規模の博覧会でした。
その中でKDDIは、日立製作所と共同で、未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博「未来の都市」にプラチナパートナーとして出展しました。
「未来の都市」は、Society 5.0が目指す人間中心の社会や都市のあり方をテーマに、博覧会協会と協賛企業が共創したパビリオンです。KDDIと日立製作所は、技術や強みを並べて見せるのではなく、来館者自身が未来を考え、選択する体験を重視した展示「Mirai Meeting(ミライミーティング)」を企画しました。
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「見る万博」でなく「考える万博」へ
Mirai Meetingは「未来は自分たちで変えられる」をコンセプトに、2つの体験で構成。
120人が一度に入場できる「Mirai Theater(ミライシアター)」では、2035年の未来に生きる子ども「TED(テッド)」からのSOSをきっかけに、「食と健康」「学びと仕事」といった身近なテーマについて考えていきます。ナビゲーターとともに未来の課題や選択肢に向き合い、一人ひとりがスマートデバイスを通して解決策を選択。その選択が未来にどのような変化をもたらすのかを体験します。
もう一方の「Mirai Arcade(ミライアーケード)」では、最大3人が協力しながら、ゲーム感覚で社会課題に向き合います。
気候変動や都市の課題に対して、再生可能エネルギーや自動運転といった解決策を選び、仲間と対話しながら未来を切り拓いていく体験です。こちらは小さなお子さまでも全身を使って楽しめる設計としました。
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万博開幕前から、未来を考える活動は始まっていた
未来を考える場は、万博会場に突然生まれたわけではありません。展示の構想段階から、未来を生きる人たちの声に耳を傾けることから出発点としました。
2023年12月から2024年にかけて、KDDIは小学生・中学生・大学生、そして社会人まで、年齢や立場の異なる人たちとともに、「理想の未来」について考えるワークショップを重ねてきました。小学生・中学生を対象に実施したのが、KDDIのグループ会社で、国内でキッザニアを運営するKCJ GROUPとのワークショップです。小学生のワークショップでは、自分たちが考えた未来の絵についてプレゼンテーションを行い、中学生のワークショップでは、「鳥獣戯画」の表現を用いて、考えた未来をイメージとして描き出しました。
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© 2024 Nowadays Cho-ju-Giga Art Project / KDDI / KCJ GROUP
一方、大学生とは、関西大学の万博部およびSDGsキャンパスサポーターの学生たちとともに、未来社会に向けた課題や、解決された先の社会について考えるワークショップを実施しました。参加した学生たちは、後日実際に万博会場の「未来の都市」を訪れた際、自分たちのアイデアや意見が展示の中でつながっていることに気づき、「点だったものが、線でつながる感覚があった」と振り返りました。未来を考えることが、机上の議論ではなく、現実の社会や自分自身の未来と地続きであると実感する体験でした。

正解を探すのではなく、自分の言葉で考え、選ぼうとする姿勢こそが、Mirai Meetingで創りたかった体験の土台になっていきました。
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未来を考える対話から、体験へ ―万博の開幕―
子どもや学生、社会人との会話を重ねながら、「Mirai Meeting」は形になっていきました。そして万博の開幕とともに、その対話は、来館者一人ひとりの体験として手渡されました。
2035年の未来から届く問いに触れ、「自分ならどんな選択をするか」を考え、手元のデバイスで未来を選ぶ体験に触れました。「Mirai Meeting」での体験を通して、来館者は未来を「遠い話」ではなく、自分の選択や行動によって変えられるものとして受け取りました。
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こうした体験は、展示の中だけで完結していたわけではありません。
子ども、大学生、内定者、株主、そして共創パートナーなど、それぞれの立場で参加した人たちが、「Mirai Meeting」での体験を通して、どんな未来を考えたのか、いくつかの場面を紹介します。
【子ども】こどもミライ祭り×未来の都市ツアー
万博最大級のイベント会場で開催されたキッザニア主催の「こどもミライ祭り」と連携し、小学生・中学生とその保護者を対象とした
「未来の都市」パビリオンツアーを実施しました。
約100人の子どもたちと保護者が「未来の都市」を訪れ、Mirai TheaterやMirai Arcadeを体験しました。
子どもたちは、展示を体験しながら社会課題に触れ、「自分ならどんな未来を選ぶか」を考えました。
当日は、特に関西で親しまれている「万博おばあちゃん」と巡るツアーや、KDDIの若手社員がアテンドするツアーなど、計3回のプログラムを実施し、体験を終えた子どもたちからは、こんな声が聞かれました。

子どもたちは未来を「誰かが決めるもの」ではなく、自分たちの選択や行動とつながったものとして受け取っていきました。「未来は自分たちで変えられる」そのコンセプトが、確かに子どもたちの中に芽生えた時間でした。
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【大学生】未来に向けて、自分にできることを考える
開幕前に未来社会について考えるワークショップを行ってきた関西大学の学生を中心に、法政大学、中央大学、福岡大学の学生たちを「未来の都市」に招待しました。展示の見学ツアーとあわせて、「未来に向けて、自分にできること」をテーマにしたワークショップも実施しました。参加した学生からは、こんな声が聞かれました。

展示と対話を通して学生たちが受け取ったのは、「未来は誰かに用意されるものではない」という感覚でした。
自分の選択や学び、日々の行動が、未来を形づくっていく。
その実感が、進路や生き方を考える視点へと、確かにつながっていった時間でした。
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【内定者】KDDIで働く意味を実感する体験
KDDIに入社予定の内定者にとっても、大阪・関西万博では特別な体験となりました。
見学会の前には、KDDI社員から、出展内容や展示コンセプトについて説明を行い、
そのうえで「未来の都市」パビリオンを見学しました。
自分がこれから働く会社が、どんな姿勢で社会や未来と向き合っているのか。
その現場を自分の目で見ることで、内定者たちは「未来を創る側に立つ自分」を具体的に想像したようです。
【株主】家族と一緒に未来を考える時間
個人株主の方々を招いた取り組みでは、
お子さまやお孫さんと一緒に来館する姿も多く見られました。
展示をきっかけに、家族で未来について語り合う時間が生まれ、「次の世代と未来を考える場」としての万博の価値が、
あらためて共有されていきました。
本取り組みには多くの応募が寄せられ、応募倍率は約340倍にのぼりました!
参加した株主からは、こんな声が寄せられました。

万博は、企業の取り組みを一方的に伝える場ではなく、世代を超えて未来について語り合う時間を生み出していました。家族とともに体験し、語り合うなかで、KDDIがどんな未来を目指しているのかを実感として受け取ってもらう。
そんな場としての価値が、株主の方々との関係の中でも育まれました。
【共創】学びの体験を広げた、エリクソンとの協働
万博では、展示体験だけでなく、未来を考える学びの場を広げる取り組みも行われました。KDDIとエリクソンは、これまでもロボットプログラミング教室を通じて子どもたちにデジタル技術に触れる機会を提供してきました。
その取り組みの延長として、大阪・関西万博の北欧パビリオンにて、一般募集で集まった小中学生30人が参加するプログラミング教室を実施しました。
教室の後には、「未来の都市」への体験ツアーも行われ、北欧パビリオンからの移動や体験の引率は、KDDIの若手社員が担いました。体験をともにつくるだけでなく、次の世代が未来と向き合う時間をパートナーや社員とともに支えていく。万博は、そんな共創の広がりを実感する場にもなっていました。
参加した子どもたちからは、こんな声も聞かれました。
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【社員】未来を伝える側になった若手社員たち
万博では、「業務の1%活動」として参加したKDDIの若手社員も、子どもたちと一緒に未来を考える役割を担いました。
業務の1%活動とは、就業時間の1%を使い、お客さまや社会と向き合う体験を通して理解を深めていくKDDIの全社的な取り組みです。大阪・関西万博では、未来人財である子どもたちを対象にした施策として位置づけられ、若手社員が「未来の都市」のナビゲーター役を担いました。社員たちは、展示を説明するだけではなく、子どもたちと同じ目線で考え、対話しながら体験を支えました。北欧パビリオンでのプログラミング教室から「未来の都市」への移動や体験の引率も、若手社員が担当しました。
万博での経験は、その場限りのものではありませんでした。技術やアイデアが社会とどのようにつながるのかを万博会場で体感したこと、多様な来場者と向き合ったことは、社員一人ひとりの仕事観に静かな変化をもたらしていきました。
未来を考える体験が、日々の業務と重なっていく。
万博を通して、未来を「考える人」から「支え、伝える人」へと立場を変えた若手社員たちの中に、新たな視点や発想が育まれていきました。
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会期中、大阪・関西万博には約2,550万人が来場し、「未来の都市」パビリオンには約190万人が足を運びました。そのうち、約90万人の方々が、Mirai Meetingを体験しています。
これらの数字は、子どもたちや学生、そして多くの一般来場者が、それぞれの立場で未来と向き合う時間を持ったことを示しています。
万博は閉幕しましたが、未来について考えるきっかけが終わったわけではありません。
万博で生まれた問いや気づきは、それぞれの暮らしに持ち帰られていることでしょう。
KDDIは、「未来を共に創るパートナー」として、未来を担う子どもたちの声に耳を傾けながら、人と人をつなぎ、
誰もが思いを実現できる未来社会に向けて、新たな価値を届け続けていきます。
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