KDDIは2025年7月、東京・高輪新本社に、社外とのコラボレーションを加速しイノベーション創出を目指す共創拠点「TSUNAGU BASE(つなぐベース)」を開設しました。
新本社のある「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」の付近は、江戸時代から交通の要として栄え、約150年前には日本初の鉄道が海の上を走ったイノベーションの地です。高輪ゲートウェイ駅と一体となったまちづくりが進むこの地に、KDDIは本社を移転。高輪の交流とイノベーションの歴史を引き継ぎ、この地を、業界を超えたあらゆるアイデアを集積して日本発のイノベーションを創出する「未来への実験場」として位置づけています。
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そして、新本社のコンセプトを「つなぐチカラを進化させ、ワクワクする未来を発信し続けるConnectable City」とし、その中に、お客さまやパートナーさまとつながり、ともに創る未来社会につながる基地「TSUNAGU BASE」を開設しました。“TSUNAGU”には、技術と人、アイデア同士、KDDIとパートナーなど、いろいろなものを“つなぐ”。“BASE”には、KDDIとパートナーの出発点であり、いつでも戻ってこられる拠点のような場所、“基地”となるようにという思いを込めています。
共創の取り組みを加速させる「TSUNAGU BASE」
新本社移転プロジェクトの事務局メンバーである総務部の松浦 知哉は、新本社のコンセプトについて次のように話します。
「新本社をどういうオフィスにしたいかを考える社員参加のワークショップで出てきたのが“Connectable City”というコンセプトです。単に業務を行うオフィスではなく、大きな街のようなイメージで、多くの人が集う場所にしたい。KDDI社員だけではなく、グループ会社、パートナーさま、そしてお客さまが集まってアイデアを出し合い共創し、イノベーションが生まれる場所にしたいという声が多くの社員から上がってきました」(松浦)
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こうした声によって生まれた「Connectable City」というコンセプトのもと、新本社には、社内外の仲間たちとつながり、共創やイノベーションが生まれるきっかけとなる仕組みやスペースを多く盛り込んでいます。
中でも13階の受付フロアにある、「TSUNAGU BASE」は、お客さまやパートナーさまとのつながりを深められる場所として、少し先の未来を感じ、考え、体験したり、いっしょに未来を創る仲間と出会えたりするエリアを用意しています。
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実は、KDDIではこれまでも「KDDI DIGITAL GATE」「KDDI research atelier」といった共創拠点をいくつか運営し、お客さまやパートナーとのコラボレーションを進めてきました。
「これまでは共創拠点が散在し、お客さまには目的に応じて各所を訪問いただく必要がありました。『TSUNAGU BASE』に共創機能を集約することで、多様な方々が同じ場所に集まり新たな価値創造の可能性が広がる環境を整えたのです。偶発的な出会いや連携の機会が増えると思います」(松浦)
また、「TSUNAGU BASE」の展示ならびに運営の全体設計を担当する先端企画統括部の田名部 浩美は、「TSUNAGU BASE」は、パートナーの皆さまとともに創る実験場でもあり、未来につながる基地であると表現し、こう続けます。
「KDDIは、『“つなぐチカラ”を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。』というビジョンを掲げています。このTSUNAGU BASEで、私たちの強みである通信やAIなどの『つなぐチカラ』と、『パートナーの皆さまの強み』とを“掛け算”することで、新しい多様な価値をスピーディーに生み出したいと考えています。それによって、社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現に寄与できると期待しています」(田名部)
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イノベーション創出を継続的に促進する5つのエリア
「TSUNAGU BASE」には、目的ごとに5つのエリアがあります。各エリアでどんなことができるのか、ご紹介します。
ともに一歩を踏み出す「Theater」
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初めて「TSUNAGU BASE」を訪れる方に、ぜひ体験していただきたいのが「Theater」です。ここではKDDIの通信に対する思いや、パートナーさまとともに実現したい未来について、ワイドスクリーンの映像でご紹介します。映像の後半では、「『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現する社会をつくる。」というKDDIの決意を、きっと感じていただけるはずです。
未来社会とつながる「Showroom」
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ShowroomではKDDIの多様な取り組みを紹介しています。Showroomの中央でひときわ目を引くのが、惑星を模した球体です。これはKDDIが進める事業戦略である「サテライトグロース戦略」を模したものです。
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巨大な球体はコア事業である5G通信、Data Driven、生成AIを表現。それを取り巻く小球体は、通信基盤を生かしたDX、金融、エネルギー、LX(Life Transformation)、モビリティ、スポーツエンタメ、Web3メタバース、ヘルスケア、宇宙といった事業領域を表現しています。小球体をスクリーンの前に設置すると詳細の説明が映像で紹介されるインタラクティブな仕掛けになっているので、ぜひ興味のある領域を体験してください。
さらに、このエリアの両サイドには、小売り企業向けの「リテールテック」や、法人向けビジネスプラットフォーム「WAKONX」の紹介コーナーもあります。KDDIの最新の技術の一端にぜひ触れてみてください。
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Showroomの企画を主導するLXサービス推進部の石井 亮平は、Showroomについて「KDDIが描く未来社会の具体的な活用シーンを体験できる場です。これまで限定的に公開していた次世代ソリューションを広く開放し、実際のビジネスや生活での活用イメージを共有できる場としました。展示を通じてパートナーの皆さまの事業課題と我々のソリューションの接点を発見し、具体的な社会実装への道筋を描いていく対話の起点として設計しています」と説明します。
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アイデアで技術と課題がつながる「Tomorrow Lab」
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Tomorrow Labでは、通信×AIで変わる未来の社会を感じることができます。「通信×AIによる『つなぐチカラの進化』」「地方・都市の持続的発展」「デジタル社会構築」といったテーマごとに、ネットワーク、ドローン、人流データ活用など社会価値創出に向けた研究開発・先端技術の取り組みを紹介しています。エリア内にはミーティングスペースも用意されており、展示を起点として未来の姿を思い描いた話も膨らんでいきそうです。
「パートナーさまとの社会課題の解決に向けた実証実験や新たなソリューション開発に取り組むユースケースも紹介しています。一方的な提案ではなく、より良い解決策をともに探求する対話の場です。リラックスした雰囲気の中で気づきや対話が生まれるよう、空間設計にもこだわりました」(田名部)

未来をつくる仲間とつながる「Lounge」
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Loungeは、イベントスペースとコワーキングスペースを兼ね備えた、オープンなスペースです。来場した方々が、他の来場者やKDDI社員とつながり、共創を生み出すための起点となります。
「Loungeの真価は、戦略的なコミュニティ設計にあります。単なる場の提供ではなく、コミュニティマネージャーによるキュレーション機能により、来場者の潜在ニーズを可視化し、最適なパートナーとのマッチングを促進しています。これにより継続的なエンゲージメントを通じて関係性を深化させ、戦略的共創へ発展させる仕組みを構築しました」(石井)
未来をつくる仲間とつながる「Idea Palette」

対話から生まれたアイデアを、具体的なプロジェクトに発展させるためのワークショップのためのスペースです。絵の具のようにさまざまなアイデアが混ざりあう、パレットのような場所にしたいという思いから、「Idea Palette」と呼んでいます。
KDDI DIGITAL GATEで蓄積したDX支援や新規ビジネス開発のノウハウを、この場所に凝縮しています。
ここまで「TSUNAGU BASE」をエリアごとに紹介しましたが、実はこれらは相互に関連しており、一度きりではなく何度も訪れたくなる場所を目指しています。例えば、Showroomで可能性を発見し、Tomorrow Labでさらに考えを深め、Idea Paletteで実装方法を検討して、Loungeで新たなパートナーと出会う、といったことです。継続的に集まり、プロジェクトを進化させ、新たな仲間を巻き込みながら社会実装するまで伴走する、「TSUNAGU BASE」はそんな場所を目指しています。

ワクワクする未来をつくる仲間とつながり、日本発のイノベーションを創出
社外の皆さまとのコラボレーションスペースである「TSUNAGU BASE」ですが、中でもスタートアップの皆さまとの共創には力を注いでいきます。
「社会課題解決には、既存フレームワークを超越した発想が必要です。スタートアップの持つアジリティとKDDIのインフラ・技術力を戦略的に融合することで、スケーラブルな社会インパクトを創出できると確信しています。Loungeでの継続的なイベント・セミナーを通じて社会価値創造の炎を育み続け、志を共にするパートナーとのコミュニティを拡張し、TSUNAGU BASEをイノベーション集積地としていきたいと思います」(石井)
その戦略的な取り組みの一環として、今後定期的に「TSUNAGU BASE」で、大企業100社が参画する事業共創プラットフォーム「KDDI ∞ Labo(ムゲンラボ)」のイベントを開催する予定です。従来の単発的なビジネスマッチングの枠を超え、持続可能な社会課題解決に向けた実効性のある共創プロジェクトを継続的に創出していくことを目指しています。
さまざまな課題が顕在化している、いま。課題に立ち向かうときに役立てていただきたいのが「TSUNAGU BASE」です。
「1社だけで課題を解決するのは難しくても、いろいろな人が集まりコラボレーションすることで、課題解決や新しい価値の創出が見えてきます。現状から一歩先の未来社会に向けて踏み出したいというときに、まず『TSUNAGU BASE』を思い浮かべていただけるような場所にしたいと考えています」(田名部)
KDDIは新本社を起点として、未来をつくる仲間とつながり、業界を超えてありとあらゆるアイデアを集積し、日本発のイノベーションを創出していくことに挑戦します。