for-future

スマホで体験できる大阪・関西万博 「バーチャル未来の都市」に込めた思い

2025年4月13日から10月13日まで開催される大阪・関西万博。KDDIは、2025年日本国際博覧会未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・未来の都市」(以下、「未来の都市」)に協賛するプラチナパートナーとして、日立製作所と共同展示を行います。

大阪・関西万博 未来の都市パビリオン大阪・関西万博 未来の都市パビリオン

未来の都市パビリオンにおいて日立製作所とKDDIが担当するのは、「Society 5.0と未来の都市」のエリア。「未来は自分たちで変えられる」をコンセプトとした本展示では、未来の課題に対する解決策を来場者が自ら選択することを通して、未来の都市がどのように変わるのかをシミュレーションにより体験できます。

Society 5.0と未来の都市の展示イメージSociety 5.0と未来の都市の展示イメージ

未来の都市の展示は、大阪・夢洲の会場だけではありません。大阪・関西万博の会期中、KDDIはメタバース上に「バーチャル未来の都市」を提供します。
未来の都市のテーマ「幸せの都市へ」に基づき、KDDIと未来の都市の協賛9者*1が共創し、Society 5.0が目指す人間中心の都市空間を構築しました。アバターを介して社会課題を解決した未来の姿や未来を支える技術に触れていただくなど、バーチャルならではの独自体験が可能です。

フィールドは空想地図作家の今和泉隆行が監修。2030年以降のさまざまな未来の都市機能や価値観を反映した空間として設計しました。現実の世界の延長線上としており、空間で起き得る課題に対する解決策を現実世界に持ち帰り、より良い未来の選択に役立ててもらうことを目指します。

では、バーチャル未来の都市はどのような内容なのでしょうか。KDDIでバーチャル未来の都市プロジェクト全体の統括責任者である舘林 俊平と、プロジェクトの推進役である山田 健太、そして街の設計を手掛けた今和泉 隆行さんに話を聞きました。

バーチャル未来の都市のイメージバーチャル未来の都市のイメージ

● 時間や場所の制約を超えて、より多くの人に体験の機会を提供

バーチャル未来の都市は、203X年の仮想の街。未来のテクノロジーが広がる世界です。そこでは、アバターを介して、現在における都市の様々な課題を、参画企業の技術や、都市・郊外の住人との会話や体験を通じて未来の社会やテクノロジーがどのように私たちの生活に影響を与えるのか学んでいきます。

体験の入口となる「未来研究所」の所長体験の入口となる「未来研究所」の所長

また、都市空間を散策し、未来の姿のヒントを集める「ミライリサーチ」では、参加者は都市空間を散策し、未来の姿のヒントを集める宝探し体験を行います。環境問題や人口減少、働き手不足などの社会課題に対して、協賛各社の技術を活用した解決策を体験すると「リサーチノート」が更新されます。
リサーチノートを完成させて最終レポートを提出すると特別デザインのNFT*2を獲得できます。

リサーチノートリサーチノート

リアル会場だけでなく、バーチャルでも体験を提供する背景について、プロジェクトを推進する山田 健太は次のように説明します。

KDDI 渉外・コミュニケーション統括本部 ブランド・コミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 大阪・関西万博準備室 室長 山田 健太KDDI 渉外・コミュニケーション統括本部 ブランド・コミュニケーション本部 ブランドマネジメント部 大阪・関西万博準備室 室長 山田 健太

「バーチャル未来の都市は、KDDIの強みであるメタバースを活用し、大阪の万博会場に来ることができない方々にも未来の都市を体験してもらおうという思いから企画がスタートしました。バーチャル未来の都市を体験していただいたうえで、『万博会場でも体験してみたい』と思って足を運んでくれたらうれしいですし、逆に万博会場に来ていただいた方にも、バーチャル未来の都市を通じて、万博会場とは違った角度から未来の都市を体験していただけたらと思います」(山田)

バーチャル未来の都市のシンボルバーチャル未来の都市のシンボル

バーチャル未来の都市では、現実の都市では体験できないような、自由な探索が可能です。プロジェクトを統括する舘林 俊平はその点について、「バーチャルでは、広大な空間に自由に入って街を散策することができるため、時間や場所の制約を超えてより多くの人に未来の都市を感じてもらえます」と話します。

KDDI 事業創造本部 Web3推進部 舘林 俊平KDDI 事業創造本部 Web3推進部 舘林 俊平

「バーチャル未来の都市の構築にあたって大切にしたのは、万博会場とは違う体験を提供すること。万博会場での展示を再現することが目的ではありません。未来の街にどんなテクノロジーが実装されているのか、より多くの情報量とより高い解像度で体験していただくことが狙いです。リアルな体験の価値が高いことは間違いありませんが、バーチャルにはバーチャルの良さがありますから」(舘林)

● 自分の未来に思いを馳せるきっかけに

バーチャル未来の都市の地図制作を担当したのは、今和泉 隆行さん。実在しない都市の地図をリアルに描く空想地図作家として活躍されています。

今和泉さんは、バーチャル未来の都市の制作において、「単に企業の技術を見せるだけではなく、都市として機能するように作り込む必要があり、実際に街を歩いている感覚を味わえるような空間を作るために多くの細かい調整が必要でした」とその過程を振り返ります。

株式会社地理人研究所代表 今和泉 隆行さん株式会社地理人研究所代表 今和泉 隆行さん

「当初は、いかにも未来っぽい街を作ったほうがいいのかなと思っていましたが、KDDIさんとディスカッションを重ねるなかで、そうではないことがわかりました。むしろ、現実と地続きで、一般的な生活が営まれている、いわば“普通の街”をベースにするのが適切だと考え、いくつかの実在する街の要素が組み合わさった状態をイメージすることからはじめました」(今和泉さん)

参考情報としていくつかの実在する街を想定し、実際の街の地図を参考にしながら、「中心から少し離れれば工場もあり」「大きなショッピングセンターあり」「再開発でメインストリートが変わり、新旧の住民の属性が異なる」といった特徴まで記したイメージマップを大量に用意したそう。

地図製作の様子地図製作の様子

「リアリティのある街をつくるにあたって、まずは“よそから多くの人が集まりつつ、住人も多い街”を想定しました。東京だとイメージしたのは山手線の外側の、たとえば錦糸町や大井町、中野あたり。今回の協賛各社には関西の企業も多いので、“関西で言うならJR尼崎駅北口あたりですね”と、同じ認識で議論が進められるよう工夫しました」(今和泉さん)

「それらを各者の方に見てもらい、万博に出展している技術やサービスが、どの街なら実際にもあり得るか、うまく収まるかなどの意見を頂戴しました。そこでより具体的に街に必要な要素が判明し、未来の都市の解像度がぐんと上がったところで、“これらの要素が入った街を作りましょう”と、あらためて今和泉さんにお願いしたんです」(舘林)

そうして作られた地図を元に各者と検討、今和泉さんが地図を修正する作業が何度も繰り返されました。

「広い会議室に巨大な地図のプリントアウトを貼り出して、協賛各社がそれを取り囲んで、“あれがあったほうがいいですよね”“この要素は要らないんじゃない?”と意見を出しつつ付箋を貼っていった作業がすごく印象に残っています。100%架空の街なのに、みなさん本当に真剣に取り組んでいただきました」(舘林)

「本当の街づくりを見ているみたいでした。その後も実際の都市計画と同じような大変さがあったろうなと思います」(今和泉さん)

● バーチャル未来の都市の見どころは?

そうしてできあがったバーチャル未来の都市。「どこにでもありそうな“普通の街”に、未来の技術が実装されているのが見どころ」と舘林はいいます。

「私たちがパッと想像する「未来の都市」って、1970年の大阪万博会場のように何もない場所に突然現れる、まったく新しい街だと思うんです。でも、現実はそうではなく、街は様々な過程を経て進化していきます。今回は今和泉さんにお願いしたからこそ、今の現実と地続きの未来の都市を生み出すことができたと思います。架空の街でありながら各社の展示をおこなうだけではなく、実際に都市として機能しながら進化した街が生まれました」(舘林)

バーチャル未来の都市のイメージ

バーチャル未来の都市では、未来の技術を手探りで見つけ出すのではなく、未来の住民と会話をしながら体験することができます。また、未来の住人が何を課題と捉えていて、それをどう解決して話してくれます。山田は、「バーチャル未来の都市での体験が、自分たちの“生きていたい未来”を考えるきっかけになってくれたらうれしい」とその思いを語ります。

「未来の都市は、バーチャルでもリアルでも、『未来はこうあるべき』と示すようなものではありません。いろんな可能性がある中で、自分たちの選択と行動によって『未来は自分たちで変えられる』ことを、ぜひ体験していただきたいです」(山田)

バーチャル未来の都市は、大阪・関西万博が開幕する4月13日以降、アプリ「αU metaverse」 にて体験できます。バーチャルならではの視点で未来を描いた都市を、ぜひご体験ください。そして、スマートフォンを介した束の間の旅から戻ってきて、普段生活している街をあらためて目にしたときに、みなさんの暮らす街の未来について少し思いを馳せるきっかけになるかもしれません。

KDDIはこの万博を通じて、未来を創るのは一人ひとりの選択であり、「KDDIはその選択を支える存在でありたい」という思いをみなさまにお伝えしていきます。そのためにKDDIは、通信を基盤に未来の都市を支える技術を提供し、人々がより豊かに暮らせる持続可能な社会を目指します。

【先行体験について】
KDDIのブランド体験施設GINZA 456において、開発中のバーチャル未来の都市の一部エリアを一足先に体験できるイベントを開催します。

■開催期間:2025年3月14日~2025年10月(予定)

■会場:GINZA 456 Created by KDDI
東京都中央区銀座4丁目5番6号(地下鉄銀座駅 A9出口すぐ)
GINZA 456 ホームページ https://ginza456.kddi.com/
■体験内容:バーチャル未来の都市(ベータ版)
※開発中の一部エリアを体験いただけます。

■参加方法:事前予約は不要で、すべて無料で体験いただけます。

*1 バーチャル未来の都市は、未来の都市に協賛する以下各社が参画しています。
株式会社日立製作所
KDDI株式会社
株式会社クボタ
川崎重工業株式会社
関西電力送配電株式会社
株式会社神戸製鋼所
株式会社IHI
青木あすなろ建設株式会社・株式会社小松製作所
カナデビア株式会社
株式会社商船三井

*2 NFT (Non-Fungible Token) とは、ブロックチェーン上で発行され、唯一無二性を証明することができ代替が不可能なトークンのことを指します。

KDDIトビラの記事カテゴリ

  • X
  • facebook
  • youtube