2025年4月10日、KDDIとスペースXは、国内で初めて(KDDI調べ)、Starlink衛星とauスマートフォンの直接通信サービス au Starlink Direct をスタートします。このサービスでは、空が見える状況であれば圏外エリアでも通信することが可能に。これまでどの国内通信事業者でも5Gや4G LTEでは提供が困難だった山間部や島しょ部を含む日本全土にauのエリアを拡張し、「空が見えれば、どこでもつながる」*1体験を提供します。
圏外エリアでもメッセージの送受信が可能に
空が見える状況であればどこでもつながる、au Starlink Direct 。対応するスマートフォンは、計50機種、約600万台。最新のOSにアップデートいただくと、auのお客さまなら申し込み不要で使っていただくことができます。なお、このサービスは、SMSなどメッセージの送受信からスタートし、2025年夏以降にはデータ通信にも対応予定です。
具体的なサービス概要・対応機種や料金に関する情報はこちら
au Starlink Direct の利用方法をご紹介します。
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対応のスマートフォンが圏外エリアに入ると、空が見える状況であれば、Starlink衛星と自動的に接続され、画面右上のステータスバーのアイコン表示が「圏外」から衛星のピクトに切り替わります。
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そして、メッセージアプリに「衛星経由でメッセージを送受信できます」とメッセージが届きます。
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Starlink衛星と接続されたことで、圏外エリアでもメッセージの送受信ができるようになります。送信先の相手に自分の現在地を伝えることも可能です。例えば、登山中に遭難した場合、空が見えれば圏外エリアからでもメッセージを送ることが可能となるほか、圏内エリアにいる人からも連絡が取れるため、登山者とその家族や友人の不安解消につながります。また、緊急速報の受信や安否の確認など、災害時の連絡手段としても役立ちます。
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AndroidスマートフォンではGoogleのAIサービス「Gemini in Googleメッセージ」のほか、iPhoneでも同様の機能をお試しいただける「シンプルAIチャット」が利用可能に。「近くの山小屋を探して」「これからの天気を教えて」といった質問や指示に応じた回答を得ることができ、山中や海上などの圏外エリアでも知りたいことや困りごとを解決します。
Starlink衛星とスマートフォンの直接通信サービスをスタートした背景
KDDIは、「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」をスローガンに、全国さまざまな場所でサービスエリアの拡大や改善を行っていますが、山岳地帯や海上など、通常の対策では難しい場所も少なくありません。
そこで2022年より、Starlinkをバックホール回線としたau基地局を展開しています。低軌道で周回する衛星を利用することで、光ファイバー回線の敷設が難しい場所でも通信エリアの構築が可能になり、すでに山間部の施設や建設現場などで利用が進んでいます。
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また、Starlink衛星と地上のアンテナをつなぐことでWi-Fiが利用できる「山小屋Wi-Fi」を展開しています。2023年から取り組みをスタートし、今では日本百名山を中心とした約100カ所の山小屋で「山小屋Wi-Fi」が利用可能になりました。
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Starlinkの機器は小型で持ち運びやすく、設置も簡単なため、災害時にも活躍します。令和6年能登半島地震の復旧支援活動では大きな役割を果たしました。

KDDIは日本の衛星通信サービスの一角を担い、宇宙から日本と世界をつなぎ続けてきました。衛星通信の歴史を遡ると、KDD茨城宇宙通信実験所(後のKDDI茨城衛星通信センター)でアメリカと日本を結んで初のテレビ衛星中継実験を行ったのは、1963年のこと。それから60年の間に衛星通信技術は進化を続け、いよいよStarlink衛星とauスマートフォンの直接通信サービスがスタート。日本のどこにいても「つながらない」がなくなるように、「空が見えれば、どこでもつながる」体験を提供し、宇宙から「ずっと、もっと、つなぐぞ。au」を実現していきます。
「空が見えれば、どこでもつながる」の可能性は無限大
これまでのStarlinkは、高度約550kmを周回する低軌道衛星と、地上に設置したアンテナが通信することで、インターネットに接続していました。一方、今回の直接通信サービスでは、さらに軌道の低い地上340kmを周回する衛星とスマートフォンが直接通信を行います。

KDDIで事業戦略の立案を手掛け、Starlink衛星とauスマートフォンの直接通信サービスにも携わるKDDI パーソナル事業戦略本部の本間 寛明は、「どこでもつながる安心を提供するために、このサービスが果たす役割は大きい」と語ります。
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「多くの方が、『スマホはいつでもどこでも使えて当たり前』と捉えていると思います。しかし、山間部や海上など、つながらない場所はゼロではありません。スマホを使いたい時に使いたい場所でつながらないと不安になりますし、山での遭難や災害などの非常時にはつながらないことが命に関わりかねません。Starlink衛星とauスマートフォンの直接通信サービスは、そういった状況での通信手段として非常に有効です。登山や災害時の安全確保や、林業・建設業への活用など、『空が見えれば、どこでもつながる』の可能性は無限大です。これまで通信が届きにくかったエリアでいつものスマートフォンが使えるのは、利用されるお客様にとって大きな価値だと考えます」(本間)
KDDI 技術企画本部の内田 浩徳は、「Starlink衛星との直接通信サービスの実現は一筋縄ではいかず、各方面との協議や調整に時間を要しました」と、このサービスの提供に至るまでの過程を振り返ります。

「とりわけ大きな課題となったのは、スペースX社との技術調整です。同社はグローバル視点でサービスを展開しており、KDDIがこれまで培ってきた携帯電話サービス提供のノウハウや考え方とは異なる部分もあったため、時間をかけて協議を重ねました。また、これまでのauサービスの品質を維持しつつ、新しく衛星サービスを始めるため、KDDIの2GHz帯の周波数を衛星通信用と地上通信用に割り当て、社内の多くの担当者と連携しながら準備を進めてきました。制度面では、無線局間で干渉や混信等の問題が起きないよう、事業者間で調整を図りました」(内田)
「『空が見えれば、どこでもつながる』の可能性は無限大」と感じているのは内田も同様です。内田は2024年10月に沖縄県久米島で実施した実証実験で、Starlink衛星とauスマートフォンの直接通信を体感し、その可能性を肌で感じたといいます。
「スマートフォンの表示が『圏外』から『SpaceX - au』に切り替わり、SMSの送受信に成功したときは感動しました。私が感じたワクワク感を、ぜひ多くの方にご体感いただきたいです」(内田)
ついにスタートしたStarlink衛星とauスマートフォンの直接通信サービス。ぜひご自身のスマートフォンで、「空が見えれば、どこでもつながる」をご体感ください。
KDDIはこれからも、「つなぐチカラ」の進化を加速させ、お客さまにより価値のあるサービスを体験していただくことを目指していきます。
*1 対象端末にて、SMS、Google メッセージ アプリ上でのテキストメッセージで先行して提供開始。
音声通話とインターネット通信は未対応(2025年3月時点)。
※衛星捕捉時には留守電機能と着信転送機能をご利用いただけません。
※衛星捕捉まで時間を要する場合や、一時的に停波する場合があります。
※遮蔽物がある場合には接続が制限されます。また、一部地域においては接続されない場合があります。
詳しくは当社ホームページをご確認ください。