「食」を見直すことで近づくカーボンニュートラル

日本で排出されるCO2のうち6割は、衣食住といった個人のライフスタイルに起因するものだといわれています。
とくに食の分野においては、フードロス問題や、ワンウェイプラスチック問題、さまざまな課題が存在しています。

そこでKDDIでは、環境省の食とくらしの「グリーンライフ・ポイント」推進事業に参画し、au PAYやau PAY マーケットでの日常の購買行動のなかで、お客さまの環境に優しい行動を後押しする取り組みをスタートさせました。その第1弾として2023年1月から環境特化のサイトを立ち上げ、環境に配慮したau PAY加盟店(Kuradashi、ウエルシア薬局、松屋)での決済や、au PAYマーケットでの賞味期限間際の商品の購入などに対しPontaポイントを付与する施策を実施しています。

KDDIでは、この環境省の参画事業として始まった「グリーンライフ・ポイント」の取組を持続的に成長させていくために、今後もPontaポイントの利便性を高め、多くのパートナーさまと手を取り合いながら、みなさまのライフスタイル全体を便利で環境に優しいものへと変革してまいります。

アプリを通じて、お客さまともにサステナブルな社会を実現する一歩を踏み出す

「KDDIは、au PAYなどのサービスを通じて多くのお客さまと接しています。環境省の食とくらしの『グリーンライフ・ポイント』推進事業に参画することで、お客さまの身近なところからライフスタイルをより環境に配慮したものに変えていく後押しができると思いました」と話すのは、KDDI サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル戦略グループの柏木真由子です。

環境省の「グリーンライフ・ポイント」推進事業は、環境配慮製品やサービスを選択する消費者の皆さんに対して、インセンティブとしてポイントを発行する企業や自治体などを支援する事業です。

KDDI株式会社 サステナビリティ経営推進本部 サステナビリティ企画部 カーボンニュートラル戦略グループ 柏木真由子

2022年12月に同事業の事業実施団体として採択されたKDDIでは、その第1弾(2023年1月10日から3月31日まで)として、「au Pontaポータル」に特集サイトを立ち上げ、環境に配慮した取り組みを行うau PAY加盟店(Kuradashi、ウエルシア薬局、松屋)でのお買い物や、au PAY マーケットでのフードロスの削減に貢献するお買い物などに対してPontaポイントの還元を実施しています。

キャンペーンバナー(本キャンペーンは2023年3月31日で終了)

「フードロスの問題は、実はCO2排出に大きく関わっています。パッケージが傷んだ商品や消費期限が間近になった商品は廃棄処分になりますが、焼却場に運び処分するときにCO2が発生します。日本では年間522万トンもの食料品が廃棄されていて、これは国民全員が毎日お茶碗で約1杯分113gを捨てているのに相当します」(柏木)

お客さまの環境に優しい行動に対してPontaポイントを還元

「今回の施策は、環境に優しい行動をしていただくことで、日々の生活で使えるPontaポイントが、さらにたまる仕組みです。環境問題に意識の高いお客さまはもちろんですが、環境問題について頭では理解できていても、実際に何をしたらよいのか分からないというお客さまの動機付けになればと思っています。お客さまが本企画に参加するには、各加盟店の環境配慮行動を紹介するスマホサイト上にて「参加する」ボタン押していただく必要があります。これは、お客さま自身に環境配慮活動を行おうという意志表示をしてもらう意味を込めています。おかげさまで想定を超える数十万規模のお客さまに参加いただけており、改めて環境配慮に対するお客さまの機運が高いことを実感しました。」と話すのは、KDDI マーケティング本部 マーケティング企画部 野依直子です。

KDDI株式会社 マーケティング本部 マーケティング企画部 野依直子

「グリーンライフ・ポイント」推進事業の施策は、息の長い取り組みとして成長を目指します。現在は、2023年4月以降にともに取り組んでいただけるパートナー企業さまと話を進めているところです。

「参画いただくパートナー企業の皆さんも、自社のお客さまに対して環境に優しい製品やサービスを提供したいとさまざまな工夫をされています。そうした取り組みをau PAYで紹介し、auのお客さまにも知ってもらいたいという思いもあります」(柏木)

「au PAYが環境への取り組みを始めたことは社内でも浸透しつつあり、多くのお客さまと接点のあるKDDIとして積極的に進めるべきだという声も多く聞かれます。今後は例えば、ライドシェアをやっている交通系や、自治体の独自ポイントなど、幅広い連携も進めたいと思っています」(野依)

サステナビリティ経営を推進するKDDIにとってカーボンニュートラルの実現は、重要な課題の一つです。これからもお客さまの環境に優しい行動を後押しできるよう、パートナー企業の皆さまとともに努力してまいります。

長期間のキャンペーンだからこそ、ハートウォーミングなUIを

au PAYアプリは、月間1400万人ものお客さまにご利用いただいています。2022年1月には大規模なリニューアルをし、その後も自動抽選の機能(たぬきの抽選会)や、あらかじめ取っておいたクーポンを決済時に自動適用する仕組み、中小の加盟店さまが自社でクーポンを発行できる機能などをリリースするなど、より便利で使っていただきやすくなるように改善を続けています。

今回のグリーンライフ・ポイントは、お客さまがエントリーして特定の加盟店様でお買い物していただいたときにポイントを付与するという仕組みになっています。

au PAYアプリの開発を担当しているKDDI株式会社 パーソナル事業本部 マーケティング統括本部 au PAY企画部 アプリ企画グループの木林美帆は、「今までau PAYは単に支払いの手段という感じでしたが、今回の施策は環境に配慮した加盟店さまと共同で実施する施策という意味で新しい方向性だなと感じました」と話し、こう続けます。

KDDI株式会社 パーソナル事業本部 マーケティング統括本部 au PAY企画部 アプリ企画グループ 木林美帆

「エントリーの仕組みは他のキャンペーンでも使っているので技術的には難しくありませんでしたが、ユーザーインターフェース(UI)の面では工夫しました。グリーンライフ・ポイントは長い期間継続する取り組みなので、お客さまに認識し続けていただくにはどうすればよいのかを考えています。例えば今回、決済の完了画面でキャラクターのポンタと妹のプティポンタが一緒に道を歩いてきて手を上げるというアニメーションを入れていますが、ハートウォーミングな印象をもたせることで、お客さまの記憶に残ればと思ってチャレンジしたUI設計です」

au PAYアプリ上でのグリーンライフポイントエントリー画面と支払い完了画面

小さな声にも耳を傾けお客さまが使いやすいアプリに

auPAYアプリは、KDDI社内で開発されています。そうすることで、小さな改善をクイックに行えるからです。
「アプリ開発で難しいのは、事業的に達成したい目標とお客さまの使いやすさとを両立させなければならない点です。お客さまの使いやすさという面では、新しいサービスを追加するときや大規模なアプリ改修のときには、まずプロトタイプとなる試作品を作り、実際に社内のいろんな人に見てもらい、『ここはこうした方がいい』『速度が遅くなった』など意見を集めながら、改善を繰り返していきます。あらかじめ意見が言いやすいような開発環境を整えておくことで、できるだけクイックにレビュー結果を反映できるようにしています」(木林)

また、パートナー企業のご協力の下、実際のお客さまに試作品を操作していただき、改善に活かしていくこともしばしばあります。
「お客さまに実際操作いただくと、『こんなところに視線がいってる』『こんなふうに受け取られてしまう』といった気づきがたくさんあります。どこの画面を見ながらどんな言葉を発しているのか、そうした小さな声を聞き逃さないようにしています」(木林)

こういうことを伝えたいから、こういうふうにつくってみた、それをお客さまがどう受け取ったか確認し、改善を繰り返す――お客さまの声に耳を傾け続けるというこだわりを常に持ち、お客さまが使いやすいアプリづくりに木林は邁進します。

おトクだけではない、社会にも環境にも優しい仕組みづくり

「日本のフードロスの量は年間522万トン。そして、フードロスの運搬・焼却によって発生するCO2の量は全体の8%から10%ぐらいあると言われています」と話すのは、食のECサイトであるソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営する株式会社クラダシ取締役執行役員CEOの河村晃平さんです。

株式会社クラダシ取締役執行役員CEOの河村晃平さん

Kuradashiは、フードロスを削減しながらシステムで社会貢献できる仕組みがあったらいいなという思いから誕生しました。規格外や3分の1ルール*1などの食品流通の商慣習や、パッケージの傷や汚れ、季節商品など味や品質に問題がないにもかかわらず、フードロスになってしまう恐れのある商品をKuradashiが買い取り、それをユーザーにオンラインで迅速に届けるというビジネスモデルです。さらに売上の一部を環境保護、災害支援などの社会貢献活動団体に寄付するという仕組みになっています。

*1 賞味期限が残り3分の1となる前に、卸業者が小売店に納品しなければならないといった食品メーカーとスーパーなどの小売店の間に存在している商習慣。

Kuradashiの仕組み

「クラダシは『日本で最もフードロスを削減する会社』をビジョンとして、社会性、環境性、経済性に優れたソーシャルグッドカンパニーをめざしています。メーカーさまは今までは捨てるという選択肢しかなかったのに捨てずにすみフードロス削減に取り組めます。ユーザーさんはお得にお買い物ができ、フードロスを削減しながら気軽に社会貢献活動にもつながります」(河村さん)

河村さんの言葉どおりクラダシでは、マーケットプレイス「Kuradashi」運営のほか、社会貢献活動を自ら行うためにつくられたクラダシ基金を設立し、フードロス削減につながるフードバンク支援*2、地方創生、災害対策支援、SDGs教育事業も展開しています。

*2 品質に問題がないにもかかわらず市場で流通できなくなった食品を、企業から寄付を受け生活困窮者などに配給する活動

宝探しのようなお買い物体験でフードロス削減へ

河村さんは、消費者の購買意識が変化してきていると言います。

「『モノ消費』という時代を経て、2000年以降は『コト消費』の時代が訪れました。そして最近は『イミ消費』が重視されはじめました。商品があればよい『モノ消費』から、何かの体験をしたい、楽しい活動をやりたいという『コト消費』、そして今は自分の消費行動を次世代につながる意味あるものにしたいという『イミ消費』です」

Kuradashiでは、「楽しいお買い物でみんなトクするソーシャルグッドマーケット」という言葉をブランドパーパスにしています。いわゆる「訳あり」商品を扱っているため、今日あった商品が明日はもうなくなっているかもしれない、そんな宝探しのような感覚で楽しめるサービスです。また、「トクする」には、低価格のお得な「得」とフードロス削減や社会貢献による「徳」の2つの意味が込められています

モノも提供するし、宝探しのような買い物体験を提供し、フードロス削減・社会貢献というソーシャルな意味づけを提供するKuradashiは、まさに三拍子そろった新しい形のマーケットプレイスなのです。

Kuradashiの操作画面

今回au PAY加盟店としてKDDIとともにPontaポイント還元の取り組みを進めていることや今後の展望について、河村さんは次のように話します。

「KDDIは数千万人という多くの人々に環境に対するアプローチができるので、参画させていただきました。フードロス削減をしたい、サステナブルな社会を実現したいという両社の思いを、ともにこれからも提携し広げていきたいと思っています。そのためにも、ユーザーさんに届けるだけでなく、メーカーさんにも思いを共感してもらうために、フードサプライチェーンにおける課題解決に取り組んでいきたいと考えています」

この記事をシェアする

このページに興味・関心がもてましたか