KDDIは、どこでもつながる5Gエリアを目指して、多くの人が集まる都市部の商業地域の「面」と、そこに延びる鉄道沿いの「線」を組み合わせたエリア展開を進めています。
お客さまの生活動線を意識して通勤や通学、繁華街やショッピングセンターのほか、スタジアムやイベント会場など人の集まる施設を訪れたときでも、途切れることなく5Gを使えるよう日々エリアを構築しています。
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5Gエリアの拡大だけではなく、エリア内において常に快適な品質でお客さまにご利用いただくために、ビッグデータの活用や実際の現場に足を運んだりすることで、お客さまと同じ目線で5Gの通信品質を確認しています。
人々が多く集まる場所でも快適に5Gが利用できるよう通信品質の維持・向上に取り組む担当者の思いやこだわりをご紹介します。
5Gエリアの通信品質向上を図る──「品質管理」
5Gのエリア拡大は、企画、開発、検証、設計、工事、品質管理、運用といった段階を踏んで進んでいきます。ここでは、品質管理について紹介します。

ビッグデータ分析と地道な現地調査から始まる品質管理
品質管理の工程では、5Gエリアにおける音声通話やデータ通信の品質、電波状況を調査し、品質の維持・改善を行います。ビッグデータの活用や実際に足を運んで電波状況の調査を行い、お客さまがストレスなく快適に通信できる環境を維持していくというのが大きな役割です。
KDDIは、5Gエリアを拡大するにあたってお客さまの生活動線を意識し、主要なターミナル駅周辺の商業地域で5Gエリアを展開するとともに、そこへ延びている鉄道路線のエリア化を進めています。品質管理の工程においても、通勤や通学での移動中や商業地域で過ごしていても5Gが途切れることのないよう日々改善に取り組んでいます。
お客さまの移動状況、人の流れは日々変化するため、通信品質の維持・向上のためには常にメンテナンスを行う必要があります。品質管理の工程は、大きく「現状把握」「分析」「改善」「事後確認」の4つのステップに分けられ、サイクルを回しています。

① 現状把握
お客さまの利用状況をはじめとするビッグデータから、各エリアにおける5Gの電波状況を確認し、音声通話やデータ通信の品質を判断します。詳細な状況を確認するためには、実際に現地に行って現状を把握します。
② 分析
品質向上の余地があるエリアに対して、au基地局のアンテナの方向や角度を変えたらどうなるか、設備のパラメータを調整するとどうなるかといったことをシミュレーションします。
③ 改善
分析結果をもとに、au基地局のアンテナの向きの調整や、設備のパラメータ変更を行います。
④ 事後確認
実際に通信品質が改善されたかビッグデータの確認を行い、現地で体感品質のチェックを行います。改善しきれない場合、新たな基地局を建設する必要性について、企画・設計部門にフィードバックを行っています。
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あるエリアの品質改善をするとき、一度行えばそれで終わりというわけではありません。
新しいビルの建設や商業施設ができて人の流れが変わることで、通信品質が変化することもあります。また近年のコロナ禍によって、お客さまの移動状況、人の流れは変化しています。あらゆる状況や人々の動向を鑑みて改善を繰り返していくことで、安定した通信品質を維持し続けることができます。
スタジアムやイベント会場などでの“予防的”品質管理
品質管理のもう1つの側面として、スタジアムやイベント会場などで一時的に多くのお客さまが集まる場合でも、5G通信の品質を保つことが求められます。近年では5Gを活かしたコンテンツをイベント会場で同時に展開することも頻繁になってきました。会場の規模や参加人数などを推測し、これまでの経験や知見に基づいて、あらかじめ臨時の車載基地局を設置するなどして、お客さまに快適にスマートフォンをご利用いただく環境を作っています。

膨大なビッグデータの分析とともに、地道な現地調査、知見に基づいた予防的改善などによって、5Gエリアの通信品質は日々維持・改善されています。
現地現物で5Gの品質を守る、担当者の思い
5Gエリアの品質管理に携わっている担当者2人に、大切にしている思いやこだわりを聞きました。
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お客さまの“5Gへの期待感”にお応えしたい
ここ数年で、スマートフォンは大きく普及しました。それと同時に、お客さまの利用の仕方も大きく変わりつつあります。かつての携帯端末で観ることが難しかった動画コンテンツも、いまやスマートフォンで楽しむのがごく普通のことになっています。
「お客さまの使い方が変化していくなか、より快適に動画などのリッチなコンテンツを楽しめる5Gに大きな期待が寄せられるのは当然かもしれません。しかも、多くの人は外出先で、移動しながら5Gを利用しています。お客さまの生活動線に合わせた5Gエリアで、お客さまのニーズに応えられる品質を維持できることを心がけています」(渡辺)
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また、渡辺とともに品質管理に携わる髙田美希は、自身の思いについてこう話します。
「お客さまが5Gに対して、大きな期待を寄せていることを最近強く感じるようになりました。5Gでどう変わるんだろう? 通信速度は速くなるのかな? そういう期待感をもって、ワクワクして5G対応端末を購入するお客さまも多いと思います。そんな、お客さまが持っている5Gへの“期待感”にお応えできるように、品質管理に努めています」
現在の5Gエリアの拡大においては、4G(LTE)で使われてきた周波数帯や通信技術が利用されることもあります。
「5Gの通信品質を向上させるために4Gの設備にも手を加えることになるため、そのバランスを取りながら最大のパフォーマンスを発揮させることが、5Gが拡大途上にある現時点での難しさだと思います。4G端末を使われているお客さまも数多くいらっしゃいますので、4G・5G両方の品質を高めていくことが重要になります」(髙田)
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お客さまの目線で仕事に取り組む
「私たちは日々通信品質の改善に取り組んでいますが、そのとき大切にしたいと思っているのが“お客さま目線”です。私は、実際に街中での現地調査を行うことも多いのですが、お客さまが使っている端末と同じ機種を持ち、お客さまが利用する同じ環境に身を置いて通信品質を体感し、調査を行うということを大切にしています」(髙田)
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近年、スマートフォンや通信を取り巻く環境変化のスピードはとても速くなりました。また、コロナ禍の影響もありお客さまの働き方や生活も大きく変化しています。
「10年レベルで振り返ってみても、連絡ツールは音声電話やメールからメッセージアプリになり、パソコンで観ていた動画も、スマートフォンで手軽に観られるようになっています。そういった時代の変化やニーズに対応して、また未来の生活を見透し先回りすることで、お客さまにワクワクした体験をお届けできるよう、これからも通信品質の維持・向上に努めていきたいと思っています」(渡辺)
KDDIはこれからも、現地現物でお客さまと同じ目線をもって通信品質の維持・向上に取り組んでまいります。