2023.08.31

ブロックチェーンが支えるWeb3の世界
唯一性を証明、思い出を記録

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Web3の世界を支える技術の1つに、ブロックチェーンがあります。どのような技術で、どんなことに役立つのでしょうか。

「ブロックチェーンの技術は、簡単に言うとインターネットでの唯一性を証明する技術です。インターネットは、データのコピーが簡単にできます。でも、ブロックチェーンの技術によって、このデジタルデータは唯一無二、ここにしかないことが証明できます」
Web3推進部のメタバース担当、市川達也はこう説明します。

NFTが本物だと証明

メタバースは、3次元で構成されたインターネット上の仮想空間で、ユーザーはアバターになって動き回ったり、会話したりします。遊びや交流だけではなく、経済活動が盛り上がっていくことも想定しています。アバターが着飾るための洋服やアイテムを売買するなどがその例です。
「ブロックチェーンの技術を使うと、クリエイターが自分のオリジナルブランドを作ってメタバースで売りたい時、その品物が偽物ではなく本物だと証明できます。代替できないデジタルデータ、いわゆるNFTになります」

KDDI 事業創造本部 Web3推進部 2グループ 市川達也KDDI 事業創造本部 Web3推進部 2グループ 市川達也

NFTの技術により、デジタル上に作品を発表するクリエイターが収益を受け取ったり、所有者の証明をしたりする仕組みが整ってきました。
「我々はNFTの『記録』『証明』の面に注目しています。NFTはブロックチェーンの技術を使い、誰のものか、いつ作られたか、どういう人の手に渡ってきたかなど、全部記録されています。これらの情報は、メタバースでの自身の歩みを証明するものであり、活動を広げる重要なカギになります」

メタバースに愛着を持つための工夫

αU metaverseで行われた音楽ライブでは、NFTのチケットが配布されました。ポスターのようになっていて、メタバースの自分の部屋に飾れます。

NFTポスターが貼られた部屋のイメージNFTポスターが貼られた部屋のイメージ

「そのチケットは、ブロックチェーンの技術でライブに行ったことを証明できます。今後、記録の中身を見られる機能を追加することで、思い出として振り返ることができますし、ライブに行った人を集めてイベントを開いたり、コミュニティのようなものを作ったりできます。メタバースという、もうひとつの世界に愛着を持つきっかけになるでしょう」

αU metaverseは、将来的には他のメタバースと自由に行き来できる「オープンメタバース」を目指し、物やサービスも行き来できることを目標にしています。
「素晴らしい作品を作るクリエイターが集い、ここから新しい文化が生まれるといいな、と思っています」

スマートフォンでの使用にこだわる

こだわっている点は他にもあります。
「他のメタバースの中には、ハイスペックなパソコンを必要とするサービスもあります。動き回るたくさんのアバターを表示し続けるには、マシンスペックが重要です。そのために高価なパソコンを用意するのは大変なので、αU metaverseはあえてスマートフォンのみで動くサービスにしました。縦型での操作を基本としたメタバースで、3Dオブジェクトのサイズを軽くするなど、スマートフォン用に最適化しています」

また、αU metaverseは感情やニュアンスが伝わりやすいよう、チャットのようなテキストではなく、自分の声でコミュニケーションできるようになっています。遠い所の人の声は小さく、近くでははっきり聞こえるよう距離減衰を入れ、リアルに近い雰囲気でコミュニケーションできるようにしました。

最新の技術も積極的に取り入れ、生成AIの謎解きゲームイベントを行いました。
「ブロックチェーンやAIのような新技術を採り入れつつ、基礎的な技術も大切に、お客さまの体験価値を向上させていきたいです」