キーワードは「自己表現」
Z世代の心に寄り添うサービスを

1990年代後半から2010年代に生まれた若者たちは「Z世代」と呼ばれています。インターネット、SNSに早くから親しみ、従来にない新しい価値観を持っていると言われています。
そんなZ世代を応援するαU(アルファユー)のサービスはなぜ生まれたのでしょうか。
Web3推進部の山本 楓はこう話します。

「Z世代のクリエイターやインフルエンサーの方々にヒアリングしたところ、現代社会において自己表現のしづらさや現実逃避したいという思いがあることがわかりました。そういった課題を解決し、誰でも簡単に自らの思いや作品を発信できる場所を目指して、αUの立ち上げに至りました」(山本)

KDDI 事業創造本部 Web3推進部 1グループ 山本 楓KDDI 事業創造本部 Web3推進部 1グループ 山本 楓

同じWeb3推進部の宮本真帆はこう振り返ります。

「Z世代はオンラインゲームなどで、すでにメタバース空間とリアルの空間を行き来しています。そうした背景から、2つの世界は別々に存在するのではなく、「すでに一つになっている」という意味でαUは『もう、ひとつの世界。』をコンセプトに掲げました」(宮本)

KDDI 事業創造本部 Web3推進部 1グループ 宮本真帆KDDI 事業創造本部 Web3推進部 1グループ 宮本真帆

Z世代は、インフルエンサーから一般消費者まで、様々な人が発信している情報を毎日目にし、自分も表現することで誰かとつながりたいと考えている方も多くいらっしゃいます。
でも、多数の人に向かって表現することには、楽しさだけではなく、恥ずかしさや、ためらいの気持ちも付き物です。

「学生のみなさんは、通っている学校の人と親しく付き合い、学校を中心に人間関係を築いています。そこでの人間関係を気にされるあまり、学校というリアルな場では好きなことを表現しづらい面があるのかもしれません」(宮本)

ライバーさんをギフトで応援

Z世代の多くは自分の「推し」がいるといわれ、好きなアニメキャラクターやアイドルを応援する「推し活」が盛んです。メタバースの世界では、趣味を同じくする仲間だけでなく、「推し」とも簡単につながることができます。

「αU metaverseでは、ライバーランキングというイベントを定期的にやっていまして、ライバーさんにファンの方からギフトを贈ることができます。ギフトがポイントに換算され、『推し』のライバーさんがランキングの上位に行けるというような仕組みです」(宮本)

参加者はチャット形式ではなく、音声でコミュニケーションできるので、リアルな交流と近い雰囲気が味わえます。

Z世代に寄り添い続ける

Z世代は、自分らしさを大切にする世代だと言われています。
「αU marketはいろいろなイベントやコンテンツとコラボレーションしてNFTを販売していますが、Z世代の新入社員が出したアイデアをもとに、今流行っている性格診断テスト『MBTI』をキャラクターに当てはめたNFTを制作し販売しました。550円と最初のNFTとして買いやすい金額に設定しました」(山本)

すとっぴ×αU NFTコレクションすとっぴ×αU NFTコレクション

Z世代に寄り添う工夫としては、他にも、「新しい学校のリーダーズ」というダンスボーカルユニットとコラボレーションしたNFTの配布も行っています。

「もともとNFTは、投資の対象として話題になったと思います。でも、それだけではなく、ブロックチェーンの技術を使うことで唯一無二であることの証明ができ、色々な記録をつけられるところに可能性を感じています。チケットとして扱うこともできますし。αU marketのNFTは暗号資産がなくても、クレジットカードで購入できます。使いやすい工夫をすることで、若い方たちの表現活動をサポートしたいと思っています」(宮本)

ブロックチェーンが支えるWeb3の世界
唯一性を証明、思い出を記録

Web3の世界を支える技術の1つに、ブロックチェーンがあります。どのような技術で、どんなことに役立つのでしょうか。

「ブロックチェーンの技術は、簡単に言うとインターネットでの唯一性を証明する技術です。インターネットは、データのコピーが簡単にできます。でも、ブロックチェーンの技術によって、このデジタルデータは唯一無二、ここにしかないことが証明できます」
Web3推進部のメタバース担当、市川達也はこう説明します。

NFTが本物だと証明

メタバースは、3次元で構成されたインターネット上の仮想空間で、ユーザーはアバターになって動き回ったり、会話したりします。遊びや交流だけではなく、経済活動が盛り上がっていくことも想定しています。アバターが着飾るための洋服やアイテムを売買するなどがその例です。
「ブロックチェーンの技術を使うと、クリエイターが自分のオリジナルブランドを作ってメタバースで売りたい時、その品物が偽物ではなく本物だと証明できます。代替できないデジタルデータ、いわゆるNFTになります」

KDDI 事業創造本部 Web3推進部 2グループ 市川達也KDDI 事業創造本部 Web3推進部 2グループ 市川達也

NFTの技術により、デジタル上に作品を発表するクリエイターが収益を受け取ったり、所有者の証明をしたりする仕組みが整ってきました。
「我々はNFTの『記録』『証明』の面に注目しています。NFTはブロックチェーンの技術を使い、誰のものか、いつ作られたか、どういう人の手に渡ってきたかなど、全部記録されています。これらの情報は、メタバースでの自身の歩みを証明するものであり、活動を広げる重要なカギになります」

メタバースに愛着を持つための工夫

αU metaverseで行われた音楽ライブでは、NFTのチケットが配布されました。ポスターのようになっていて、メタバースの自分の部屋に飾れます。

NFTポスターが貼られた部屋のイメージNFTポスターが貼られた部屋のイメージ

「そのチケットは、ブロックチェーンの技術でライブに行ったことを証明できます。今後、記録の中身を見られる機能を追加することで、思い出として振り返ることができますし、ライブに行った人を集めてイベントを開いたり、コミュニティのようなものを作ったりできます。メタバースという、もうひとつの世界に愛着を持つきっかけになるでしょう」

αU metaverseは、将来的には他のメタバースと自由に行き来できる「オープンメタバース」を目指し、物やサービスも行き来できることを目標にしています。
「素晴らしい作品を作るクリエイターが集い、ここから新しい文化が生まれるといいな、と思っています」

スマートフォンでの使用にこだわる

こだわっている点は他にもあります。
「他のメタバースの中には、ハイスペックなパソコンを必要とするサービスもあります。動き回るたくさんのアバターを表示し続けるには、マシンスペックが重要です。そのために高価なパソコンを用意するのは大変なので、αU metaverseはあえてスマートフォンのみで動くサービスにしました。縦型での操作を基本としたメタバースで、3Dオブジェクトのサイズを軽くするなど、スマートフォン用に最適化しています」

また、αU metaverseは感情やニュアンスが伝わりやすいよう、チャットのようなテキストではなく、自分の声でコミュニケーションできるようになっています。遠い所の人の声は小さく、近くでははっきり聞こえるよう距離減衰を入れ、リアルに近い雰囲気でコミュニケーションできるようにしました。

最新の技術も積極的に取り入れ、生成AIの謎解きゲームイベントを行いました。
「ブロックチェーンやAIのような新技術を採り入れつつ、基礎的な技術も大切に、お客さまの体験価値を向上させていきたいです」

メタバース・Web3が切り開く新時代
Z世代はどう考える?―balaのみなさんにインタビュー

Z世代のみなさんは、Web3とメタバースが切り開く新時代について、どう考えているのでしょうか。メンバー全員がZ世代のクリエイティブ・アーティスト・コレクティブ「bala」のみなさんにお話を伺いました。

<bala>左からSUNNY ONLY 1さん、DANさん、KANOさん、MANONさん。SNSを通して知り合った4人から成るクリエイティブ集団。3Dアバター「Barla」を介し、Web3を活用した次世代のクリエイティブに取り組んでいる。<bala>左からSUNNY ONLY 1さん、DANさん、KANOさん、MANONさん。SNSを通して知り合った4人から成るクリエイティブ集団。3Dアバター「Barla」を介し、Web3を活用した次世代のクリエイティブに取り組んでいる。

仮想空間は小学生の頃から

MANONさんは小学生の頃、仮想空間アバターコミュニティサービスを利用していました。

「メタバースについては、子どもの頃を思い出してノスタルジーも感じます。アバターを着せ替えさせたり、色々な所に遊びに行ったり、誰かとコミュニケーションしたり、楽しかったですよ。でも、メタバースでライブができるようになったのは最近で、当時はありませんでした」(MANONさん)

左:MANONさん、右:KANOさん左:MANONさん、右:KANOさん

メタバース空間でのライブは、オンラインで配信されている従来型のライブより、圧倒的な臨場感があるのが特徴です。

balaのみなさんは2023年3月、αU metaverseの「バーチャル渋谷」でライブを行いました。観客はアバターになり、踊ったり、手を振ったり、現実にライブ会場にいるのと同じように楽しむことができます。

「メタバースのライブでは、自分たちもお客さんとしてアバターで参加し、対話もできて面白かったです」(KANOさん)

「遠い所の人がライブに来るのは大変ですけど、メタバースはどこにいてもすぐ集まれるのがいいところですね。オンラインゲームの世界に入ってライブするのも、格好いいかもしれません」(DANさん)

バーチャルの方が話しやすい

SUNNY ONLY 1さんは「ライブでは、3DアバターのBarlaちゃんが結構リアルに動いていて感動しました。バーチャル渋谷が派手で超かわいくて、あそこでフェスとかやりたいです」と仮想空間の魅力を語ります。「アバターになって自分の見た目を変えられるのも、不思議な感覚です」(SUNNY ONLY 1さん)

左:DANさん、右:SUNNY ONLY 1さん左:DANさん、右:SUNNY ONLY 1さん

メタバースの世界では、ユーザーは好きな見た目のアバターになります。年齢、性別、社会的地位に関係なく、フラットな人間関係を築くことができます。
そのせいでしょうか、メタバースのライブは現実より、お客さんどうしの会話が進んでいたとKANOさんは振り返ります。
様々な制約が取り払われ、現実社会では不可能なことまで、できてしまいます。
「バーチャルの世界では空を飛ぶことだって可能です」(DANさん)

創作するファンとコラボするかも

Web3の時代には、アーティストとファンの距離感も変化していきそうです。

「昔のタレントやミュージシャンは、ファンにとって手が届かない存在でした。Web3の時代が来るとスムーズに会話できそうですし、創作活動をされているファンの方なら、クリエイターとのコラボレーションが実現するかもしれません。アーティストとファンの関係は、より密接になるのではないでしょうか」(MANONさん)

表現者と受け取る側、という境目がなくなるのは、嬉しく楽しいことだといいます。

「私たちは今までにないエンタテインメントや表現に挑戦したいので、αUのメタバースライブやその空間で色々な人と関わるのは、自分たちのやりたいことと一致します」(KANOさん)

「色々なクリエイターさんとコラボレーションして、私たちも成長したいと思います」(SUNNY ONLY 1さん)