2023.1.19

学生スポーツを支え、日本をスポーツ大国へ。運動通信社が目指すビジョンとは

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日本を世界が憧れるスポーツ大国にしたい

運動通信社は、“日本を世界が憧れるスポーツ大国にする”をVISIONに掲げ、2015年に設立されました。KDDIとパートナーシップを結び運営する「SPORTS BULL」のほか、オリジナルスポーツ漫画プロジェクト「COMIC BULL」、プレミアム音声サービス「Now Voice」など、スポーツに関する多様なサービスを展開しています。

「バーチャル高校野球に携わっていたときにKDDIさんとディスカッションする機会がありました。そのときに、『スポーツの領域で、次にどのようなチャレンジをしようとしているのか』と質問いただき、学生スポーツを中心としたインターネットライブ配信事業の話をさせていただきました。それに対して、『5G通信を活かし、スポーツにおけるライブの価値を一緒に高めて行こう!』と意気投合してもらったのです」と、運動通信社 代表取締役社長である黒飛功二朗さんは、KDDIとの縁を振り返ります。

株式会社運動通信社 代表取締役社長 黒飛功二朗さん株式会社運動通信社 代表取締役社長 黒飛功二朗さん

こうして、両社が強固なパートナーシップを結んだことがSPORTS BULLの飛躍につながっていきました。2022年には夏の高校野球の本大会・地方大会含めて約3,600試合中3,300試合を超える配信を行い、今後は地方大会を含めた全試合の配信を目標にサービスの拡張を進めています。そうした実績を生かして現在では、春高バレー、高校サッカー、インターハイの各種競技など、幅広い学生スポーツを配信しています。

「現在、SPORTS BULLアプリのダウンロード数は650万を超えています。夏は高校野球だけでなく、各種競技のインターハイなども行われるため、最盛期には月のアクティブユーザー数が1,600万人を超えるサービスになっています」と話すのは、運動通信社で執行役員を務める椛沢保男さんです。

株式会社運動通信社 執行役員 椛沢保男さん株式会社運動通信社 執行役員 椛沢保男さん

SPORTS BULLの特長の一つは、セレクトした複数の試合を同時に観戦できる点にあります。全国大会の地方予選では、各都道府県で同時刻にさまざまな会場で試合が行われるため、ファンの皆さんにとても喜ばれているそうです。

「学校関係の方や選手のご家族、ファンの方々などからポジティブな感想をいただけるのは大きなやりがいになっています。また、選手からも『強豪校のプレーを参考にしています』といったフィードバックが届くのもうれしいことです。当初は観戦するファンのために開設したサービスでしたが、結果として選手の競技力向上にもつながるのだと気づかされました。日本全体のスポーツレベルを引き上げることに寄与できれば、とてもうれしいです」(黒飛さん)

学生スポーツを支えることが、トップアスリートの育成につながる

運動通信社では、ミッションの一つに「スポーツの『みる』『する』『ささえる』の体験価値を高め、繋ぐ。」を掲げています。このうちの「みる」は、試合の配信により実現しています。そして、「ささえる」ためのサービスが、2022年10月に誕生した学生スポーツ応援コミュニティサービス「ANYTEAM」です。

「学生スポーツには、ポテンシャルがあります。実は日本の体育教育は世界的に見ても非常に充実しているのです。小学生の頃から、授業の中で幅広い競技に触れる機会があり、中学校では運動系の部活に入る率が高い。そういう意味では、既に日本はスポーツ大国と言ってもよいのです」(黒飛さん)

学校でスポーツに触れる機会があると同時に、テレビなどでスポーツを観戦する機会が多い点も、日本人とスポーツとの関係性には欠かせないと黒飛さんは続けます。しかしながら、近年のコロナ禍によってご家族やファンの応援ができなくなっていること、部活動を維持するための費用負担の増大などが、部活動をする上で大きな課題となっています。少子化による学生数の減少もあいまって、存続の危機にさられている部活動も少なくありません。

「部活チームと応援するファンを同じプラットフォームでつなぎ、部活動を支えることのできるサービスをつくりたいと考え、KDDIさんと話し合いながら実現したのがANYTEAMです」(黒飛さん)

「サービス開始直後、春高バレーや高校サッカーの地方予選が行われたこともあり、既にANYTEAMのファンコミュニティ機能は広く認知され、活用されはじめています。ユーザーの皆さまからは、SPORTS BULLで試合観戦しながらチームに応援メッセージが送れたり、ファン同士でコミュニケーションが取れたりするなど、好評をいただいています」(椛沢さん)

応援したい部活チームへ支援金を送ることができるドネーション機能に関しては、各学校の関係者の皆さまと協議しながら、事業を広げている段階にあると椛沢さんは説明します。

ANYTEAMのドネーション機能ANYTEAMのドネーション機能

「世界で活躍するトップアスリートの多くは、学生時代に部活動を経験しています。逆に言えば、学生スポーツを支えることは、将来活躍するアスリートを支えることにつながるのです。今後は、SPORTS BULLで『みる』、ANYTEAMで『ささえる』に加えて、『する』をサポートするアカデミー事業を展開する構想を持っています。技術向上を支援することは、指導者不足や顧問の先生方の負担軽減にもつながるはずです。これからもKDDIさんとともにさまざまなアイデアを出し合いながら、スポーツ界全体の発展をサポートしていきます」(黒飛さん)